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Up on Cripple Creek アップ・オン・クリップル・クリーク / The Band ザ・バンド

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目次

曲の紹介

【曲名】Up on Cripple Creek(アップ・オン・クリップル・クリーク)
【アーティスト】The Band(ザ・バンド)
【作詞・作曲】Robbie Robertson(ロビー・ロバートソン)
【概要】The Bandが1969年にリリースした2枚目のアルバム「The Band」の収録曲で、シングルはビルボード・ホット100で25位にランクインした。

【記事参照元】Up on Cripple Creek -Wikipedia
【歌詞引用元】Up on Cripple Creek -Genius

曲の解釈

この曲は、ザ・バンドの代表曲であり、ギタリストのロビー・ロバートソンが作りました。

歌詞の内容は、主人公のアメリカの長距離ドライバーが、山からミシシッピ川を下って、好きなベッシーが住んでいるルイジアナ州のレイクチャールズに行き、彼女と楽しい時間を過ごす情景が描かれています。

最後には、トラックでの路上生活にも疲れ、家に帰ろうかなと思う主人公ですが、そこでもまたベッシーに会いたいという誘惑に駆られる下りで終わります。
題名とコーラスにも出てくる「Cripple Creek(クリップル・クリーク)」は、コロラド州にある実際の都市ですが、おそらく主人公の故郷か古巣の家があり、疲れを癒しに帰れる場所だと思います。

主人公は恋人とギャンブルをし、酒を飲み、音楽を聴く楽しい生活を送りながらも、長距離ドライバーという仕事に疲れた時は、故郷(我が家)への思いが湧いてくる。

作者のロバートソンは、高い地位の人や、特別な人たちよりも、あの家に住んでいる人たちや、あそこに止めてあるトラックの運転手たちのような、普通の人に興味があり、そういう普通の人たちの生活を題材にしたいと言っています。

曲全体を通して、アメリカ中南部の牧歌的な景色や生活感が感じられる、素晴らしい名曲だと思います。

Up on Cripple Creek (Concert Version)
The Band - Up On Cripple Creek - 7/20/1976 - Casino Arena (Official)
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歌詞の和訳

(原詞:太文字)

Up on Cripple Creek

When I get off of this mountain
俺がこの山を下りたら、
You know where I want to go?
どこへ行きたいかわかるかい?
Straight down the Mississippi River
ミシシッピ川をまっすぐ下って
To the Gulf of Mexico
メキシコ湾へ
To Lake Charles, Louisiana
それからルイジアナ州のレイクチャールズへ *1
Little Bessie, girl that I once knew
愛しのベッシーは、昔知り合った娘さ
She told me just to come on by
彼女はこう言った、ぜひ立ち寄って
If there’s anything she could do
私に何かできることがあればと

Up on Cripple Creek, she sends me *2
クリップル・クリークへ上っても、彼女が大笑いさせてくれる
If I spring a leak, she mends me
俺が水漏れを起こしても、彼女が塞いでくれる
I don’t have to speak, she defends me
何も言わなくても、彼女が守ってくれる
A drunkard’s dream if I ever did see on *3     
ただの酔っ払いの夢さ、見覚えがあるにせよ

2)
Good luck had just stung me *4
幸運というやつに騙されて、
To the race track I did go
競馬場へ行った
She bet on one horse to win
彼女は賭けた、勝ち馬に
And I bet on another to show
俺は賭けた、別の目立ってた馬に
The odds were in my favor
オッズは俺に有利だった
I had ’em five to one
俺に5対1の分があった
When that nag to win came around the track *5
あの下馬評の高い馬が、馬場を一周した時
Sure enough, she had won
案の定、彼女が勝った
Up on Cripple Creek, she sends me
クリップル・クリークへ上っても、彼女が大笑いさせてくれる
If I spring a leak, she mends me
俺が水漏れを起こしても、彼女が塞いでくれる
I don’t have to speak, she defends me
何も言わなくても、俺を守ってくれる
A drunkard’s dream if I ever did see one
ただの酔っ払いの夢さ、見覚えがあるにせよ

