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Tangled Up in Blue ブルーにこんがらがって / Bob Dylan ボブ・ディラン

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目次

曲の紹介

【曲名】Tangled Up in Blue ブルーにこんがらがって
【アーティスト】Bob Dylan(ボブ・ディラン)
【作詞・作曲】Bob Dylan(ボブ・ディラン)
【概要】ボブ・ディランが1975年にリリースした15枚目のスタジオアルバム「 Blood on the Tracks(血の轍/ちのわだち) 」に収録され、シングルがリリースされビルボードで31位を記録した。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)では68位にランキングされている。

【記事参照元】Tangled Up in Blue -Wikipedia
【歌詞引用元】Bob Dylan–Tangled Up in Blue Lyrics-Genius

曲の解釈

この曲は、その複雑な歌詞といろいろな解釈がされていて、多くのファンや音楽関係者から高く評価されています。

ある評論家は、この曲は恋愛とキャリアの物語として描写し、時間の経過とともに関係がどのように変容していくかを描いていると述べています。

また、彼のライブで歌詞も変わっていきました。
1978年のツアーでは「彼女は詩集を開いた」というセリフが「彼女は聖書を開き、私にそれを引用し始めた」と変更され、ディランのキリスト教改宗の兆候となったとのことです。

歌詞の内容は、主人公がずっと忘れられない女性がいて、彼女のことを思い出すと切なく、憂鬱になって頭がこんがらかってしまいながら、彼女との過去の思い出を綴っていきます。

最後には、「彼女とは、気持ちは通じてたけど、物事の視点がずれてただけ(だからやり直せる)」と言っている気がします。

何か、私も含めてブラザーたちが経験してきた「あるある」だなと思いました。
しかし、ボブ・ディランの迫力のある大作だと思います。

KT Tunstall(KTタンストール)のカバーがすごくいいです。ある意味、ジミヘンの「All Along the Watchtower」と同じインパクトがあるように思います。

以下の動画をアップしています。
・1975年アルバム 「Blood on the Tracks(血の轍)」バージョン
・1975年ライブアルバム「The Rolling Thunder Revue: The 1975 Live Recordings」バージョン
・2005年KT Tunstall(Live at The Barbican for BBC4 2005)

Bob Dylan - Tangled Up In Blue (Official HD Video)
KT Tunstall - Tangled Up In Blue - Talking Bob Dylan Blues
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歌詞の和訳

(原詞:太文字)

Tangled Up in Blue

Early one morning the sun was shining
ある早い朝、太陽が輝いてた
I was laying in bed
俺はベッドで横になっていた
Wondering if she’d changed at all
思いを巡らしながら、彼女がまったく変わっていて、
If her hair was still red
髪がまだ赤かったらなどと
Her folks they said our lives together
彼女の家族は言った、俺たちが一緒に住むのは
Sure was going to be rough
きっと大変なことになると
They never did like Mama’s homemade dress
彼らは決して好まない、おふくろ手製のドレスなど
Papa’s bankbook wasn’t big enough
親父の通帳はたいしたことはなかった
And I was standing on the side of the road
そして俺は道の端で立ち尽くしていた
Rain falling on my shoes
雨が靴に降り注いだ
Heading out for the East Coast
東海岸へと向かい始めた
Lord knows I’ve paid some dues *1
誰も知らない、俺が苦労して経験を積んできたとは
Getting through *2
乗り越えながら
Tangled up in blue *3
憂鬱に絡み合ってる

2)
She was married when we first met
最初に逢ったとき、彼女は結婚してたが
Soon to be divorced
すぐに離婚した
I helped her out of a jam, I guess *4
俺は彼女を混乱の中から助けたんだと思う
But I used a little too much force
だけど、少し強引すぎた
We drove that car as far as we could
俺たちはあの車をできる限り遠くまで走らせ
Abandoned it out west
西の果てで乗り捨てた
Split up on a dark sad night
暗く哀しい夜に二人別れた
Both agreeing it was best

それがベストだと二人は思った
She turned around to look at me
彼女は振り返り俺を見た
As I was walking away
俺が歩いて行きかけた時
I heard her say over my shoulder
俺の肩越しに彼女の言葉を聞いた
“We’ll meet again someday
「私たちまたいつか逢える、
On the avenue” *5
街の通りでね」
Tangled up in blue
憂鬱に絡み合ってる

