曲の紹介(Sultans of swing 悲しきサルタン)
【曲名】Sultans of swing(悲しきサルタン)
【アーティスト】Dire Straits(ダイアー・ストレイツ)
【作詞・作曲】Mark Freuder Knopfler(マーク・ノップラー)
【概要】
1978年2月デビュー・シングルとして発表し、ダイアー・ストレイツのファースト・アルバム「Dire Straits(悲しきサルタン)」に収録された。1979年3月には全米チャート4位を記録し、大ヒットとなった。
【記事参照元】 Sultans of swing -Wikipedia
【歌詞引用元】 Sultans of swing-Genius
曲の解釈
作曲はグループのリーダーのマーク・ノップラー(Vo.&Gt.)です。
彼がイギリス南部に位置するデプトフォードの閑散としたパブで、ディキシーランドジャズを演奏していたバンドを観て、インスピレーションを受けたとのことです。
演奏が終盤になり、メインボーカルが「サルタンズ・オブ・スイング」とバンド名を告げました。
彼らの身なりはみすぼらしく、「サルタン(皇帝や君主に使われる呼称)」というバンド名は、とうてい彼らにはふさわしくないところに、とても興味を持ったとのことです。
曲の歌詞は、マーク・ノップラーが初めて彼らの演奏を聴いたときの感動⁈を、詳細にそしてレスペクトを持って描いています。
歌詞も訳してその内容に驚きましたが、曲もスイングしていてとても素晴らしい名曲だと思います。
歌詞の和訳(Sultans of swing 悲しきサルタン)
(原詞:太文字)
Sultans of swing
You get a shiver in the dark
震えてる、暗がりの中
It’s raining in the park, but meantime
雨の公園で、しかし間もなく
South of the river, you stop, and you hold everything
川の南側で立ち止まり、そして固るんだ
A band is blowing Dixie, double-four time
バンドがディキシーを奏でている、4/4拍子で *1
You feel alright when you hear the music ring
最高な気分になれる、その音楽のリングを聴くと
2)
Well, now you step inside
さっそく足を踏み入れるが、
But you don’t see too many faces
多くの面々は見えない
Coming in out of the rain to hear the Jazz go down
雨の中、ジャズを聴きにやって来るような
Competition in other places *2
演奏はされている、他の場所でも
Ah, but the horns, they blowing that sound
ああ、だけどホルンが、あのサウンドを奏でる
Way on down south *3
南へ向かわせるように
Way on down south, London town
南へ向かわせるように、ロンドン街の
3)
Check out guitar George
ギターのジョージはと言うと
He knows all the chords
ものにしてる、コード全て
Mind, it’s strictly rhythm *4
気にしてるのは、正確なリズム
He doesn’t want to make it cry or sing
彼は好まない、ギターを泣かせたり、歌わせたりすることを
Left-handed old guitar is all he can afford
左用の古いギターがあれば、彼は余裕さ
When he gets up under the lights to play his thing *5
思い切って、ライトの下で弾く時には
4)
And Harry doesn’t mind if he doesn’t make the scene *6
そしてハリーは気にしない、売れなくても
He’s got a daytime job, he’s doing alright
彼は昼間の仕事を持って、上手くやってる
He can play the Honky Tonk like anything *7
彼はホンキー・トンクをプレイできる、激しく
Saving it up for Friday night
でもセーブしてるんだ、金曜の晩に向けて
With the Sultans *8
サルタンズで演る、
With the Sultans of Swing
サルタンズ・オブ・スウィングで演る
Yeah
そうさ
5)
And a crowd of young boys
そして集まった若者たちは
They’re fooling around in the corner
ふざけ合ってる、すぐ近くで
Drunk and dressed in their best brown baggies
酔っ払って、身なりは一張羅の茶色のバギーパンツに
And their platform soles
厚い靴底
They don’t give a damn
彼らには、関心がなかった
About any trumpet playing band
バンド演奏のトランペットに
It ain’t what they call Rock and Roll
それは、彼らが呼ぶロックン・ロールじゃない
And the Sultans
