曲の紹介
【曲名】Little Wing(リトル・ウイング)
【アーティスト】Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)、Eric Clapton(エリック・クラプトン)、The Corrs(ザ・コアーズ)他
【作詞・作曲】Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)
【概要】ジミ・ヘンドリックスのセカンド・アルバム(英1967年/米1968年リリース)「Axis:Bold As Love」に収録された。
とてもメロディアスでシンプルな曲だが、この曲はヘンドリックスのもっとも人気のある曲のひとつで、多くのミュージシャンによってカバーされている。
ローリング・ストーン誌の「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)」において357位にランクインした。
(参照元:リトル・ウィング-Wikipedia)
(画像引用元:ジミ・ヘンドリックス-Wikipedia)
曲の解釈
この曲の彼女とは、曲名が「リトル・ウイング」とあるように妖精だと思います。
その妖精は、雲の中を歩き回るほど快活的で、クリエイティブな想像力を持ち、しかも自分を包み込んでくれるやさしさを持っている。
私が思いますに、この妖精はジミヘン(日本での愛称)の理想の人ではなかったのではと思います。
彼を見出したのは、キース・リチャーズ(ローリング・ストーンズのギタリスト)の恋人だったリンダ・キースで、映画「JIMI:栄光への軌跡」を観ると、もしかしたらこの妖精は彼女のような人ではと思いました。
余談ですが、この映画はほんと面白いです。
特に彼が英国に渡り、クラプトンのステージに飛び入りしてジミーの圧倒的なギタ―テクを見せつけられて、クラプトンが楽屋に引っ込んじゃったシーンが印象的です。
でも、お互い尊敬しあってて、彼の死後もずっとクラプトンがこの「Little Wing」をカバーし続けてますし、ジミーの死に対してもすごく落ち込んだらしいです。
彼は28年の短い人生の中で、色んな苦悩を持っていたようです。
彼のプレイは評価されたけれど、コマーシャル的に今でいうアフロなヘアーやサイケデリックな衣装、ギターを歯で引いたり(本当は指で弾いてた)、ギター燃やしたり、演奏中にガムかんだり(よく歌えるなと思う?)とアウトロー的なイメージでパフォーマンスをしていました。
しかし、当時の彼を知る人の証言では、彼は礼儀正しくてワイルドなイメージとは逆だったとのことです。
そのギャップや、また当時のロック界(白人主体)で売れたことで、自分がしたかったブルース、R&Bを信望する黒人から裏切者と言われたことも合わせて辛かったようです。
それらの苦悩の中で、ドラッグにも溺れいき、そうした中で幻覚を見たのかどうかわかりませんが、「妖精よ、助けて」って言いながらこの曲を書いたのではと、私は勝手に想像しています。
このジミヘンの「Little Wing」のギターも素晴らしいし、またエリック・クラプトンのカバーも素晴らしいのでぜひ若い人にも聴いて欲しいです。
今回は、あまり知られていないと思いますがThe Corrs(ザ・コアーズ)のカバーをぜひ聴いてみてください。
このカバーは正直、この曲を別の世界に持っていってると思うほど素晴らしいです。
このコアーズはアイルランドの兄弟のアーティストですが、アイルランドはスコットランド民謡(現アイルランド含む)で有名な「The Water is Wide」のようにメロディアスな曲や、演奏するグループが多いと思います。
歌詞の和訳
(原詞:太文字)
Little Wing
Well she’s walking through the clouds
今彼女は、雲の中を歩いてる
With a circus mind that’s running ‘round *1
走り回わるサーカスの気分で
Butterflies and zebras
蝶やシマウマ
And moonbeams
月光
And fairytales,
そしておとぎ話
That’s all she ever thinks about
そんなことばかり、想い描いている
Riding with the wind
風に乗りながら
When I’m sad she comes to me
僕が悲しんでる時は彼女が来てくれる
With a thousand smiles she gives to me free
千の微笑みを投げかけて、僕を解き放ってくれる
It’s alright, she says, it’s alright
いいの、いいのよって言ってくれる
Take anything you want from me
あなたが望むものは、何でもあげる
Anything ,anything
何でも、何でもね
Fly on, little wing
飛び続けてる、小さい羽根が
キーワード
*1. circus mind サーカスの気持ちですが、日本語的にサーカスの気分でとしました。
アーティストの紹介
【名 前】Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)
(本名:James Marshall Hendrix(ジェームズ・マーシャル・ヘンドリックス)
【生誕】1942/11/27 (1970/9/18没)
【出身地】アメリカ ワシントン州シアトル
【概要】父方の家系はチェロキー族で、祖母のノラ・ヘンドリックスから彼が幼少のころによくチェロキー族の昔話を聞かされたとのこと。その影響が彼の楽曲にも影響されていると言われている。母のルシールは17才で彼を生んだが、遊び好きで早くに亡くなっている。彼の楽曲「Angel」はその亡き母が夢に現れたことで作られたと言われている。(ジミ・ヘンドリックス-Wikipediaから引用)
1961年に自動車窃盗の罪を受け、投獄回避のためにアメリカ陸軍に入隊をした。
当時はベトナム戦争が開戦が始まったころだったが、戦地には行っていない。
しかし、このころの軍隊での経験からウッドストックでの「星条旗(アメリカ国家)」やバンド・オブ・ジプシーの「マシン・ガン」が生まれたと言われている。
1966年にアニマルズのベーシストだったチャス・チャンドラーに見いだされて、イギリスに渡り、ノエル・レディング(Bass)、ミッチ・ミッチェル(Drum)と共に「ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス」を結成した。
1967年にアルバム「Are You Experienced」を発表し、その収録曲の「パープル・ヘイズ(Purple Haze)」、 「ヘイ・ジョー(Hey Joe)」、 「フォクシー・レディ(Foxy Lady)」などは、ロックミュージックのクラシックとして認識されている。
映画「JIMI:栄光への軌跡」では、もともと彼をチャスに紹介したリンダ・キース(キース・リチャーズの元恋人)や演奏シーンで、その後親友となったエリック・クラプトンが登場して、そのころの様子が描かれている。
その卓越したギタープレイと革新的な音楽スタイルで、ロックミュージックの歴史に不朽の名を刻み、多くのギタリストに影響を与えた。
アルバムの紹介
1967年 アー・ユー・エクスペリエンスト? / Are You Experienced
1967年 アクシス:ボールド・アズ・ラヴ / Axis: Bold As Love
1968年 エレクトリック・レディランド / Electric Ladyland
1970年 バンド・オブ・ジプシーズ / Band Of Gypsys
1999年 ライヴ・アット・ウッドストック / Live at Woodstock