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Born to Run(明日なき暴走) – Bruce Springsteen(ブルース・スプリングスティーン)和訳

ブルース・スプリングスティーンの明日なき暴走ジャケット写真
目次

曲の紹介

【曲 名】Born to Run(明日なき暴走)
【アーティスト】Bruce Springsteen(ブルース・スプリングスティーン)
【作詞】【作曲】Bruce Springsteen(ブルース・スプリングスティーン)
【概 要】この曲は、1975年にリリースされた3枚目のアルバム「Born to Run」のタイトル曲。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)では21位にランクされている。

【記事参照元】: Born to Run (Bruce Springsteen song)-Wikipedia
【歌詞引用元】:Born to Run -GENIUS

曲の解釈

この曲は、Wendy(ウェンディ)という少女へのラブレターとも言われていますが、スプリングスティーンはもっとシンプル で曲中に出てくる”Highway 9“「ハイウェイナイン」を 走りながらニュージャージー州(彼の故郷)の”Freehold“「フリーホールド」を抜けだしている光景と言っています。

これは歌詞の “sprung from cages out on Highway 9″に表わされています。

歌詞は、ウェンディへ「愛」を語り掛ける内容で進みます。

生まれながらに財や血筋等に恵まれない(アメリカンドリームとは無縁な環境にいる)若者が愛する人とバイクで街を抜け出し、見えない明日に向かって走っていく状況を歌っていて、”Born to run”「俺たちには走るしか道はない」と言っています。

とても苦しく哀しい環境の中で、明日を目指す若者の姿がとてもかっこいいです。

この詩を訳していくと、まるでボブ・ディランのように社会の矛盾や弱者の哀しさを抒情的に書かれていてとても素晴らしい大作だと思いました。

動画はライブですが、ほんと魂の歌声が聴けてかっこいいです。余談ですが、2009年のHyde Parkのライブ動画を観ると、いくつになってもロックン・ロールしている姿がうれしいです。

Bruce Springsteen - Born to Run (Official Video)
Born to Run (London Calling: Live In Hyde Park, 2009)

歌詞の和訳

(原詞:太文字)

Born to Run

In the day, we sweat it out on the street
昼間、俺たちは汗にまみれてる、街の通りで
Of a runaway American dream *1
そこはアメリカンドリームとは程遠い
At night, we ride through mansions of glory
夜になると、俺たちは走り抜ける、豪華な屋敷たちの中を
In suicide machines
自殺のマシンで
Sprung from cages out on Highway 9
檻からハイウェイ9へ飛び出した
Chrome wheeled, fuel injected and steppin’ out over the line *2
クロームホイール、満タンの燃料、そして飛び出す車線
Oh, baby this town rips the bones from your back *3
ああ、ベイビー、この街にいると骨を抜き取られちまう、背中から
It’s a death trap, it’s a suicide rap
そいつは死の罠なんだ、自殺のノックなんだ
We gotta get out while we’re young
二人で出て行こう、まだ若いうちに
`Cause tramps like us, baby we were born to run *4
俺たちのような根無し草は、ベイビー走り続けるしかないんだ
Yes, girl, we were
そうさ、少女よ、俺たちは

2)
Wendy let me in, I wanna be your friend
ウェンディ、俺を受けいれてくれ、君と友達になりたいんだ
I want to guard your dreams and visions
俺は見守りたいんだ、君の夢や想像を
Just wrap your legs ’round these velvet rims *5
さあ、君の足で、これらのヴェルヴェット・リムを覆うんだ
And strap your hands across my engines *6
そして両手を結ぶんだ、俺のエンジンに手をまわして
Together we could break this trap
二人いっしょなら、この罠を壊せるさ
We’ll run till we drop, baby we’ll never go back
二人で倒れるまで走るんだ、ベイビー、俺たちは二度と戻らない
Oh, will you walk with me out on the wire? *7
ああ、俺と金網の外へ出て行かないか
`Cause baby I’m just a scared and lonely rider
俺はただの臆病で、孤独なライダーだから
But I gotta find out how it feel
だけど、そこがどんな感じなのか見たいんだ
I want to know if love is wild, babe
知りたいんだ、愛は自然なものかどうか
I want to know if love is real
知りたいんだ、愛は実在するのかどうか
Oh, can you show me?
ああ、俺に見せてくれるかい

3)
Beyond the palace, hemi-powered drones *8
宮殿を超えて、ヘミエンジンに乗ったスネカジリどもが
Scream down the boulevard
悲鳴を上げて大通りを下る
The girls comb their hair in rearview mirrors
小女たちはバックミラーで髪をとかし
And the boys try to look so hard
少年たちは強くみせようとする
The amusement park rises bold and stark *9
遊園地がそびえ立つ、大胆かつ荒々しく
Kids are huddled on the beach in a mist
子供たちは海岸に集められてる、霧の中
I wanna die with you, Wendy, on the streets tonight
俺はお前と死にたいんだ、ウェンディ、この通りで、今夜
In an everlasting kiss
永遠に続くキスの中で

4)
(1, 2, 3, 4) The highways jammed with broken heroes
ハイウェイはあふれてる、いかれたヒーローたちで
On a last chance power drive
最後のチャンスに、爆走できる
Everybody’s out on the run tonight
誰もが逃げ回る、今夜は
But there’s no place left to hide
だが、どこにも残ってはいない、隠れる場所は
Together, Wendy, we can live with the sadness
一緒なら、ウェンディ、悲しみを背負っても生きていける
I’ll love you with all the madness in my soul
俺はお前を愛する、気が狂うほど
Oh, someday girl, I don’t know when
ああ、いつの日か少女よ、いつかになるか分からないが
We’re gonna get to that place
俺たちはたどり着くさ、その場所へ
Where we really want to go, and we’ll walk in the sun
そこは、俺たちがほんとうに行きたくて、お日様の下を歩けるところ
But till then, tramps like us
だけどそれまでは、俺たちのような根無し草は、
Baby, we were born to run
ベイビー、走り続けるしかないんだ

