曲の紹介(It Makes No Difference イット・メイクス・ノー・ディファレンス)
【曲名】It Makes No Difference(イット・メイクス・ノー・ディファレンス)
【アーティスト】The Band(ザ・バンド)
【作詞・作曲】Robbie Robertson(ロビー・ロバートソン)
【概要】
The Bandの6枚目のアルバム、1975年リリース「Northern Lights-Southern Cross」(日本語名:南十字星)に収録された曲
【記事参照元】It Makes No Difference-Wikipedia)
【歌詞引用元】The Band–It Makes No Difference Lyrics-Genius
曲の解釈
この曲は、有名ではありませんが、ザ・バンドの中でも一番好きです。
歌詞の内容は「お前を失ってしまった以上どこに行こうが同じことさ、もう太陽は輝かないし俺の心のドアには雨ばかり降り注ぐ」というブルースにあるような、弱い男の叫びを表現しています。
これを、ザ・バンドのベーシストであるRick Danko(リック・ダンコ)がとても情念的に歌い上げていて、とても素晴らしいです。
歌詞の和訳(It Makes No Difference イット・メイクス・ノー・ディファレンス)
(原詞:太文字)
It Makes No Difference
It makes no difference where I turn
変わりはないさ、どこに向かおうが
I can’t get over you and the flame still burns *1
君のことを忘れられないし、想いはまだ燃えている
It makes no diff’rence, night or day
変わりはないさ、夜でも昼でも
The shadow never seems to fade away
暗闇は決して消えそうにない
And the sun… don’t shine… anymore
太陽は、輝かない、もう二度と
And the rains… fall down… on my door
雨は、降り注ぐ、俺のドアへ
Now there’s no love
もうどこにも愛はない
As true as the love
ほんとうの愛など
That dies untold
もう誰も口にもしない
But the clouds… never hung so low… before
だけど雲は、決して低く垂れこまない、以前のように
It makes no diff’rence how far I go
変わりはないさ、どこまで行こうが
Like a scar the hurt will always show
傷跡のように、いつも痛みが表れる
It makes no difference who I meet
変わりはないさ、誰と会おうと
They’re just a face in the crowd on a dead-end street
人ごみの中のただの顔さ、先のない通りに群がる
And the sun… don’t shine… anymore…
太陽は、輝かない、もう二度と
And the rains… fall down… on my door…
雨は、降り注ぐ、俺のドアへ
These old love letters
こんな古いラブレターなど
Well, I just can’t keep
そうさ、いつまでも持っていられない
‘Cause like the gambler says, read ‘em and weep*2
ギャンブラーも言っている、”負けを認めて泣け”と
And the dawn… don’t rescue me… no more...
夜明けは、俺を救いはしない、もう二度と
Without your love I’m nothing at all
君の愛を失くして、俺は自分を失った
Like an empty hall it’s a lonely fall
まるで空っぽの空間、それは孤独な絶望
Since you’ve gone it’s a losing battle
君がいなくなってから、ずっと負けゲーム
Stampeding cattle*3
一斉に逃げ出した牛どもが
They rattle the walls
壁を震わせている
And the sun… don’t shine… anymore…
太陽は、輝かない、もう二度と
And the rains… fall down… on my door…
雨は、降り注ぐ、俺のドアへ
Well, I love you so much
ああ、君を愛してる、とても
It’s all I can do
俺にできることは、
Just to keep myself from telling you
もうこれ以上、君に語り掛けないことさ
That I never… felt so alone… before
これできっと、孤独じゃなくなる、以前のように
キーワード
*1. get over 「乗り越える、慣れる、忘れる」
*2. read ‘em and weep ポーカーでウイニングの手を出したときに使う慣用句
*3. Stampeding cattle stampede「驚いてどっと逃げ出すこと」 cattle「牛、畜牛、畜生(人間)」
アーティストの紹介(The Band ザ・バンド)
【名 前】The Band(ザ・バンド)
【活動期間】1967-1976年(メンバーチェンジにて1983-1999年)
【結成地】アメリカ
【概要】アメリカのロックバンドでオリジナル・メンバーは、ロビー・ロバートソン(Gt.)、リチャード・マニュエル(KB.)、ガース・ハドソン(KB.&アコーデイオン&SAX), 、リック・ダンコ(Bass)、リヴォン・ヘルム(Dr.&Vo.)
※アメリカ出身はリヴォン・ヘルムのみで、他の4人はカナダ出身。
元はアメリカのロックンローラー、ロニー・ホーキンスのバックバンド(ホークス)として活動していたが、その後ボブ・ディランのマネージャー(アルバート・グロスマン)の目に留まり、ボブ・ディランのバックバンドとして活動を始めた。
この時期、ディランはフォーク路線からエレキギターを使用してフォークロックへ転換しており、コンサートツアーの行く先々で、従来のフォークファンから大ブーイングを受けた。
これは、「ロイヤル・アルバート・ホール」での「ライク・ア・ローリングストーン」の動画で様子が伺える。これにより、逆に彼らの知名度を高めた。
その後、ディランの交通事故のアクシデントもあり、ディランの誘いでウッド・ストックに「ビッグ・ピンク」と名づけられた家に住みついた。そこで行われたディランとのセッションは、ロック史上初の海賊盤「Great White Wonder」として流出し、1975年に「地下室(ザ・ベースメント・テープス)」としてリリースとなった。
1968年に「ザ・バンド」と改名し、「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」をリリースし、バンドデビューした。
音楽性はロックにアメリカのルーツ音楽のカントリーやR&Bの要素を取り入れ、高い評価を受けた。また当時より多くのミュージシャンから尊敬を集めた。
特にエリック・クラプトンは、この「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」に衝撃を受け、クリームを去った原因にもなったとも言われている。
1989年にカナダのCanadian Music Hall of Fame殿堂入り、1994年にロックの殿堂入りしている。
ローリング・ストーン誌選定の「歴史上最も偉大な100組のグループ」において第50位にクレジットされる。
アルバムの紹介
アルバム
1968年 ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク / Music from Big Pink
1969年 ザ・バンド / The Band
1970年 ステージ・フライト / Stage Fright
1972年 ロック・オブ・エイジズ / Rock Of Ages
1975年 南十字星 / Northern Lights – Southern Cross
ライブ・アルバム
1974年 偉大なる復活 / Before the Flood
1978年 ラスト・ワルツ / The Last Waltz
ベスト・アルバム
2000年 The Band Greatest Hits
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