3)
I took up all of my winnings
俺は、賞金のすべてを手に取り
And I gave my little Bessie half
愛しいベッシーへ半分渡した
She tore it up and threw it in my face
彼女はそれを破り、俺の顔へ投げつけた
Just for a laugh
いたずらのつもりで
Now there’s one thing in the whole wide world
今は一つのことだけ、この広い世界で
I sure would like to see
俺が、ほんとうに見たいのは
That’s when that little love of mine
その瞬間さ、俺の愛しい恋人が
Dips her doughnut in my tea
自分のドーナツを、俺の紅茶にちょっとつける
He-he!
ヘへ!

Up on Cripple Creek, she sends me
クリップル・クリークへ上っても、彼女が大笑いさせてくれる
If I spring a leak, she mends me
俺が水漏れを起こしても、彼女が塞いでくれる
I don’t have to speak, she defends me
何も言わなくても、俺を守ってくれる
A drunkard’s dream if I ever did see one
ただの酔っ払いの夢さ、見覚えがあるにせよ

4)
Now me and my mate were back at the shack
今、俺と相棒は掘っ建て小屋にもどり、
We had Spike Jones on the box *6
スパイク・ジョーンズをラジオで聴いた
She said, “I can’t take the way he sings
彼女はこう言った、「彼の歌い方はいいとは思わない、
But I love to hear him talk”
でも彼のトークは大好きよ」
Now that just gave my heart a throb
そいつはまさに、俺の心臓を脈打った
To the bottom of my feet
足の裏まで
And I swore as I took another pull  
俺は断言した、別のビールを開けながら
My Bessie can’t be beat
俺のベッシーにはかなわないと

Up on Cripple Creek, she sends me
クリップル・クリークへ上っても、彼女が大笑いさせてくれる
If I spring a leak, she mends me
俺が水漏れを起こしても、彼女が塞いでくれる
I don’t have to speak, she defends me
何も言わなくても、俺を守ってくれる
A drunkard’s dream if I ever did see one
ただの酔っ払いの夢さ、見覚えがあるにせよ

No-no, hu-hu
ノーノー、フーフー
Lodl-lodl-lodl-uh-hu
ロディ、ロディ、ロディ、ウーフー
No-no-hu
ノーノーフー
Lodl-lodl-lodl-uh-hu
ロディ、ロディ、ロディ、ウーフー

5)
Now there’s a flood out in California
今カリフォルニアは、洪水に見舞われてる
And up north it’s freezing cold
北では、凍てつく寒さだ
And this living on the road is getting pretty old
この路上生活も、かなり長くなった
So I guess I’ll call up my big mama *7
だから、ママに電話しようと思ってる
Tell her I’ll be rolling in
転がり込むと、伝えるために
But you know deep down, I’m kind of tempted
でも心の底では、誘惑に駆られてるんだ
To go and see my Bessie again
会いに行きたい、俺のベッシーにもう一度

Up on Cripple Creek, she sends me
クリップル・クリークへ上っても、彼女が大笑いさせてくれる
If I spring a leak, she mends me
俺が水漏れを起こしても、彼女が塞いでくれる
I don’t have to speak, she defends me
何も言わなくても、俺を守ってくれる
A drunkard’s dream if I ever did see one
ただの酔っ払いの夢さ、見覚えがあるにせよ

No-no, hu-hu
ノーノー、フーフー
Lodl-lodl-lodl-uh-hu
ロディ、ロディ、ロディ、ウーフー
No-no-hu
ノーノーフー
Lodl-lodl-lodl-uh-hu
ロディ、ロディ、ロディ、ウーフー
Repeat)

キーワード

*1. Lake Charles, Louisiana :「レイクチャールズ」はアメリカのルイジアナ州南西部の都市でメキシコ湾ともつながっている。
主人公はトラックでアメリカ中南部あたりからミシシッピ川流域を下り、メキシコ湾まで行き、そこからベッシーの住むルイジアナ州のレイクチャールズへ行ったと思われます。

