曲の紹介
【曲 名】The Sound of Silence(サウンド・オブ・サイレンス)*アルバムはSounds of Silence
【アーティスト】Simon & Garfunkel(サイモン&ガーファンクル)
【作詞】【作曲】Paul Simon(ポール・サイモン)
【概 要】この曲は、サイモン&ガーファンクルのシングルとして1965年にリリースされ、1966年にアルバム”Sounds of Silence”に収録された。
しかし、このシングルはアコースティクギターのみで録音されヒットしなかったが、翌年1965年にTom Wilson(Producer)がベース、ドラム等を加えたリミックスしたバージョンが大ヒットとなり、1966年ビルボード誌で週間ランキング第1位となり、彼らの代表する曲となった。
また、1967年のアメリカ映画「The Guraduate(卒業)」の主題歌にも採用された。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)では157位にランキングされている。
【記事参照元】: The Sound of Silence-Wikipedia
【写真引用元】: The Sound of Silence-Wikipedia
曲の解釈
この歌詞は、一人の若者の内面の言葉で、とても抒情的で抽象的に書かれています。
私が想像するには、この若者は、孤独で、社会にうまく適応できず、大人になりきれなくて、今でいう「引きこもり」の中で、静寂・沈黙の中にある無音の音を感じるくらいセンシティブで、現在の社会や環境に対して怒り、悲しみ、憤りを、闇に向かって話しているように思えます。
この曲が主題歌となった映画「The Graduate(卒業)」は、1976年公開ダスティン・ホフマンが主演の映画で、彼が演じた主人公の青年(ベンジャミン)の内面にある”闇”とオーバーラップする気がします。(歌詞と映画の内容は無関係)
ストーリーは、大学の卒業記念パーティーがきっかけで、父親の友人の奥さん(ミセス・ロビンソン)から誘惑を受けて、気は進まないまま男女の関係を続けていた。
また、将来の進路も決めかねていた。そんな折、ミセス・ロビーンソンの娘(エレーン)とデートするはめになり、最初はわざと嫌われるようにふるまうが、次第に純粋な彼女に恋をしていく。
その後、ミセス・ロビンソンからの反対にもあい、エレーンにすべてを告白した。
エレーンは彼を遠ざけたが、ベンジャミンは彼女を追い求め続けた。エレーンは彼の求婚を受けかけたが、その直後姿を消し、そして後日ベンジャミンはエレーンが結婚することを知ることになる。
結婚式当日、教会に駆けつけたベンジャミンは、教会の窓を叩きながら「エレーン!エレーン!」と叫んだ。だれもが、彼に憎悪の目を向け、ののしる中、エレーンは突然、「ベン!」と返事をして、花嫁衣裳のまま彼とバスに乗り逃げていく…。
そのエンディングにこのテーマソングが流れています。
この映画は、大人になりきれない若者の内面を表現しながら、愛について考えさせられるとても素敵な映画だと思います。
若い方にぜひ、見ていただきたい映画です。
【記事参照元】: 卒業 (1967年の映画)-Wikipedia
歌詞の和訳
(原詞:太文字)
The Sound of Silence
Hello darkness, my old friend,
こんにちは、闇よ、僕の古い友
I’ve come to talk with you again,
また、話しに来たよ
Because a vision softly creeping,
実は、幻覚が静かに忍び寄ってきて
Left its seeds while I was sleeping,
寝てる間に、種を残して行ったんだ
And the vision that was planted in my brain
そして、その幻覚が頭に植えつけられて、
Still remains
そのまま残ってるんだ
Within the sound of silence
沈黙の音の中で
(2)
In restless dreams I walked alone
悪夢の中で、一人で歩いていたんだ
Narrow streets of cobblestone,*1
狭い敷石の通り
Neath the halo of a street lamp, *2 *3
街灯の光の輪の下で
I turned my collar to the cold and damp
僕は、寒さと湿気に襟を立てた
When my eyes were stabbed by the flash of a neon light
その時、ネオンの閃光が僕の目をつらぬいて
That split the night
夜を引き裂いた
And touched the sound of silence
そして、沈黙の音が聞こえたんだ
(3)
And in the naked light I saw
それから、僕が見た直射光の中では、
Ten thousand people, maybe more.
一万人か、おそらくそれ以上
People talking without speaking,
話すともなく、会話している
People hearing without listening,
聴くともなく、聞いている
People writing songs that voices never share
みんな歌は書いていて、それは声では伝えない
And no one dared
そして、誰もあえてしようとしない
Disturb the sound of silence
沈黙の音を、消そうとは
(4)
“Fools” said I, “You do not know
「愚かだな」と僕は続けた 「君たちは知らないのさ、
Silence like a cancer grows.
沈黙は蝕んでいく癌のようだってこと
Hear my words that I might teach you,
僕の言葉を聞くんだ、教えてあげるから
Take my arms that I might reach you.”
僕の腕をつかむんだ、君に差し伸べるから」
But my words like silent raindrops fell,
だけど僕の言葉は、雨のしずくのように音もなく流れ落ち
And echoed
そしてこだました
In the wells of silence
沈黙の井戸の中で
(5)
And the people bowed and prayed
人々は腰をかがめて祈った
To the neon god they made.
自分たちが造った、ネオンの神に
And the sign flashed out its warning, *4
それから啓示が警告となって閃いた、
In the words that it was forming.
現れはじめた言葉の中に
And the sign said the words of the prophets are written on the subway walls *5
そして啓示は述べていた、預言者の言葉は書かれていると、地下鉄の壁に、
And tenement halls.
アパートの広間に、
Whispered sound of silence
そこで、沈黙の音がささやかれた
キーワード
*1 cobblestone:舗装用の玉石、丸石
*2 ‘Neath:’neath=beneath~の下に
*3 halo:後光、光輪
*4 sign : 「記号、符号、きざし」から「啓示」としました。
*5 prophets: 「予言者、預言者、マホメット」
アーティストの紹介
【名 前】Paul Frederic Simon & Art Garfunkel(ポール・フレデリック・サイモン&アート・ガーファンクル)
【生 誕】(Paul Simon) 1941年10月13日 、(Art Garfunkel) 1941年11月5日
【出身地】(Paul Simon) 米国、ニュージャージー州、(Art Garfunkel)米国、ニューヨーク
【概 要】サイモンとガーファンクルは小学校6年生の時に出会い、1957年に「トム&ジェリー」という名前で音楽活動をはじめた。
デビュー曲「ヘイ・スクールガール」は小ヒットしたが、その後お互い大学の学業へ専念したりした。その後、1963年に「サイモン&ガーファンクル」と名前を改めて再結成し、アルバム「水曜の朝、午前3時」をリリースしたが、ほとんど売れず解散状態となっていた。
しかし、プロデューサーの「トム・ウイルソン」が「サウンド・オブ・サイレンス」にエレキギターやドラムを加えてシングルリリースしたところ、全米1位の大ヒットとなった。
その後は、「スカボロー・フェア」、「ミセス・ロビンソン」などのヒットを続け、アメリカを代表するフォーク、フォークロックのデュオとなった。
代表アルバム
1966年 サイモン&ガーファンクル~パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム / Simon and Garfunkel-Parsley, sage, rosemary and thyme
1966年 サウンド・オブ・サイレンス / Sounds of Silence
1970年 明日に架ける橋 / Bridge Over Troubled Water
1972年 サイモン&ガーファンクル・グレイテスト・ヒッツ/ Simon and Garfunkel Greatest Hits