3)
I had a job in the great north woods *6
俺はグレートノース森林地帯で働いた
Working as a cook for a spell
コックとしてしばらくの間 *7
But I never did like it all that much *8
だけどまったく好きになれなかった
And one day the ax just fell *9
そしてある日、降ってわいたようにクビになった
So I drifted down to New Orleans
それでニューオーリンズへ下って行った
Where I lucky was to be employed
そこで幸運なことに雇われた
Working for a while on a fishing boat
しばらく漁船に乗って働いていた
Right outside of Delacroix *10
ドラクロアのはずれで
But all the while I was alone
だけどその間はずっと一人だった
The past was close behind
過去はすぐ後ろに近づいてた
I seen a lot of women
たくさんの女性を見てきたが
But she never escaped my mind
彼女は俺の心から離れなかった
And I just grew
俺はただただ膨らませた
Tangled up in blue
憂鬱に絡み合ってる

4)
She was working in a topless place
彼女はトップレスの店で働いていた
And I stopped in for a beer
俺はビールを飲みに立ち寄った
I just kept looking at the side of her face
俺は彼女の横顔を見続けた
In the spotlight, so clear
スポットライトの中で、輝いてた
And later on, when the crowd thinned out
しばらくして、観客が引いていき、
I was just about to do the same
俺もまさにそうしようとした
She was standing there, in back of my chair
彼女は俺の椅子の後ろに立っていて
Said, “Tell me, don’t I know your name?” *11
こう言った「教えて、あなた知ってる人よね?」
I muttered something underneath my breath
俺は小声で何かつぶやいた
She studied the lines on my face
彼女は俺の顔のしわを調べ出した
I must admit, I felt a little uneasy
正直、俺は不安になった
When she bent down to tie the laces
彼女が腰をかがめ靴ひもを結ぼうとした時
Of my shoe
俺の靴の
Tangled up in blue
憂鬱に絡み合ってる

5)
She lit a burner on the stove
彼女はストーブのバーナーに点火し
And offered me a pipe
俺にパイプをくれた
“I thought you’d never say hello,” she said
「挨拶もしないのかと思ったわ」と彼女は言った
“You look like the silent type”
「ほんと無口なタイプに見える」
Then she opened up a book of poems
それから彼女は詩集を開き、
And handed it to me
俺に手渡した
Written by an Italian poet
イタリアの詩人によって書かれた
From the thirteenth century
13世紀に
And every one of them words rang true
それらの言葉すべてが真実を鳴り響かせ
And glowed like burning coal
そして燃え盛る石炭のように輝いた
Pouring off of every page
すべてのページから溢れだして
Like it was written in my soul
まるでそれは俺の魂に書かれたように
From me to you
俺から君へと
Tangled up in blue
憂鬱に絡み合ってる

6)
I lived with them on Montague Street *12
俺は彼らとモンタギュー・ストリートで暮らした
In a basement down the stairs
階段を下りた地下室で
There was music in the cafes at night
夜のカフェには音楽が流れ
And revolution in the air
そして革命の空気が漂っていた
Then he started into dealing with slaves
それから彼は奴隷売買を始めた
And something inside of him died
そして彼の中の何かが死んだ
She had to sell everything she owned
彼女はすべてを売らなければならなくなり
And froze up inside
内なる心が固まった
And when it finally, the bottom fell out
そしてついには、底が抜け落ちた
I became withdrawn
俺は内にこもった
The only thing I knew how to do
どうするか唯一分かってたことは
Was to keep on keeping on
そのまま続けることだった
Like a bird that flew
飛んでる鳥のように
Tangled up in blue
憂鬱に絡み合ってる

7)
So now I’m going back again
だから今、俺は再び戻る
I got to get to her somehow
何とかして彼女のもとへ
All the people we used to know
俺たちが知り合った人すべて
They’re an illusion to me now
俺にとって今は幻
Some are mathematicians
ある人たちは数学者だったり
Some are carpenter’s wives
ある人たちは大工のおかみさんたち
Don’t know how it all got started *13
どうしてみんなそうなったかは分からないし
I don’t know what they’re doing with their lives *14
彼らが命懸けでしてることなんて知らない
But me, I’m still on the road
でも俺は、まだ道の途中にいる
A-heading for another joint
別の場所へ向かってる
We always did feel the same
俺たちはいつも同じ気持ちだった
We just saw it from a different point
ただ違うところから見てただけなのさ
Of view
風景の
Tangled up in blue
憂鬱に絡み合ってる