*2. Cripple Creek : 「クリップル・クリーク」はコロラド州中南部のテラー郡に位置する都市で、1890年に金脈が見つかり、コロラドゴールドラッシュの始まりとなった都市。

「Up on Clipple Creek」は彼女のいる南西部のレイクチャールズから中南部へ上がるという意味で「クリップル・クリークへ上ってる」としました。
また、冒頭の「(山から)下り(彼女のもとへ行く)」の逆をたどる意味で、「(彼女のところからクリップル・クリークへ)上る」意味で訳しました。

*2. she sends me : “send”はスラングの意味で「爆笑させる」なので、「彼女が大笑いさせてくれる」としました。

*3. if I ever did see on : “if ever”は「仮にあるとしても」なので、直訳では「もし、見たことがあったとしても」ですが、文脈から「見覚えがあるにせよ」としました。

*4. stung :”sting”は「(とげなどで)刺す」ですが、スラング的な意味で「騙されて」としました。

*5. nag to win: 直訳では「勝つと口うるさい」ですが、分かりやすく「下馬評の高い」としました。

*6. Spike Jones : スパイク・ジョーンズ(1911年12月14日-1965年5月1日)は、アメリカの音楽家でコメディアン。作者のロバートソンが、崇拝するくらい好きだと言っています。

*7. big mama: 「一家の女性の主」「おばあちゃん」「恋人、妻」など、いろいろな意味で使われて断定できないので、「(古巣の家にいる)ママ」としました。

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アーティストの紹介

【名 前】The Band(ザ・バンド)
【活動期間】1967-1976年(メンバーチェンジにて1983-1999年)
【結成地】アメリカ
【概要】
アメリカのロックバンドでオリジナル・メンバーは、ロビー・ロバートソン(Gt.)、リチャード・マニュエル(KB.)、ガース・ハドソン(KB.&アコーデイオン&SAX), 、リック・ダンコ(Bass)、リヴォン・ヘルム(Dr.&Vo.)
※アメリカ出身はリヴォン・ヘルムのみで、他の4人はカナダ出身。

元はアメリカのロックンローラー、ロニー・ホーキンスのバックバンド(ホークス)として活動していたが、その後ボブ・ディランのマネージャー(アルバート・グロスマン)の目に留まり、ボブ・ディランのバックバンドとして活動を始めた。

この時期、ディランはフォーク路線からエレキギターを使用してフォークロックへ転換しており、コンサートツアーの行く先々で、従来のフォークファンから大ブーイングを受けた。

これは、「ロイヤル・アルバート・ホール」での「ライク・ア・ローリングストーン」の動画で様子が伺える。これにより、逆に彼らの知名度を高めた。

その後、ディランの交通事故のアクシデントもあり、ディランの誘いでウッド・ストックに「ビッグ・ピンク」と名づけられた家に住みついた。そこで行われたディランとのセッションは、ロック史上初の海賊盤「Great White Wonder」として流出し、1975年に「地下室(ザ・ベースメント・テープス)」としてリリースとなった。

1968年に「ザ・バンド」と改名し、「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」をリリースし、バンドデビューした。

音楽性はロックにアメリカのルーツ音楽のカントリーやR&Bの要素を取り入れ、高い評価を受けた。また当時より多くのミュージシャンから尊敬を集めた。

特にエリック・クラプトンは、この「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」に衝撃を受け、クリームを去った原因にもなったとも言われている。

1989年にカナダのCanadian Music Hall of Fame殿堂入り、1994年にロックの殿堂入りしている。

ローリング・ストーン誌選定の「歴史上最も偉大な100組のグループ」において第50位にクレジットされる。

代表アルバム

アルバム

1968年 ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク / Music from Big Pink

1969年 ザ・バンド / The Band

1970年 ステージ・フライト / Stage Fright

1972年 ロック・オブ・エイジズ / Rock Of Ages

1975年 南十字星 / Northern Lights – Southern Cross

ライブ・アルバム

1974年 偉大なる復活 / Before the Flood

1978年 ラスト・ワルツ / The Last Waltz

ベスト・アルバム

2000年 The Band Greatest Hits

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