MENU

Tears of Rage 怒りの涙 / The Band ザ・バンド

  • URLをコピーしました!
スポンサーリンク
目次

曲の紹介「Tears of Rage 怒りの涙」

インフォメーション

  • 曲名:Tears of Rage (怒りの涙)
  • アーティスト:The Band(ザ・バンド)/ Bob Dylan(ボブ・ディラン)
  • 作詞:Bob Dylan(ボブ・ディラン)
  • 作曲:Richard Manuel (リチャード・マニュエル)
  • リリース
    • ボブ・ディラン:1967年6月26日 アルバム「The Basement Tapes 地下室 (ザ・ベースメント・テープス)」
    • ザ・バンド:1968年7月1日 アルバム「Music from Big Pink (ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク)」
  • サマリー
  • 記事参照元:
    • Tears of Rage-Wikipedia
    • The Band-Wikipedia
    • Bob Dylan-Wikipedia
  • 原詞引用元:The Band–I Shall Be Released Lyrics-Genius

曲について

「怒りの涙」は、ボブ・ディランが作詞し、ザ・バンドのリチャード・マニュエルが作曲しました。

1967年にボブ・ディランとザ・バンド(当時はザ・ホークス)が、ウッドストックの「ビッグ・ピンク」と呼ばれる家で非公式で収録。

翌年1968年にザ・バンドのファーストアルバム「Music from Big Pink / ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」用に再録音されアルバムの1曲目に収録されました。

ボブ・ディランのバージョンは、曲調が穏やかなバラード風なフォークソング的な印象です。

それに対してザ・バンドのバージョンは、リチャード・マニュエルのボーカルが歌詞の非常な怒りや悲しみを見事に表現していて、まるでゴスペルのような讃美歌や哀悼歌のようです。

歌詞は、色々な解釈がされていて、シェイクスピアの戯曲で、「リア王」を表現しているとの意見や、ベトナム戦争で引き起こされたアメリカ国内での分裂、ベトナムからの帰還兵が感じた国への裏切りと痛みの象徴などの考察がなされています。

ボブ・ディランは、アルバム「The Basement Tapes 地下室 (ザ・ベースメント・テープス)」の発表インタビューで、「中国初の水素爆弾の投下がこの曲のきっかけになった」と語っています。(引用元:Tears of Rage-Wikipedia)

歌詞を読み解くと様々に考察されているように、そこにはボブ自身が感じている「怒り」「悲しみ」「憤り」がにじみ出ている気がします。

「Tears of Rage」は、ザ・バンドのファーストアルバム「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」のトップの曲でもあり、その後の彼らの音楽性を方向付けた貴重なナンバーです。

曲の動画

  • 以下の動画をアップしています。
    • Tears Of Rage (Remixed 2018) by The Band 公式アーティストチャンネル
    • Bob Dylan, The Band – Tears of Rage (Official Audio)
    • Tears of Rage (live) by The Band 公式アーティストチャンネル
  • 以下の動画をリンクしています。
Bob Dylan, The Band - Tears of Rage (Official Audio)

歌詞の和訳「Tears of Rage 怒りの涙」

(原詞:太文字)

Tears of Rage

We carried you in our arms
私たちは君を腕に抱いた
On Independence Day

独立記念日に
And now you’d throw us all aside
*1
そして今、君は見捨てようと
And put us all away
*2
私たちを遠ざけてる
Oh, what dear daughter ‘neath the sun

ああ、娘は日の下で何を慈しんでいるのか、
Could treat a father so?

父にそんな仕打ちをしながら?
To wait upon him hand and foot
*3
手足となって仕えながら
Yet always tell him no

いつもノーと言う

Tears of rage, tears of grief

怒りの涙、嘆きの涙
Why must I always be the thief?

