曲の紹介「Ophelia オフェリア」
インフォメーション
- 曲名:Ophelia(オフェリア)
- アーティスト:The Band(ザ・バンド)
- 作詞・作曲:Robbie Robertson(ロビー・ロバートソン)
- リリース:1969年9月22日
- サマリー:The Bandの6枚目のアルバム、1975年リリース「Northern Lights-Southern Cross」(日本語名:南十字星)に収録された曲
- 記事参照元:
- Ophelia (The Band song) -Wikipedia
- ザ・バンド-Wikipedia
- 歌詞引用元:Ophelia (Genius)
曲について
タイトル「オフェリア」の由来は、シェイクスピアの「ハムレット」からとか、ミニー・パールという女性コメディアンの本名(サラ・オフィリア・コリー・キャノン)からなど、いろいろ推測されています。
歌詞の内容は、オフェリア(またはオフィーリア)という主人公の恋人と思われる女性が、急にいなくなり、彼は帰ってきてくれと願うストーリーです。
私の推測ですが、読み解いていくと、彼女の消えた理由を彼は、
“Was it something that somebody said?“「何かを誰かが言ったのか?」と怪しんでいます。
“Honey, you know we broke the rules“「俺たちはルール(規律)を破ったよね」では、おそらく人種差別による許されない恋だったのか、あるいは貧富の差による許されない恋だったのでしょう。
これは”Was somebody up against the law?“で(規律は破ったが)法律は犯していないとはっきり言っています。
そして、”Ashes of laughter, the ghost is clear“「笑い声の灰、幽霊がはっきり見える」
“They got your number, scared and running“「みんな君の正体を知って、怖がって逃げていった」とあるように、彼女はもう死んでいたのです。
おそらく、許されない恋を嘆きながらの、哀しい死だったことが想像できます。
そして、”But I’m still waiting for the second coming “「だけど、僕は今でも待っている、(オフィーリアの)再来を」とあるように、彼は「幽霊でもいいから僕のもとへ帰っておいで」と祈ります。
訳してみると、まるでシェークスピアの戯曲の「ロミオとジュリエット」や「ハムレット」、「オセロ」のような悲しい物語が語られているように思いました。
とても、The Bandらしい南部サウンドにのせられた哀しい歌詞が、胸を打つ名曲だと思います。
歌詞の和訳(Ophelia オフェリア)
(原詞:太文字)
Ophelia
Boards on the window, mail by the door
窓に張られた板、ドアには手紙
What would anybody leave so quickly for?
どうしてこんな急に誰もいなくなったんだ?
Ophelia
オフィーリア
Where have you gone?
どこに行ってしまったんだ?
The old neighborhood just ain’t the same
馴染みの近所も変わってるし
Nobody knows just what became of
何が起きたのか誰も知らない
Ophelia
オフィーリアに
Tell me, what went wrong
教えてくれ、何がいけなかったんだ
Was it something that somebody said?
何かを誰かが言ったのか?
Mama, I know we broke the rules
ママ、僕たちが規律を破ったのはわかってる
Was somebody up against the law?
でも誰が法を犯したというんだ
Honey, you know I’d die for you
ハニー、君のためなら僕は死んでもいい
Ashes of laughter, the ghost is clear
笑い声の灰、幽霊がはっきり見える
Why do the best things always disappear
なぜ最高なものはいつも無くなるのか
Like Ophelia
オフィーリアのように
Please darken my door *1
どうか、僕に起きないでくれ
Was it something that somebody said?
何かを誰かが言ったのか?
Honey, you know we broke the rules
ハニー、俺たちは規律を破ったよな
Was somebody up against the law?
でも誰が、法を犯したというんだ
Honey, you know I’d die for you
ハニー、君のためなら僕は死んでもいい
They got your number, scared and running *2
みんな君の正体を知って、怖がって逃げた
But I’m still waiting for the second coming *3
だけど、僕は今でも待っている、再来を
Of Ophelia
オフィーリアの
Come back home
家に帰っておいで
キーワード
- *1. darken my door : `直訳では「俺のドアを暗くして」ですが、あまり来てほしくない客に対して使われるため「僕(の身)に起きないでくれ」としました
- *2. got your number : (人)の本心、正体を知る
- *3. second coming : (キリストの)再臨
アーティストの紹介「The Band ザ・バンド」
インフォメーション
- 名前:The Band(ザ・バンド)
- オリジナル・メンバー:
- ロビー・ロバートソン(Gt.)
- リチャード・マニュエル(KB.)
- ガース・ハドソン(KB.&アコーディオン&SAX),
- リック・ダンコ(Bass)
- リヴォン・ヘルム(Dr.&Vo.)
