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Stage Fright(ステージ・フライト) – The Band(ザ・バンド)和 訳

ステージ・フライトのジャケット写真
目次

曲の紹介

【曲名】Stage Fright(ステージ・フライト)
【アーティスト】The Band(ザ・バンド)
【作詞・作曲】Robbie Robertson(ロビー・ロバートソン)
【概要】The Bandが1970年にリリースした3枚目のアルバム「Stage Fright」のタイトル曲
アルバムは、ビルボード・アルバムチャートで5位を記録した。

【記事参照元】Stage Fright (The Band song)-Wikipedia
【歌詞引用元】Stage Fright-Genius
【画像引用元】Stage Fright (The Band song)-Wikipedia

曲の解釈

この曲は彼らの3枚目のアルバム「Stage Fright」のタイトル曲です。
このアルバムは、トッド・ラングレンがエンジニアを務め、録音もシーズンオフの劇場で行われ、彼ら自身がプロデュースしました。

私には、1枚目「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」2枚目「ザ・バンド」の成功から、何か抜け出したい、既定路線を変えたいという想いを感じます。

その想いが、まさしくこの曲「ステージ・フライト」の歌詞に表れているように思います。

歌詞の内容は、作者のロビー・ロバートソンが、自分の「あがり症」の経験について書いていると言っています。

貧しく農家で育った少年が、ある時音楽で富と名声を得た。しかし、そのことが彼には重くのしかかる。ステージでは、本来の「あがり症」がでて、演奏もやり直したいくらい。

そんな時に、医者からのアドバイスで、自分を隠して演じることを知る。
「さあ、今が正念場だ」「立ち向かうんだ」と挑戦する主人公。

まさに、The Band自体が1枚目、2枚目アルバムで得た富と名声に恐れながらも、新しいことに挑戦してこの3枚目アルバム「ステージ・フライト」をリリースした姿に重なります。

動画はアルバム「Stage Fright(Remastered 2000版)」と1976年11月にサンフランシスコのウインターランドで行われた解散コンサート「The Last Waltz」のものです。

リック・ダンゴ(ベース)のボーカルがこの曲に合って素敵です。

Stage Fright (Remastered 2000)
Stagefright (Concert Version)

歌詞の和訳

(原詞:太文字)

Stage Fright

Now deep in the heart of a lonely kid
今心の奥にあるもの、孤独な少年の
Who suffered so much for what he did *1
彼はとても苦しんだ、彼が成したことで
They gave this ploughboy his fortune and fame *2
それがこの農耕少年に与えた富と名声
Since that day he ain’t been the same
あの日から、彼は同じでいられなくなった

See the man with the stage fright
見ろその男を、あがっている
Just standin’ up there to give it all his might *3
ただ、あそこに立ってるだけが精いっぱいの
And he got caught in the spotlight
それから彼をスポットライトが照らした
But when we get to the end
だがみんなが終わる時に
He wants to start all over again
彼はまた最初からやり直したがる

2)
I’ve got fire water right on my breath *4
俺は強い酒を一気に飲み干した
And the doctor warned me I might catch a death
それから医者から警告を受けた、死んでしまうと
Said, “You can make it in your disguise
彼は言った「君は変装すればいい、
Just never show the fear that’s in your eyes”
目に表れてる恐怖を隠すんだ」

See the man with the stage fright
見ろその男を、あがっている
Just standin’ up there to give it all his might
ただ、あそこに立ってるだけが精いっぱいの
And he got caught in the spotlight
それから彼をスポットライトが照らした
But when we get to the end
だがみんなが終わる時に
He wants to start all over again
彼はまた最初からやり直したがる

Now if he says that he’s afraid
彼が怖いと言ってるなら
Take him at his word *5
彼の言うとおり
And for the price that the poor boy has paid
その代償さ、貧しい少年が払ってきた
He gets to sing just like a bird, oh, ooh ooh ooh
彼は歌い出す、まるで鳥のように、オー、オーオーオー

3)
Your brow is sweatin’ and your mouth gets dry
君の額は汗まみれで、口は乾く
Fancy people go driftin’ by
お洒落な人たちは散り去っていく
The moment of truth is right at hand *6
決定的瞬間が、今まさにきてる
Just one more nightmare you can stand
もう一度、悪夢に立ち向かえる