Oh honey, tramps like us
ああハニー、俺たちのような根無し草は、
Baby, we were born to run
ベイビー、走り続けるしかないんだ
Come on with me, tramps like us
さあ行こうぜ、俺たちのような根無し草は、
Baby, we were born to run
ベイビー、走り続けるしかないんだ

キーワード

*1 runaway:「逃げる」の意味から(アメリカンドリームから)「程遠い」としました。

*2 steppin’ out over the line:”step out “「飛び出す」、”over the line”「ラインを超える」から、「飛び出す車線」としました。

*3 this town rips the bones from your back:「この街はお前の背中から骨を切り取る」から「骨抜きにする」の意味に変え「この街にいると背中から骨を抜き取られてしまう」にしました。

*4 tramps:「浮浪者」「放浪者」から「根無し草」としました。

*5 velvet rims:リムとはホイールの輪の部分ですが、おそらく製品名称と思いましたので「ヴェルヴェット・リム」としました。

*6 strap your hands across my engines:直訳では「俺のエンジンの横を交差して両手を結ぶ」ですが、分かりにくいので「両手を結ぶんだ、俺のエンジンに手をまわして」としました。

*7 the wire:ここでは、文脈から「自分たちを仕切るもの」と解して「金網」としました。

*8 hemi-powered drones:”hemi-powered”はクライスラーの「ヘミエンジン」
“drones”はスラング的に「雄バチ(仕事をしない意)」や「なまけもの」そして文中に”palace”「宮殿」があることから「スネカジリ」としました。

*9 bold and stark:”bold”「大胆な」「図太い」「際立った」、”stark”「厳しい」「硬直した」「荒涼とした」から「大胆かつ荒々しく」としました。

アーティストの紹介

【名 前】Bruce Springsteen(ブルース・スプリングスティーン)
(出生名:ブルース・フレデリック・ジョセフ・スプリングスティーン)
【生誕】1949/9/23 –
【出身地】アメリカ ニュージャージー州ロングブランチ
【概要】10才の頃エルビス・プレスリーに憧れてギターをはじめ、地元ニュージャージーでアマチュアバンドを組み、音楽活動を始める。

CBSレコードのオーディションを機に1973年1月に「アズベリー・パークからの挨拶(Greetings from Asbury Park, N.J. )」でレコード・デビューした。

当時は「第二のディラン」というキャッチ・フレーズをつけられていたが、彼自身はあくまで「ロックン・ローラー」でいたいと悩んでいたという。

1973年9月に2thアルバム「青春の叫び(The Wild, The Innocent & The E Street Shuffle)」をリリースした後、ロック評論家「ジョン・ランドー」をプロデューサーに迎え、1975年8月にリリースした3thアルバム「明日なき暴走(Born to Run)」は大ブレークした。

アルバムタイトル曲の「明日なき暴走(Born to Run)」はローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)では21位にランクされている。

1980年9月に5thアルバム「ザ・リバー(The River)」をリリースし、初のアルバムチャート1位をした。

アルバム曲の「ハングリー・ハート (Hungry Heart)」やアルバムタイトル曲の「ザ・リバー(The River)」は話題となり、その後ワールドツアーを約1年にわたり行った。

1984年6月に7thアルバム「ボーン・イン・ザ・U.S.A. (Born in the U.S.A.)」をリリースし、長期にわたりアルバムチャート1位を獲得するなど、大ヒットした。

この曲は、当時共和党の右派政治家だったロナルド・レーガンが、彼の演説で取り上げて賞賛したように、一般的に「アメリカで生まれた」ことの誇り、プライドを表現しているととらえられていた。

しかし、スプリングスティーンの意図は全く逆で、そもそもこの曲が生まれたのは彼がベトナム帰還兵が帰国後に受けた苦痛や苦しみ、彼らを温かく受け入れなかった当時のアメリカ社会に対する矛盾や憤りを表わしているようです。

ちなみに、1973年にボブ・ディランが発表した「天国への扉(Knockin’ on Heaven’s Door)」も当時の反戦ムードのアメリカ社会でベトナム帰還兵が受けた苦しみ、哀しみを表わしているとされています。

そして1999年に「ロックの殿堂」入りを果たした。

その後、2001年に起きたアメリカ同時多発テロ事件は彼に大きな影響を与え、追悼のイベントに参加したり、新作アルバム「ザ・ライジング (The Rising)」ではテロを題材にして事件の傷跡を悼んだ。

また、政治においても積極的に自分の主張を表明し、2004年アメリカ大統領選挙では反ブッシュの立場をとった。

その後も音楽活動を行っているが、2021年に全楽曲の権利をソニー・ミュージックエンタテインメントに売却した。

噂では売却額は5億ドル以上と言われており、1人のアーティストとしては過去最高額と見られている。

アルバムの紹介

1973年 青春の叫び / The Wild, The Innocent & The E Street Shuffle

1975年 明日なき暴走 / Born To Run

1978年 闇に吠える街 / Darkness On The Edge Of Town

1980年 ザ・リバー / The River

1982年 ネブラスカ / Nebraska

1984年 ボーン・イン・ザ・U.S.A. / Born In The U.S.A.

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