- ※アメリカ出身はリヴォン・ヘルムのみで、他の4人はカナダ出身
- 活動期間:1967-1976年(メンバーチェンジにて1983-1999年)
- 結成地:アメリカ
- サマリー:ザ・バンドは、カナダでロニー・ホーキンス(アメリカのロックンローラー)のバックバンド(ザ・ホークス)として結成され、1960年代から1970年代にかけてアメリカで活躍したロックバンドで、ボブ・ディランのバックバンドとしての活動を経て、独自の音楽スタイルを確立した。
アーティストの軌跡
「ザ・バンド」はアメリカのロックンローラー、ロニー・ホーキンスのバックバンド(ホークス)として活動していましたが、その後ボブ・ディランのマネージャー(アルバート・グロスマン)の目に留まり、ボブ・ディランのバックバンドとして活動を始めました。
この時期、ディランはフォーク路線からエレキギターを使用してフォークロックへ転換しており、コンサートツアーの行く先々で、従来のフォークファンから大ブーイングを受けました。
これは、「ロイヤル・アルバート・ホール」での「ライク・ア・ローリングストーン」の動画で様子が伺えますが、この演奏が逆に彼らの知名度を高めました。
その後彼らは、ディランの交通事故のアクシデントもあり、ディランの誘いでウッド・ストックに「ビッグ・ピンク」と名づけられた家に住みつきました。
そこで行われたディランとのセッションは、ロック史上初の海賊盤「Great White Wonder」として流出し、1975年に「地下室(ザ・ベースメント・テープス)」としてリリースされました。
1968年に「ザ・バンド」と改名し、「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」をリリースし、バンドデビューを果たしました。
音楽性はロックにアメリカのルーツ音楽のカントリーやR&Bの要素を取り入れ、高い評価を受け、また当時より多くのミュージシャンからも尊敬を集めました。
特にエリック・クラプトンは、この「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」に衝撃を受け、クリームを去った原因にもなったとも言われています。
1989年にカナダのCanadian Music Hall of Fame殿堂入り、1994年にロックの殿堂入りしています。
そして、ローリング・ストーン誌選定の「歴史上最も偉大な100組のグループ」において、第50位にクレジットされました。
ディスコグラフィー
- オリジナル・アルバム
- 1968年 ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク Music From Big Pink (ゴールドディスク)
- 1969年 ザ・バンド The Band (プラチナディスク)
- 1970年 ステージ・フライト Stage Fright (ゴールドディスク)
- 1971年 カフーツ Cahoots
- 1972年 ロック・オブ・エイジズ Rock Of Ages (ゴールドディスク)
- 1973年 ムーンドッグ・マチネー Moondog Matinee
- 1975年 南十字星 Northern Lights – Southern Cross
- 1977年 アイランド Islands
- 1978年 ラスト・ワルツ The Last Waltz
- 再結成後
- 1993年 ジェリコ Jericho
- 1996年 ハイ・オン・ザ・ホッグ High On The Hog
- 1998年 Jubilation(※日本未発売)
- 編集盤、ベスト・アルバム
- 1976年 軌跡 The Best Of The Band (ゴールドディスク)
- 1978年 アンソロジー Anthology
- 1989年 トゥ・キングダム・カム To Kingdom Come
- 1995年 ライヴ・アット・ワトキンス・グレン Live at Watkins Glen
- 1999年 ※日本未発売 The Best of The Band, Vol. II
- 2000年 グレイテスト・ヒット Greatest Hits
- ボックス・セット
- 1994年 グレイト・ディバイド・ボックス Across The Great Divide
- 2002年 ラスト・ワルツ完全版 The Last Waltz
- 2005年 ザ・バンド・ボックス ミュージカル・ヒストリー A Musical History
- ボブ・ディランと共演
- ブロンド・オン・ブロンド – Blonde On Blonde(1966年)
- セルフ・ポートレイト – Self Portlate(1970年)
- ウディ・ガスリー・メモリアル・コンサート – A Tribute To Woody Guthrie, Part 1(1972年)
- プラネット・ウェイヴズ – Planet Waves(1974年)
- 偉大なる復活 – Before the Flood(1974年)(プラチナディスク)
- 地下室(ザ・ベースメント・テープス) – The Basement Tapes(1975年)(ゴールドディスク)
- ロイヤル・アルバート・ホール(ブートレッグ・シリーズ第4集) – The Bootleg Series Vol. 4: Bob Dylan Live 1966, The “Royal Albert Hall” Concert(1998年、リヴォン・ヘルムを除く)
*引用元:ザ・バンド-Wikipedia
アルバム
1968年 ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク / Music from Big Pink
1969年 ザ・バンド / The Band
1970年 ステージ・フライト / Stage Fright
1972年 ロック・オブ・エイジズ / Rock Of Ages
1975年 南十字星 / Northern Lights – Southern Cross
ライブ・アルバム
1974年 偉大なる復活 / Before the Flood
1978年 ラスト・ワルツ / The Last Waltz
ベスト・アルバム
2000年 The Band Greatest Hits
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