See the man with the stage fright
見ろその男を、あがっている
Just standin’ up there to give it all his might
ただ、あそこに立ってるだけが精いっぱいの
And he got caught in the spotlight
それから彼をスポットライトが照らした
But when we get to the end
だがみんなが終わる時に
He wants to start all over again
彼はまた最初からやり直したがる

Hmm hmm
フー、フー
You wanna try it once again, hmm hmm
君は挑戦したがってる、もう一度、フー、フー
Please, don’t make him stop, hmm hmm
どうか、彼を止めないでくれ、フー、フー
Let him take it from the top, hmm hmm
彼に最初から演らせてやれ、フー、フー
Let him start all over again
彼にやり直させてやれ

キーワード

*1. for what he did : 直訳では「彼が行ったことのため」ですが、この「行ったこと」は次に「富と名声」が来ますので文脈から「彼が成したこと」としました。

*2. ploughboy : 辞書(Weblio)では「すきをひく動物を引いて行く少年」とありますが、分かりやすく「農耕少年」としました。

*3. all his might : 「一生懸命に」「全力を尽くして」から「精一杯に」としました。

*4. on my breath: “on breath”が「一息、一気」なので、「一気に(飲み干す)」としました。

*5. Take him at his word: “take at word”「の言葉を真に受ける」「そのまま信じる」から「彼の言う通り」としました。

*6. The moment of truth is right at hand: 「正念場、決定的瞬間、最後の審判の瞬間」という意味の慣用句

アーティストの紹介

【名 前】The Band(ザ・バンド)
【活動期間】1967-1976年(メンバーチェンジにて1983-1999年)
【結成地】アメリカ
【概要】アメリカのロックバンドでオリジナル・メンバーは、ロビー・ロバートソン(Gt.)、リチャード・マニュエル(KB.)、ガース・ハドソン(KB.&アコーデイオン&SAX), 、リック・ダンコ(Bass)、リヴォン・ヘルム(Dr.&Vo.)
※アメリカ出身はリヴォン・ヘルムのみで、他の4人はカナダ出身。

元はアメリカのロックンローラー、ロニー・ホーキンスのバックバンド(ホークス)として活動していたが、その後ボブ・ディランのマネージャー(アルバート・グロスマン)の目に留まり、ボブ・ディランのバックバンドとして活動を始めた。

この時期、ディランはフォーク路線からエレキギターを使用してフォークロックへ転換しており、コンサートツアーの行く先々で、従来のフォークファンから大ブーイングを受けた。

これは、「ロイヤル・アルバート・ホール」での「ライク・ア・ローリングストーン」の動画で様子が伺える。これにより、逆に彼らの知名度を高めた。

その後、ディランの交通事故のアクシデントもあり、ディランの誘いでウッド・ストックに「ビッグ・ピンク」と名づけられた家に住みついた。そこで行われたディランとのセッションは、ロック史上初の海賊盤「Great White Wonder」として流出し、1975年に「地下室(ザ・ベースメント・テープス)」としてリリースとなった。

1968年に「ザ・バンド」と改名し、「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」をリリースし、バンドデビューした。

音楽性はロックにアメリカのルーツ音楽のカントリーやR&Bの要素を取り入れ、高い評価を受けた。また当時より多くのミュージシャンから尊敬を集めた。

特にエリック・クラプトンは、この「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」に衝撃を受け、クリームを去った原因にもなったとも言われている。

1989年にカナダのCanadian Music Hall of Fame殿堂入り、1994年にロックの殿堂入りしている。

ローリング・ストーン誌選定の「歴史上最も偉大な100組のグループ」において第50位にクレジットされる。

代表アルバム

アルバム

1968年 ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク / Music from Big Pink

1969年 ザ・バンド / The Band

1970年 ステージ・フライト / Stage Fright

1972年 ロック・オブ・エイジズ / Rock Of Ages

1975年 南十字星 / Northern Lights – Southern Cross

ライブ・アルバム

1974年 偉大なる復活 / Before the Flood

1978年 ラスト・ワルツ / The Last Waltz

ベスト・アルバム

2000年 The Band Greatest Hits

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