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The Night They Drove Old Dixie Down(ザ・ナイト・ゼイ・ドローヴ・オールド・ディキシー・ダウン) – The Band(ザ・バンド)和訳

ザ・バンドのジャケット写真
目次

曲の紹介

【曲 名】The Night They Drove Old Dixie Down
【アーティスト】The Band(ザ・バンド)
【作詞・作曲】Robbie Robertson (ロビー・ロバートソン)
【概 要】1969年、セカンドアルバム”The Band”に収録され、シングルと同時リリースされた。

このアルバムはアメリカでは”The Brown Album”と呼ばれ、ローリング・ストーン誌の「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)」において245位にランクインした。

【記事参照元】The Night They Drove Old Dixie Down-Wikipedia
【記事参照元】The Band-Wikipedia
【記事参照元】Eric Clapton-Wikipedia
【画像参照元】The Band-Wikipedia
【歌詞引用元】The Band–The Night They Drove Old Dixie Down Lyrics

曲の解釈

この曲は1861年~1865年にかけてアメリカで起きた南北戦争の当時を背景に描いています。

主人公は、南部バージニア州のダンビルの鉄道会社で働くバージル・ケインという白人の労働者を設定しています。

この南部生まれの青年の目を通して、1865年に南部のリッチモンドが陥落して北軍が勝利したその日のことを、悔しく悲しい思い出として描いています。

また彼が故郷のテネシーへ妻ともどり、南軍および南部の人々に慕われたロバート・E・リーの名前の蒸気船を見て、戦いには負けたけれど「ロバート・E・リー将軍」に象徴される南部の誇りは、北軍の奴らは奪えなかったと言っているように思えます。

最後には、北軍に殺された兄の無念を、このケインという家の名にかけても果たしたい気持ちを表現しています。

この曲は、ロビー・ロバートソンが作ったフィクションの歌詞ですが、歴史的な背景や史実を調べた上でこの曲を作ったそうです。

また彼は歴史的なAmerican Civil War(南北戦争)への興味と、南軍のみならず多くの人々に慕われた南軍のロバート・E・リー将軍への尊敬の念を持っていたのではと思います。

私は20才(約40年前)くらいにこの曲に出会いましたが、その当時はアメリカの南北戦争と言われても、とても昔々のお話しという感覚でした。

しかし、戦争がとても身近に感じられる今、あらためてこの曲を訳すと、とても怖いくらい歴史は繰り返すのかなと思います。

でもそこには、どんなに戦争に苦しまされても、誇りを忘れないでたくましく生きる人々の姿がこの曲には浮かんできます。

ほんとうにいい曲だと思いましたので、ぜひ若い人たちに聴いてほしくて訳しました。

The Bandのライブ動画は1978年の解散ライブ「The Last Waltz」のものです。カバーはJoan Baez(ジョーン・バエズ)です。

The Band - The Night They Drove Old Dixie Down
The Last Waltz (1978) - The Night They Drove Old Dixie Down Scene (5/7) | Movieclips
2017 Rock Hall Inductee Joan Baez & Guests Perform "The Night They Drove Old Dixie Down"

歌詞の和訳

(原詞:太文字)

The Night They Drove Old Dixie Down

Virgil Caine is the name
バージル・ケインが名前で、
And I served on the Danville train
俺はダンビル鉄道で働いていた
Till Stormvill’ s cavalry came
ストームビルの騎兵隊が来て
And tore up the tracks again
線路を壊すまでは、再び

In the winter of ’65
1865年の冬は
We were hungry
みんな空腹で
Just barely alive
なんとか生きてた
I made an atempt
俺も頑張ったが
But Richmond had fell
リッチモンドは陥落した
It’s a time
その時を
I remember oh so well
とてもよく覚えてる

The night they drove old Dixie down *1
あの夜、奴らはかつてのディキシーを落とした
And the bells were ringing
ベルが鳴っていた
The night they drove old Dixie down
あの夜、奴らはかつてのディキシーを落とした
And the people were singing
みんなが歌っていた
They went la…la…la…la…la…la…
奴らは続けた、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、

2)
Back with my wife in Tennessee
妻とテネシーへ帰った
When one day she called to me
ある日、彼女は俺を呼んで
Said, Virgil quick come see
言った、バージル早く来て見てよ
There go the Robert E.Lee *2
あそこにロバート・E・リー号が行くよ

Now I don’t mind choppin’ wood
今では、木こりも苦じゃないし
And I don’t care if the money’s no good
金まわりが悪くても、気にしない
You take what you need *3
人は、必要なものを手に入れてから
And you leave the rest *4
それから、要らないものを捨てる
But they should never *5
だけど、やつらはそうしなかった
Have taken the very best *6
肝心なものを手に入れられなかった

The night they drove old Dixie down
あの夜、奴らはかつてのディキシーを落とした
And the bells were ringing
ベルが鳴っていた
The night they drove old Dixie down
あの夜、奴らはかつてのディキシーを落とした
And the people were singing
みんなが歌っていた
They went la…la…la…la…la…la…
奴らは続けた、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、

3)
Like my father before me
親父がそうだったように
I am a working man
おれも労働者だ
And like my brother above me
そして兄貴もそうで
Who took a rebel stand
立ち向かって行った
He was just 18
彼はまだ18才だったが
Proud and brave
誇り高く、勇敢だった
But a Yankee laid him in his grave
だが北軍の奴に、墓へ入れられた
I swear by the mud below my feet
この足元の泥土に誓う
You can’t raise a Caine back up *7
誰もケイン家の名を名乗れない
When he’s in defeat *8
奴を倒す時まで

