曲の紹介
【曲 名】Get Up, Stand Up(ゲットアップ、スタンドアップ)
【アーティスト】The Wailers(ザ・ウェイラーズ)
【作詞・作曲】Bob Marley(ボブ・マーリー)&Peter Tosh(ピーター・トッシュ)
【概 要】1973年リリースのアルバム「Burnin’」に収録され、同年シングル・リリースされた。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)では296位にランキングされている。
【記事参照元】: Get Up, Stand Up-Wikipedia
【原詞引用元】:Bob Marley & The Wailers–Get Up, Stand Up Lyrics-Genius
曲の解釈
この曲は、ボブ・マーリーがハイチをツアーしていて、目にした人々の生活の貧困を憂いて作ったとされています。
曲の内容は、おそらく貧困にあえぐハイチの人々へ向けたメッセージが綴られています。
すべての人生には価値があり、人間らしく生きる権利がある。
死んだら天国に行けて、幸せになるなんて信じるな。
今の人生の中にこそ、幸せがあり、天国があるべきなんだ。
だから、立ち上がれ、そして自分たちの生きる権利のために戦うんだ。
彼は、熱心なラスタファリニズム(通称ラスタ)の心棒者で、曲中で「Jah」というラスタファリニズムの神の名を呼んでいます。
このラスタファリ運動はアフリカ回帰の要素をもち、抑圧された黒人の抵抗運動なので、抑圧されたハイチの人々を救いたいという心情が、彼の中で湧いたのではと思います。
この曲は、生活に疲れたり、しんどいなという時に聴くと、背中を押してくれて、元気をくれる気がします。
せっかくの人生、よくするために闘わなければと思わせてくれます。
歌詞の和訳
(原詞:太文字)
Get Up, Stand Up
Get up, stand up, stand up for your right
立て、立ち上がれ、権利のために立ち上がれ
Get up, stand up, stand up for your right
立て、立ち上がれ、権利のために立ち上がれ
Get up, stand up, stand up for your right
立て、立ち上がれ、権利のために立ち上がれ
Get up, stand up, don’t give up the fight
立て、立ち上がれ、戦いを諦めるな
Preacher man don’t tell me
牧師よ、俺に言うな
Heaven is under the earth
天国は地面の下にあるなんて
I know you don’t know
あんたが知らないのは分かってる
What life is really worth
人生にほんとうの価値があることを
It’s not all that glitter is gold and
輝くものが金ではないし、
Half the story has never been told
半分の物語は語られていない
So now you see the light, aay
だから今、あんたは光を見るんだ
Stand up for your right. Come on
権利のために立ち上がれ、さあ
Get up, stand up, stand up for your right
立て、立ち上がれ、権利のために立ち上がれ
Get up, stand up, don’t give up the fight
立て、立ち上がれ、戦いを諦めるな
Get up, stand up, stand up for your right
立て、立ち上がれ、権利のために立ち上がれ
Get up, stand up, don’t give up the fight
立て、立ち上がれ、戦いを諦めるな
2)
Most people think
ほとんどの人はこう考える
Great God will come from the sky
偉大な神は空からやって来て
Take away everything,
全てを取り除いてくれて
And make everybody feel high
みんなを鼓舞させると
But if you know what life is worth
だが、人生の価値を知ってたら
You would look for yours on earth
あんたは地上で自分の人生を探すだろう
And now you see the light
さあ、光を見るんだ
You stand up for your right, Jah *1
権利のために立ち上がるんだ、ジャー
Get up, stand up (Jah, Jah)
立て、立ち上がれ(ジャー、ジャー)
Stand up for your right (Ohh-huuh)
権利のために立ち上がれ(オー)
Get up, stand up (Get up, stand up)
立て、立ち上がれ(立て、立ち上がれ)
Don’t give up the fight (Life is your right)
戦いを諦めるな(人生はあんたの権利だ)
Get up, stand up(So we can’t give up the fight)
立て、立ち上がれ(だから戦いはやめられない)
Stand up for your right (Lord, Lord)
権利のために立ち上がれ(神よ、神よ)
Get up, stand up (Keep on struggling on)
立て、立ち上がれ(闘い続けろ)
Don’t give up the fight (Yeah)
戦いを諦めるな(ヤー)
3)
We’re sick and tired of your ism and schism game *2
主義や分裂ゲームにはうんざりだ
Die and go to heaven in Jesus’ name, Lord
イエスの名のもとに死んで天に召されるがいい、主よ
We know and we understand
俺たちは分かってるし、理解してる
Almighty God is a living man
全能の神がいることを
You can fool some people sometimes
一部の人を何度か騙すことはできる
But you can’t fool all the people all the time
だが、すべての人をいつも騙すことはできない
So now we see the light
だから今、光を見るんだ
(What you gonna do?)
(どうする?)