なぜ私はいつも盗人にさせられるのか?
Come to me now, you know we’re so alone

いますぐ来れば、私たちがどんなに孤独かがわかる
And life is brief

そして人生は短い

2)
It was all so very painless
まったく苦痛はなかった
When you ran out to receive

君が授かろうと駆けだして行った時
All that false instruction

それはすべて間違った教えで
Which we never could believe

私たちは決して信じなかった
And now the heart is filled with gold

そして今、心は黄金で満たされている
As if it was a purse

まるで財布のように
But, oh, what kind of love is this

しかし、ああ、この愛は何なのだ
Which goes from bad to worse?
*4
悪い方へと向かっている

Tears of rage, tears of grief

怒りの涙、嘆きの涙
Why must I always be the thief?

なぜ私はいつも盗人にさせられるのか?
Come to me now, you know we’re so alone

いますぐ来れば、私たちがどんなに孤独かがわかる
And life is brief

そして人生は短い

3)
We pointed you the way to go
私たちは君に行くべき道を示した
And scratched your name in sand

そして砂に君の名前を刻んだ
Though you just thought it was nothing more

だが君が思ったのは
Than a place for you to stand

立つための場所でしかないと
I want you to know that while we watched

君にわかってほしいことは、私たちが見守ってた中
You discovered no one would be true

君は誰も誠実ではないことを悟った
That I myself was among the ones who thought
*5
私自身、誰もが考えるように思った
It was just a childish thing to do

それはまったく子供じみた行為だと

Tears of rage, tears of grief
怒りの涙、嘆きの涙
Why must I always be the thief?

なぜ私はいつも盗人にさせられるのか?
Come to me now, you know we’re so alone

いますぐ来れば、私たちがどんなに孤独かがわかる
And life is brief

そして人生は短い

キーワード

  1. throw aside:「~を放棄する」「~を見捨てる」
  2. put away:「~を遠ざける」「~をしまう」
  3. wait upon: 「傅く(かしず)」「侍る(はべ)」から「仕(つか)える」としました。
  4. from bad to worse:「(ますます)悪化して」「(ますます)悪い方へ悪化して」
  5. That I myself was among the ones who thought:直訳では「私自身は、(~と)考える人の中にいる」から、「私自身は誰もが考えるように思った」としました。
スポンサーリンク

アーティストの紹介「The Band ザ・バンド」

インフォメーション

  • 名前:The Band(ザ・バンド)
  • オリジナル・メンバー
    • ロビー・ロバートソン(Gt.)
    • リチャード・マニュエル(KB.)
    • ガース・ハドソン(KB.&アコーディオン&SAX),
    • リック・ダンコ(Bass)
    • リヴォン・ヘルム(Dr.&Vo.)
    • ※アメリカ出身はリヴォン・ヘルムのみで、他の4人はカナダ出身
  • 活動期間:1967-1976年(メンバーチェンジにて1983-1999年)
  • 結成地:アメリカ
  • サマリー:ザ・バンドは、カナダでロニー・ホーキンス(アメリカのロックンローラー)のバックバンド(ザ・ホークス)として結成され、1960年代から1970年代にかけてアメリカで活躍したロックバンドで、ボブ・ディランのバックバンドとしての活動を経て、独自の音楽スタイルを確立した。

アーティストの軌跡

「ザ・バンド」はアメリカのロックンローラー、ロニー・ホーキンスのバックバンド(ホークス)として活動していましたが、その後ボブ・ディランのマネージャー(アルバート・グロスマン)の目に留まり、ボブ・ディランのバックバンドとして活動を始めました。

この時期、ディランはフォーク路線からエレキギターを使用してフォークロックへ転換しており、コンサートツアーの行く先々で、従来のフォークファンから大ブーイングを受けました。

