曲の紹介(Tears in Heaven ティアーズ・イン・ヘヴン)
【曲 名】Tears in Heaven(ティアーズ・イン・ヘヴン
【アーティスト】Eric Clapton(エリック・クラプトン)
【作詞・作曲】Eric Clapton(エリック・クラプトン)、Will Jennings(ウィル・ジェニングス)
【概 要】1991年公開の映画「ラッシュ」のサウンドトラックに収録された。
翌年1992年に全米シングルチャート2位を記録し、1993年に第35回グラミー賞の3部門を受賞した。
1992年にMTVアンプラグドでの放送を収録したライブ・アルバム「アンプラグド〜アコースティック・クラプトン」にも収録されており、アルバムは全米1位を記録する大ヒットとなった。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)では353位にランキングされている。
【記事参照元】Tears in Heaven-Wikipedia
【原詞引用元】Tears in Heaven-Genius
【画像引用元】Tears in Heaven-Wikipedia
曲の解釈
この曲は「ラッシュ」という映画の挿入歌ですが、1991年3月20日にクラプトンの息子で4歳のコナーが、ニューヨークのアパートの53階の窓から転落し亡くなり、その悲しみを癒やすために書かれたと言われています。
クラプトンは1992年のインタビューで、「コナーについて歌っているともとれるし、映画の一部であるともとれるから、ちょっと曖昧な曲なんだ」「ほとんど無意識のうちに、自分自身を癒すために音楽を使ったんだ。
私は音楽から大きな幸福と大きな癒しを得た」(Wikipedia:Tears in Heavenより)と言っており、この歌がクラプトンの心の支えになったと想像できます。
歌詞の内容は、実際子供を不慮の事故で失った父親として、クラプトンの悲しく切ない想いが込められています。
そして「時は無情に、そして情け容赦ない現実を運んでくる。
しかし、それも受け入れて生きて行かなくてはいけない、亡くなった息子のためにも。」と歌っているように思えます。
この曲は、とても哀しく静かな曲ですが、クラプトンの魂の叫びが聞こえてくる名曲だと思います。
歌詞の和訳(Tears in Heaven ティアーズ・イン・ヘヴン)
(原詞:太文字)
Tears in Heaven
Would you know my name if I saw you in Heaven? *1
僕の名前が分かるかな?君と天国で会っても
Would it be the same if I saw you in Heaven?
変わらないでいるかな?君と天国で会っても
I must be strong and carry on
強くなって、生きて行かなければいけない
‘Cause I know I don’t belong here in Heaven
僕はここ、天国にはいないと分かっているから
2)
Would you hold my hand if I saw you in Heaven?
僕の手を握ってくれるかな?君と天国で会っても
Would you help me stand if I saw you in Heaven? *2
僕を支えてくれるかな?君と天国で会っても
I’ll find my way through night and day
自分の道を見つけるよ、昼も夜も
‘Cause I know I just can’t stay here in Heaven
僕はここ、天国にはいられないと分かっているから
Time can bring you down, time can bend your knees *3
時は人を打ちのめし、膝まずかせる
Time can break your heart, have you begging please
時は人の心を打ち砕き、許しを乞わせる
Begging please
どうかお許しを
Beyond the door, there’s peace, I’m sure
扉の向こうには、安らぎがあると信じてる
And I know there’ll be no more tears in Heaven *4
そして知っている、これ以上の悲しみは天国にはないと
3)
Would you know my name if I saw you in Heaven?
僕の名前が分かるかな?君と天国で会っても
Would you be the same if I saw you in Heaven?