キーワード

*1. Lord knows I’ve paid some dues
“Load knows”「神のみぞ知る」から「誰も知らない」としました。
“paid some dues”「下済みの経験をする」から「苦労して経験を積んだ」としました。

*2. Getting through:「~を通過する」「~を通って(目的地へ)到達する」から「乗り越える」としました。

*3. Tangled up in blue
“Tangled up”:「複雑に絡み合って」「もつれて」から「絡み合ってる」としました。
“in blue”:「青色」ではなく、「憂鬱」としました。

*4. jam:「込み合う」「ひしめき合う」「混沌とした」から「混乱」としました。

*5. avenue:「並木道」を連想して「街の通り」としました。

*6. the great north woods:「グレートノース森林地帯」は、アメリカ合衆国ニューハンプシャー州にある森林地帯

*7. for a spell:「一しきり」「しばらく」

*8. never did:「決して~しなかった」

*9. ax:「斧」「首切り」「解雇」

*10.Delacroix:「ドラクロア」はもともと、フランスロマン主義の画家の名前ですが、ここではルイジアナ州セント・バーナード郡にあるアイルーニョ族の漁業コミュニティを指していると思われます。(引用元:Delacroix, Louisiana-Wikipedia)

*11. don’t I know your name?:”don’t I know you?”は慣用句で「お会いしたことがありますか?」から「知ってる人よね?」としました。

*12. Montague Street:「モンタギュー・ストリート」はニューヨークにあるメイン・ストリート

*13. how it all got started:「どのようにそれはすべて始まったのか」の”it”(それ)は「彼らがその職業についたいきさつ」と解して、「どうしてみんなそうなったか」としました。

*14. with their lives:”with one’s life”は「命がけで」「身を挺して」

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アーティストの紹介

【名 前】Bob Dylan(ボブ・ディラン)
*出生名:ロバート・アレン・ジマーマン(Robert Allen Zimmerman)
【生誕】1941/5/24-
【出身地】アメリカ ミネソタ州ヒビング(生誕はミネソタ州ダルース)
【概要】
ミネソタ大学を中退後、ミネアポリスでフォークシンガーとして活動を始める。
このころから「ボブ・ディラン」と名乗るようになりました

その後、ニューヨークにてアルバム「ボブ・ディラン」でデビューしました。

1963年に2枚目のアルバム「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」をリリースし、「風に吹かれて」をPPMがカバーして大ヒットし、有名となりました。

彼の代表曲の「風に吹かれて」や「The Times They Are a-Changin’」などは、当時のアメリカの差別社会に対する公民権運動や反戦運動のアンセムともなりました。

フォーク界の貴公子とも呼ばれ世界中に名前が広がって行ったが、1965年リリースされた「ライク・ア・ローリング・ストーン」では、エレキギターを持ち、バックにThe Bandを従えてロックの演奏に切り替え、フォークからフォークロックへ演奏形態を変えました。

(1966年ロイヤル・アルバートホールでのライブで、観客から「ユダ(裏切者)」と言われ、それに対して音量を上げて演奏したエピソードがライブ動画に残っています。)

その後、多くの賞(2012年大統領自由勲章、グラミー賞10回以上、アカデミー賞等)を受賞し、2016年「偉大なアメリカ音楽の歴史上で、新しい詩的表現を生んだ」としてノーベル文学賞を受賞しています。
彼は賞や名誉に興味がないのか、あるいは自分の音楽が文学として認められたことに対する抵抗があったのかもしれませんが、当初受賞に無反応で授賞式も欠席しています。

いろいろ批判もあるようですが、とてもボブ・ディランらしいなと個人的には思います。

アルバムの紹介

アルバム

1963年 フリーホイーリン・ボブ・ディラン / The Freewheelin’ Bob Dylan

1964年 時代は変わる / The Time They Are a-Changin

1965年 追憶のハイウェイ61 / Highway 61 Revisited

1965年 ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム / Bringing It All Back Hom

1966年 ブロンド・オン・ブロンド / Blond on Blonde

1975年 血の轍 / Blood on the Tracks

1976年 欲望 / Desire

ライブ・アルバム

1974年 偉大なる復活 / Before the Flood

ベスト・アルバム

1967年 ボブ・ディランのグレーテスト・ヒット / Bob Dylan’s Greatest Hits

1971年 グレーテスト・ヒット第2集 / Bob Dylan’s Greatest Hits Vol. II

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