これは、「ロイヤル・アルバート・ホール」での「ライク・ア・ローリングストーン」の動画で様子が伺えますが、この演奏が逆に彼らの知名度を高めました。

その後彼らは、ディランの交通事故のアクシデントもあり、ディランの誘いでウッド・ストックに「ビッグ・ピンク」と名づけられた家に住みつきました。

そこで行われたディランとのセッションは、ロック史上初の海賊盤「Great White Wonder」として流出し、1975年に「地下室(ザ・ベースメント・テープス)」としてリリースされました。

1968年に「ザ・バンド」と改名し、「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」をリリースし、バンドデビューを果たしました。

音楽性はロックにアメリカのルーツ音楽のカントリーやR&Bの要素を取り入れ、高い評価を受け、また当時より多くのミュージシャンからも尊敬を集めました。

特にエリック・クラプトンは、この「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」に衝撃を受け、クリームを去った原因にもなったとも言われています。

1989年にカナダのCanadian Music Hall of Fame殿堂入り、1994年にロックの殿堂入りしています。
そして、ローリング・ストーン誌選定の「歴史上最も偉大な100組のグループ」において、第50位にクレジットされました。

ディスコグラフィー

  • オリジナル・アルバム
    • 1968年 ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク Music From Big Pink (ゴールドディスク)
    • 1969年 ザ・バンド The Band (プラチナディスク)
    • 1970年 ステージ・フライト Stage Fright (ゴールドディスク)
    • 1971年 カフーツ Cahoots
    • 1972年 ロック・オブ・エイジズ Rock Of Ages (ゴールドディスク)
    • 1973年 ムーンドッグ・マチネー Moondog Matinee
    • 1975年 南十字星 Northern Lights – Southern Cross
    • 1977年 アイランド Islands
    • 1978年 ラスト・ワルツ The Last Waltz
    • 再結成後
    • 1993年 ジェリコ Jericho
    • 1996年 ハイ・オン・ザ・ホッグ High On The Hog
    • 1998年 Jubilation(※日本未発売)
  • 編集盤、ベスト・アルバム
    • 1976年 軌跡 The Best Of The Band (ゴールドディスク)
    • 1978年 アンソロジー Anthology
    • 1989年 トゥ・キングダム・カム To Kingdom Come
    • 1995年 ライヴ・アット・ワトキンス・グレン Live at Watkins Glen
    • 1999年 ※日本未発売 The Best of The Band, Vol. II
    • 2000年 グレイテスト・ヒット Greatest Hits
  • ボックス・セット
    • 1994年 グレイト・ディバイド・ボックス Across The Great Divide
    • 2002年 ラスト・ワルツ完全版 The Last Waltz
    • 2005年 ザ・バンド・ボックス ミュージカル・ヒストリー A Musical History
  • ボブ・ディランと共演
    • ブロンド・オン・ブロンド – Blonde On Blonde(1966年)
    • セルフ・ポートレイト – Self Portlate(1970年)
    • ウディ・ガスリー・メモリアル・コンサート – A Tribute To Woody Guthrie, Part 1(1972年)
    • プラネット・ウェイヴズ – Planet Waves(1974年)
    • 偉大なる復活 – Before the Flood(1974年)(プラチナディスク)
    • 地下室(ザ・ベースメント・テープス) – The Basement Tapes(1975年)(ゴールドディスク)
    • ロイヤル・アルバート・ホール(ブートレッグ・シリーズ第4集) – The Bootleg Series Vol. 4: Bob Dylan Live 1966, The “Royal Albert Hall” Concert(1998年、リヴォン・ヘルムを除く)

      *引用元:ザ・バンド-Wikipedia

アルバム

1968年 ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク / Music from Big Pink

1969年 ザ・バンド / The Band

1970年 ステージ・フライト / Stage Fright

1972年 ロック・オブ・エイジズ / Rock Of Ages

1975年 南十字星 / Northern Lights – Southern Cross

ライブ・アルバム

1974年 偉大なる復活 / Before the Flood

1978年 ラスト・ワルツ / The Last Waltz

ベスト・アルバム

2000年 The Band Greatest Hits

目次