We going to stand up for our right
俺たちの権利のために立ち上がろう
(Yeah, yeah, yeah)
(そうだ、そうだ、そうだ)
So you’d better…
そうした方がいい…
Get up, stand up (In the morning, get it up)
立て、立ち上がれ(朝に、立てろ)
Stand up for your right (In the night)
権利のために立ち上がれ(夜に)
Get up, stand up
立て、立ち上がれ
Don’t give up the fight (Don’t give it up, don’t give it up)
戦いを諦めるな(諦めるな、諦めるな)
Get up, stand up (Get up, stand up)
立て、立ち上がれ(立て、立ち上がれ)
Stand up for your right (Get up, stand up)
権利のために立ち上がれ(立て、立ち上がれ)
Get up, stand up (Don’t be a nigger in your neighborhood, yeah)
立て、立ち上がれ(となりにいるような黒人になるな)
Don’t give up the fight (Get up, stand up)
戦いを諦めるな(立て、立ち上がれ)
Get up, stand up (I don’t think that should be very good, Lord)
立て、立ち上がれ(決していいことだとは思わない、神よ)
Stand up for your right (Get up, stand up)
権利のために立ち上がれ(立て、立ち上がれ)
キーワード
*1 Jah : 「ラスタファリニズムの神」※ラスタファリニズム(通称ラスタ)とはジャマイカで広まった宗教運動
*2 ism and schism :”ism”は「主義」、schismは「(キリスト教)の分裂、離脱」
アーティストの紹介
【名 前】Bob Marley(ボブ・マーリー)本名:Robert Nesta Marley(ロバート・ネスタ・マーリー)
【生 誕】1945年2月6日 – 1981年5月11日
【出身地】ジャマイカ
【概 要】
1963年にプロの音楽家としての活動を始めて、ピーター・トッシュとバニー・ウェイラーと共にTeenagersというグループを結成した。
その後、「ザ・ウェイラーズ」という名前に変えて、1965年にアルバム「The Wailing Wailers」をリリースし、収録曲「One Love」は世界的なヒットとなり、レゲエ界の注目グループとして知名度を上げた。
グループ名も「ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ」と変え、1971年アルバム「The Best of The Wailers」をリリースし、世界的な注目を集め始め、1973年アルバム「Catch a Fire」「Burnin’」をリリース。
バンド解散後もバンド名の名前で、1974年アルバム「Natty Dread」をリリースし評価された。
このアルバムに収録された「No Woman, No Cry」は、1975年のライブアルバム「Live!」からシングルカットされたライブ・バージョンが大ヒットとなった。
1976年アルバム「ラスタマン・ヴァイブレーション」は、全米トップ10入りを果たし、ビルボード誌のR&Bアルバム・チャートで初めて11位を記録した。
彼は、ラスタファリ運動の思想を持ち音楽活動を続け、社会的なメッセージを音楽を通じて発信し続け、世界的に多くの人々に影響を与えた。
当時のジャマイカは、国内が2大政党が対立しており、社会情勢が非常に不安定で危険な状態だった。
彼は、そんな混沌とするジャマイカに微笑みをとする趣旨の「スマイル・ジャマイカ・コンサート」というコンサートを企画した。
しかし、このコンサートに反対する警告や脅迫が多くなされた。
そして1976年12月3日に、リハーサル中に6人の男に襲撃を受けた。
重傷者も出て、ボブも胸と腕を撃たれたが命に別状はなかった。
二日後のコンサートに出演したが、後に出演した理由を尋ねられたとき、「この世界を悪くさせようとしてる奴らは休みなんか取っちゃいない。それなのに僕が休むなんて事ができるかい?」と語った。
その後、活動拠点をロンドンに移し、精力的に音楽活動を続けた。
1977年にアルバム「Exodus」は、イギリスで大ヒットとなり56週連続チャートインを記録した。
1977年に足の親指に悪性のメラノーマ(悪性黒色腫)見つかり、親指の切断を医師から勧められたが拒否し、処置に留めツアーを続けた。
1981年5月11日、がんの転移により妻と母に見守られながら、息を引き取った。
彼の世界中のファンは悲しみを表し、彼はジャマイカで国葬を受けた。
彼の死後1984年に、アルバム『Legend』がリリースされ、史上最高のレゲエアルバムとなった。
彼は、生涯において推定7500万枚以上のレコードの売上げ、史上最高の音楽アーティストの一人としてランクされている。
彼は、ジャマイカ音楽を世界に広め、レゲエを国際的なジャンルに押し上げた。
「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」に於いては、第19位にランクされている。
彼の歌詞は政治的な内容を含み、平和と愛のメッセージを伝えており、永遠に多くの人々に愛され続けていくと思われる。
アルバムの紹介
1973年 Burnin’
1974年 Natty Dread
1975年 Live!
1984年 Legend ~The Best of Bob Marley & The Wailers
2024年 ONE LOVE-オリジナル・サウンドトラック
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