曲の紹介
【曲 名】I Shot the Sheriff(アイ・ショット・ザ・シェリフ)
【アーティスト】Bob Marley and Wailers(ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ)
【作詞・作曲】Bob Marley(ボブ・マーリー)
【概 要】ボブ・マーリーが1973年にシングルリリースし、アルバム”Burnin'”に収録された。
ローリング・ストーン誌の「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)」において443位にランクインした。
【記事参照元】: I Shot the Sheriff-Wikipedia
【写真参照元】: Bob Marley-Wikipedia
曲の解釈
マーリーは「当初、”I shot the police”にしたかったが、ジャマイカ政府が大騒ぎしたので”I shot the sheriff”にした」と語っています。
この曲は、ガールフレンドのEsther Andersonが、2012年にこの歌詞
“Every time I plant a seed / He said kill it before it grow / He said kill them before they grow”にクレームをつけたそうです。
それはここの歌詞は、彼女がピルを飲んで妊娠をコントロールしていたことに反対する内容だったようです。
推測ですが”Sheriff”は”Doctor”を置き換えたのではと言われています。
歌詞の内容は、おそらく黒人の男性が意味もなく保安官から憎まれ撃たれそうになり、とっさに撃ったら助手が死んでしまい、死刑にすると息巻く追ってから逃げている状況で、「俺は保安官は撃ったが、助手は撃っていない」と正当防衛を主張する内容です。
(もしかすると助手は、彼に罪を着せるために、保安官が殺したのかもしれないとも推測できます。)
“Every day the bucket goes to a well / One day the bottom will drop out”
「毎日、バケツを井戸へ落としていると、いつかその底だって抜け落ちてしまう」
このbottomはニガーと呼ばれ差別され、社会の底辺にいる黒人たちを表わしていて、「俺たち黒人にも我慢の限界があるぞ」と言っているように思えます。
1976年に企画された慈善コンサートのリハーサル中に、武装した6人の男に襲撃され腕と胸を撃たれたが、二日後コンサートへ出演し、演奏の最後に撃たれた傷を見せた。
無理をしてコンサートへ出た理由を「この世界を悪くさせようとしてる奴らは休みなんか取っちゃいない。
それなのに僕が休むなんて事ができるかい?」と語ったといいます。
ほんとうに、いつも大きなものと戦っていたアーティストなんだと、改めて思いました。
多くのアーティストがカバーしていますが、1974年にEric Claptonが461 Ocean Boulevardに収録したバージョンが有名です。
歌詞の和訳
(原詞:太文字)
I Shot the Sheriff
I shot the sheriff
俺は、保安官を撃った
But I didn’t shoot no deputy
だけど、助手は撃っちゃいない
I shot the sheriff
俺は、保安官を撃った
But I didn’t shoot no deputy *1
だけど、助手は撃っちゃいない
All around in my home town
俺の町の、隅から隅まで
They’re tryin’ to track me down
奴らは追ってきやがる
They say they want to bring me in guilty
俺に罪を着せたいのさ
For the killing of a deputy
助手を殺したという
For the life of a deputy
助手の命に代えて
But I say
だが、言わせてくれ
2)
I shot the sheriff
俺は、保安官を撃った
But I swear it was in self defense
だが、誓って正当防衛だ
I shot the sheriff
俺は、保安官を撃った
And they say it is a capital offense *2
だから、奴らは死刑だと言いやがる
The sheriff John Brown always hated me
保安官のジョン・ブラウンは、いつも俺を目の敵にしてた
For what, I don’t know
なぜなのか、さっぱりわからねえ
Every time I plant a seed
いつも、俺が種を植えてると
He said kill it before it grow
奴は言った、そいつが育つ前に殺してやると
He said kill them before they grow
奴は言った、そいつらが育つ前に皆殺しにしてやると
And so
そう言ったんだ
3)
I shot the sheriff
俺は、保安官を撃った
But I swear it was in self defense
だが、誓って正当防衛だ
I shot the sheriff
俺は、保安官を撃った
But I swear it was in self defense
だが、誓って正当防衛だ
Freedom came my way one day
ある日、俺は自由の身になれた
And I started out of town, yeah *3
それから、俺は町を出ようとした
All of a sudden I saw sheriff John Brown
すると突然、保安官のジョン・ブラウンが目に入った
Aiming to shoot me down
俺を撃とうとしてた
So I shot, I shot, I shot him down
だから俺は撃った、俺は撃った、俺は奴を撃ったんだ
And I say
こう言ってやる
”If I am guilty I will pay”
もし俺に罪があるというなら、償ってやる
4)
I shot the sheriff
俺は、保安官を撃った
But I didn’t shoot no deputy
だけど、助手は撃っちゃいない
I shot the sheriff
俺は、保安官を撃った
But I didn’t shoot no deputy
だけど、助手は撃っちゃいない
Reflexes had the better of me *4
とっさにやっちまった
And what is to be must be *5
そうするしかなかった
Every day the bucket goes to a well
毎日、バケツを井戸へ落としていると
One day the bottom will drop out *6
いつか、その底だって抜け落ちてしまう
One day the bottom will drop out
いつかきっと、その底だって抜け落ちてしまう
I say
言っておくぜ
I shot the sheriff
俺は、保安官を撃った
Lord, I didn’t shot the deputy
神よ、助手は撃っちゃいない
I Shot the sheriff
俺は、保安官を撃った
But I didn’t shoot no deputy
だけど、助手は撃っちゃいない
キーワード
*1 deputy : 「副保安官」ですが保安官と紛らわしいので「助手」としました。
*2 a capital offense : 「死罪にあたいするような犯罪」「死罪」
*3 started out of : 「~から飛び出す」「~から出発する」
*4 Reflexes had the better of me : 「反射神経が自分より勝っていた」から「とっさにやっちまった」としました。
*5 what is to be must be : “what is to be“「そうなるのは」”must be“「必然だ」から「そうするしかなかった」としました。
*6 the bottom will drop out : bottomはバケツの底を表わしていますが、ここではスラング的にニガーと呼ばれ差別されていた黒人を表わしていると思います。
アーティストの紹介
【名 前】Bob Marley(ボブ・マーリー)本名:Robert Nesta Marley(ロバート・ネスタ・マーリー)
【生 誕】1945年2月6日 – 1981年5月11日
【出身地】ジャマイカ
【概 要】ジャマイカでレゲエミュージシャンとして活動し、ラスタファリ運動の思想を持ち音楽活動を続け、社会的なメッセージを音楽を通じて発信し続け、世界的に多くの人々に影響を与えた。
「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」に於いて第19位にランクされた。
アルバムの紹介
1974年 Natty Dread
1975年 Live!
1984年 Legend ~The Best of Bob Marley & The Wailers