それはサルタンズ
Yeah, the Sultans, they play Creole *9
そう、サルタンズさ、彼らはクレオールを演ってるのさ
Creole
クレオールを
6)
And then the man, he steps right up to the microphone
そして男が、マイクに向かって呼びかけ、
And says at last, just as the time bell rings
そしてこう言う、そろそろ時の鐘が鳴る頃だ
“Goodnight, now it’s time to go home”
「おやすみ、さあ帰る時間だ」
Then he makes it fast with one more thing
それから、さっと付け足した
“We are the Sultans—
「我々は、サルタンズ、
We are the Sultans of Swing”
我々はサルタンズ・オブ・スウィング」と
キーワード
*1. Dixie: ディキシーはアメリカの南部の呼び名で、ディキシーランドとも呼ばれます。ディキシーランドジャズをはじめ、南部色のある音楽の発祥地です。
*2. Competition in other places: ここで言う「競演」は、他の多くのバンドがしのぎを削って、「別の場所」でも演奏している意味で訳しました。
*3. south: 南とは、このバンドが演奏しているパブがあるロンドンの南部を言っていると思われます。
*4. Mind: 動詞の「気にする」の意味で訳しました。
*5. he gets up under the lights to play his thing: “get up to~「思い切って(勇気を奮い起こして)~する」から、「思い切って、ライトの中で弾く時に」としました。
*6. make the scene:(米俗)「人気を得る、成功する」の意味で、「売れる」にしました。
*7. Honky Tonk:(米俗)19世紀終わり年代の南部の安酒場を表す名称で、そこで演奏された調子はずれのピアノで、りずむを強調した南部の音楽を指しています。like anything:「激しく、猛烈に」
*8. Sultans:「サルタン/スルタン」オスマン・トルコ皇帝、またはイスラム教国の君主の名前
*9. Creole: おそらく、下記の意味を含めて「クレオール」と表現しているのではと思います。
・ヨーロッパからの移民の子孫で中南米、ラテンアメリカで生まれた人で、話されるクレオール語は混成された言語と言われています。
・アメリカ南部のニューオリンズのアメリカ料理
アーティストの紹介(Dire Straits ダイアー・ストレイツ)
【名 前】Dire Straits(ダイアー・ストレイツ)
【結 成】1977年
【結成地】イギリス、ロンドン
【概 要】Dire Straitsは1977年にロンドンで結成され、1977年から1988年、そして1990年から1995年まで活動した。
メンバーはMark Knopfler(リードボーカル兼リードギター)、David Knopfler(リズムギター兼バッキングボーカル)、John Illsley(ベースギター兼バッキングボーカル)、Pick Withers(ドラム兼パーカッション)。メンバーの変更がいくつか行われたが、Mark KnopflerとIllsleyは解散までの唯一のメンバーだった。
彼らのデビューアルバム『Dire Straits』(1978)からの最初のシングル「Sultans of Swing」は、UKとUSのチャートでトップ10入りした。
そして「Romeo and Juliet」(1981)、「Private Investigations」(1982)、「Twisting by the Pool」(1983)、「Money for Nothing」(1985)、「Walk of Life」(1985)などのシングルがヒットした。
彼らの最も商業的に成功したアルバムである「Brothers in Arms」(1985)は、世界で3000万枚以上を売り上げ、これはLPではなくCDで100万枚以上を売り上げた最初のアルバムとなった。
Dire Straitsのサウンドは、カントリー、フォーク、ブルースロック、ジャズなど、さまざまな影響を受けていた。
彼らは1995年に解散し、その後Knopflerはソロキャリアに専念した。
Dire Straitsは4つのグラミー賞をはじめ、さまざまな他の賞を受賞し、イギリスの音楽雑誌「Classic Rock」は、Dire Straitsを「80年代の最大のイギリスのロックバンド」と呼んだ。
2018年に「ロックの殿堂入り」を果たした。
アルバムの紹介
1978年 Dire Dtraits / 悲しきサルタン
1979年 Communique / コミュニケ
1980年 Making Movies / メイキング・ムーヴィーズ
1982年 Love Over Gold / ラヴ・オーヴァー・ゴールド
1985年 Brothers in Arms / ブラザーズ・イン・アームス
1988年 Money for Nothing / マネー・フォー・ナッシング
1991年 On Every Street / オン・エヴリー・ストリート
1998年 Sultans of Swing:The Very Best of Dire Straits
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