The night they drove old Dixie down
あの夜、奴らはかつてのディキシーを落とした
And the bells were ringing
ベルが鳴っていた
The night they drove old Dixie down
あの夜、奴らはかつてのディキシーを落とした
And the people were singing
みんなが歌っていた
They went la…la…la…la…la…la…
奴らは続けた、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、

The night they drove old Dixie down
あの夜、奴らはかつてのディキシーを落とした
And the bells were ringing
ベルが鳴っていた
The night they drove old Dixie down
あの夜、奴らはかつてのディキシーを落とした
And the people were singing
みんなが歌っていた
They went la…la…la…la…la…la…
奴らは続けた、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、

キーワード

*1 drove old Dixie down:drive~は「運転する」よりも「駆り立てる」の意味で、drive down~「~を駆り立て、落とす」から「かつてのディキシーを落とす」としました。
また、このディキシーはアメリカ合衆国南部諸州の通称で、南北戦争当時に南軍(アメリカ連合国軍)の行進歌として使われて広まった呼び名とのことなので、おそらくここでいう「ディキシー」は”old “を付けていることからも単に地名ではなく、「俺たちの誇りある土地」という意味があると思います。

つまり、”drove old Dixie down”は「その神聖な俺たちの土地を貶められた」という気持ちが込められているように思います。

*2 There go the Robert E.Lee : ここはロバート・E・リー将軍が実際に見えたとも読めますが、一般人が実際本人を見れる可能性がまず無いこと、Generalなどの敬称がついていないことや、調べると戦争終結後の1966年にロバート・E・リーと名づけられた外輪蒸気船が建造され、ミシシッピー河で就航されていたので、蒸気船としました。

*3 You take what you need : この”You”は聖書でいう「汝」や一般的な「人」ととらえ「人は、必要なものを手に入れてから」としました。

*4 And you leave the rest:前文から通すと「人は、必要なものを手に入れてから、次に要らないものを捨てる」という一般的なセオリーを言っていると思います。

*5 But they should never:この”They”は北軍の兵士たちとして「だけど、やつらはそうしなかった」としました。

*6 Have taken the very best:前文から通すと「だけど、やつらはそうしなかったので、肝心なものを手に入れられなかった」の意味で訳しました。また、この肝心なものとは「ロバート・E・リー将軍」だと思います。

*7 You can’t raise a Caine back up:raise back up~「興す再び」の意味にとり、「ケインという家の名前を再び名乗れない」としました。

*8 When he’s in defeat:in defeat~「負かす、倒す」から「奴を倒すまでは」としました。

アーティストの紹介

【名 前】The Band(ザ・バンド)
【活動期間】1967-1976年(メンバーチェンジにて1983-1999年)
【結成地】アメリカ
【概要】アメリカのロックバンドでオリジナル・メンバーは、ロビー・ロバートソン(Gt.)、リチャード・マニュエル(KB.)、ガース・ハドソン(KB.&アコーデイオン&SAX), 、リック・ダンコ(Bass)、リヴォン・ヘルム(Dr.&Vo.)
※アメリカ出身はリヴォン・ヘルムのみで、他の4人はカナダ出身

元はアメリカのロックンローラー、ロニー・ホーキンスのバックバンド(ホークス)として活動していたが、その後ボブ・ディランのマネージャー(アルバート・グロスマン)の目に留まり、ボブ・ディランのバックバンドとして活動を始めた。

この時期、ディランはフォーク路線からエレキギターを使用してフォークロックへ転換しており、コンサートツアーの行く先々で、従来のフォークファンから大ブーイングを受けた。

これは、「ロイヤル・アルバート・ホール」での「ライク・ア・ローリングストーン」の動画で様子が伺える。これにより、逆に彼らの知名度を高めた。

その後、ディランの交通事故のアクシデントもあり、ディランの誘いでウッド・ストックに「ビッグ・ピンク」と名づけられた家に住みついた。

そこで行われたディランとのセッションは、ロック史上初の海賊盤「Great White Wonder」として流出し、1975年に「地下室(ザ・ベースメント・テープス)」としてリリースとなった。

1968年に「ザ・バンド」と改名し、「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」をリリースし、バンドデビューした。

音楽性はロックにアメリカのルーツ音楽のカントリーやR&Bの要素を取り入れ、高い評価を受けた。

また当時より多くのミュージシャンから尊敬を集めた。

特にエリック・クラプトンは、この「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」に衝撃を受け、クリームを去った原因にもなったとも言われている。

1989年にカナダのCanadian Music Hall of Fame殿堂入り、1994年にロックの殿堂入りしている。

ローリング・ストーン誌選定の「歴史上最も偉大な100組のグループ」において第50位にクレジットされる。

アルバムの紹介

アルバム

1968年 ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク / Music from Big Pink

1969年 ザ・バンド / The Band

1970年 ステージ・フライト / Stage Fright

1972年 ロック・オブ・エイジズ / Rock Of Ages

1975年 南十字星 / Northern Lights – Southern Cross

ライブ・アルバム

1974年 偉大なる復活 / Before the Flood

1978年 ラスト・ワルツ / The Last Waltz

ベスト・アルバム

2000年 The Band Greatest Hits

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