変わらないでいるかな?君と天国で会っても
I must be strong and carry on
強くなって、生きて行かなければいけない
‘Cause I know I don’t belong here in Heaven
僕はここ、天国にはいないと分かっているから
キーワード
*1 would you know: “do you know”「分かる?」よりも願いの意味を込めて「分かるかな?」としました。
また、息子さんへの呼びかけの形をとりながら、自分自身への問いかけのニュアンスをいれて訳しました。
*2 help me stand: 直訳では「立っていられるように手伝って」ですが、文脈から「支えて」としました。
*3 you : この”you”は「一般的な人」として訳し、「時の残酷さ、非情さ」を表現している内容にとらえました。ちなみに、この章は他の章と雰囲気や内容が違いますが、ウィル・ジェニングスが書いたようです。(Wikipedia:Tears in Heavenより)
*4 tears: ここでは「涙」ではなく、文脈から「悲しみ」としました。
アーティストの紹介(Eric Clapton エリック・クラプトン)
- 名前:Eric Clapton(エリック・クラプトン)
- 本名:Eric Patrick Clapton(エリック・パトリック・クラプトン)
- 生誕:1945年3月30日 –
- 出身地:イングランド サリー州
- サマリー:エリック・クラプトンは、ロックとブルースを融合させたパイオニア的なアーティストで、伝説的なギタリストであり、シンガーソングライターです。
アーティストの軌跡
エリック・クラプトンは、1963年10月にヤードバーズ(The Yardbirds)に加入し、イギリスのブルースシーンで注目を集めるギタリストとなりました。
しかし、1965年3月に大ヒットした「For Your Love」をきっかけに、バンドがポップ志向に傾いたため、ブルースに忠実でありたいクラプトンは不満を抱き、同年にジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ(John Mayall & the Bluesbreakers)に移籍しました。
1966年、ドラマーのジンジャー・ベイカーから新バンド結成の誘いを受けたクラプトン。彼はベーシスト/ボーカリストとしてジャック・ブルースを指名し、3人で「Cream(クリーム)」を結成しました。
クリームは卓越した演奏技術で「cream of the crop(選りすぐりのもの)」と称されるほど他のミュージシャンに多大な影響を与えました。
しかし、ジンジャー・ベイカーとジャック・ブルースの深刻な不仲もあり、1968年11月に解散しました。
クリーム解散後、クラプトンはベイカー、スティーヴ・ウィンウッド、リック・グレッチとともにブラインド・フェイス(Blind Faith)を結成。
このスーパーグループは1枚のアルバムを制作し、1ツアーを行った後、短命に終わりました。
その後、デラニー&ボニー(Delaney & Bonnie)とツアーを行い、1970年に最初のソロアルバムをリリース。
続いてボビー・ホイットロック、カール・ラドル、ジム・ゴードンとデレク・アンド・ザ・ドミノス(Derek and the Dominos)を結成し、「Layla and Other Assorted Love Songs(邦題:いとしのレイラ)」アルバムを制作しました。
タイトル曲「レイラ」は、親友ジョージ・ハリスンの妻パティ・ボイドへの思いを綴った曲として知られ、クラプトンの代表作となりました。
1970年代、クラプトンは音楽的成功を収める一方で、ドラッグやアルコール依存症と闘っていました。
ザ・フーのピート・タウンゼントが呼びかけた「レインボー・コンサート」など、音楽仲間の支援があり、これらの依存症から回復することができました。
ソロ活動に専念するようになったクラプトンは、1974年にボブ・マーリーの「I Shot the Sheriff」をカバーし大ヒット。
このカバーはレゲエ音楽が大衆市場に浸透するきっかけとなりました。また1977年のカントリー調の「Slowhand」アルバムや1986年のポップロック作品「August」など、数々の成功作を生み出しました。
クラプトンはロックミュージック史上最も影響力のあるギタリストの一人と評価され、ローリングストーン誌の「史上最も偉大なギタリスト100人」で2位にランクされています。(1位はジミ・ヘンドリックス)
彼はグラミー賞を18回受賞し、ブリット・アワードなど数々の栄誉を獲得。さらに、ソロアーティストとして、そしてヤードバーズとクリームのメンバーとして、ロックの殿堂入りを3度果たした唯一のアーティストです。
世界で1億枚以上のレコードを売り上げ、史上最も成功したミュージシャンの一人となっています。
ディスコグラフィー
- ソロ・アルバム
- エリック・クラプトン・ソロ – Eric Clapton (1970年)
- 461 オーシャン・ブールヴァード – 461 Ocean Boulevard (1974年)
- 安息の地を求めて- There’s One in Every Crowd (1975年)
- ノー・リーズン・トゥ・クライ – No Reason to Cry (1976年)
- スローハンド – Slowhand (1977年)
- バックレス – Backless (1978年)
- アナザー・チケット- Another Ticket (1981年)
- マネー・アンド・シガレッツ – Money and Cigarettes (1983年)
- ビハインド・ザ・サン – Behind the Sun (1985年)
- オーガスト- August (1986年)
- ジャーニーマン – Journeyman (1989年)
- フロム・ザ・クレイドル – From the Cradle (1994年)
- ピルグリム – Pilgrim (1998年)
- レプタイル – Reptile (2001年)
- ミー&Mr.ジョンソン – Me and Mr. Johnson (2004年)
- セッションズ・フォー・ロバート・J – Sessions for Robert J (2004年)
- バック・ホーム – Back Home (2005年)
- クラプトン – Clapton (2010年)
- オールド・ソック – Old Sock (2013年)[258]
- アイ・スティル・ドゥ – I Still Do (2016年)
- ハッピー・クリスマス – Happy Xmas (2018年)
- ミーンワイル – Meanwhile (2024年) ※デジタル先行リリース
- コラボレーション
- ライディング・ウィズ・ザ・キング (with B.B. King) (2000)
- ザ・ロード・トゥ・エスコンディード (with J. J. Cale) (2006)
- ザ・ブリーズ~J.J.ケイルに捧ぐ (by Eric Clapton & Friends) (2014)
*引用:Eric Clapton-Wikipedia
1971年 いとしのレイラ / Layla
1974年 461 オーシャン・ブールヴァード / 461 Ocean Boulevard
1977年 スローハンド / Slowhand
1991年 24ナイツ / 24Nights
1992年 アンプラグド〜アコースティック・クラプトン / Unplugged
2016年 ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・クリーム / the very best of CREAM