曲の紹介(Got My Mojo Working ガット・マイ・モジョ・ワーキング)
【曲 名】Got My Mojo Working ガット・マイ・モジョ・ワーキング
【アーティスト】Ann Cole アン・コール / Muddy Waters マディ・ウォーターズ
【作詞・作曲】Preston (Red) Foster(プレストン・フォスター)
【概 要】
1956年にアメリカのR&Bシンガーのアン・コールがレコーディングし、1957年にシングルをリリースした。
その後、1957年にアメリカのブルースシンガーのマディ・ウォーターズが少し歌詞とアレンジを変更してチェス・レコードよりリリースし、大ヒットとなった。
ポール・バターフィールドやジョニー・ウインターなど多くのアーティストがカバーしている。
【記事参照元】: Got My Mojo Working-Wikipedia
【原詞引用元】:Muddy Waters-Got My Mojo Working Lyrics-Genius
曲の解釈
この曲は、アメリカのアフリカ系アメリカ人のミュージシャンのプレストン “レッド “フォスターによって書かれました。
当初はマディのオープニング・アクトをツアーでしていたアン・コールがリリースをしたが、のちにマディが歌詞とアレンジを変えリリースをして大ヒットとなりました。
アンがマディのツアーでリリース前に演奏したこともあり著作権問題も起こりましたが、現在では正式に作者はプレストン(レッド)フォスターがクレジットされています。
曲の内容は、世の中の女が自分に惚れる魔法・呪術をルイジアナまで行き手に入れた主人公。
魔法が効いてきて、もて始めましたが、なぜか本命の彼女には効かない?
という、よこしまでふらちな考え(世の男性も持ってる?)を持つ主人公を滑稽に描いています。
ブルースはアフリカ系のアメリカ人が、奴隷時代からの過酷な労働や、差別社会の中で生まれ、「ブルー」という言葉から連想されるように、「憂鬱、悲しみや哀しみ」を表現する曲が多いです。
しかしこの曲は、単純な主人公がもてたい一心で遠くまで魔法を手に入れに行き、あげくの果てに本命には効かなかったという「ほんとうに男はばかだな?!」と思わせる、どこか憎めなく笑えます。
また、曲調もコーラスがとても盛り上がり、聞く人に元気をくれる名曲だと思います。
当時のマディ・ウォーターは、チェス・レコードの創業者レナード・チェスを題材にした「キャディラック・レコード~音楽でアメリカを変えた人々の物語(Cadillac Records)」で、描かれています。
ブルースが、黒人差別が根深いアメリカ社会で市民権を得ていく様子が垣間見れる、とてもいい映画だと思います。
動画は以下をアップしています。
・1973年 マディ・ウォーターズ TV番組(ミッド・スペシャル)ライブ
・2010年リリース Ann Cole ベストアルバム「The Very Best Of」バージョン
・1965年リリースアルバム「The Paul Butterfield Blues Band」バージョン
歌詞の和訳(Got My Mojo Working ガット・マイ・モジョ・ワーキング)
(原詞:太文字)
Got My Mojo Working
Got my mojo working but it just won’t work on you *1
モジョは効いてきたが、お前にはまったく効かない
Got my mojo working but it just won’t work on you
モジョは効いてきたが、お前にはまったく効かない
I want to love you so bad, I don’t know what to do *2
お前が愛おしくて仕方ない、もうどうしていいかわからない
2)
Going down to Louisiana to get me a mojo hand
ルイジアナへ行ってモジョを手に入れるんだ
Going down to Louisiana to get me a mojo hand
ルイジアナへ行ってモジョを手に入れるんだ
I’m going to have all you women, getcha under my command *3
女たちをみんな手に入れ、俺のものにするのさ
Got my mojo working
俺のモジョが効いてきた
Got my mojo working
俺のモジョが効いてきた
Got my mojo working
俺のモジョが効いてきた
Got my mojo working
俺のモジョが効いてきた
Got my mojo working but it just won’t work on you
モジョは効いてきたが、お前にはまったく効かない
3)
I got a gypsy woman giving me advice
ジプシー女と出会い、助言をもらった
I got a gypsy woman giving me advice
ジプシー女と出会い、助言をもらった
I got a whole lot of tricks keeping here on ice
俺はたくさんの術を氷で冷やして持ってきた
Got my mojo working
俺のモジョが効いてきた
Got my mojo working
俺のモジョが効いてきた
Got my mojo working
俺のモジョが効いてきた
Got my mojo working
俺のモジョが効いてきた
Got my mojo working but it just won’t work on you
モジョは効いてきたが、お前にはまったく効かない
Repeat)
キーワード
*1 mojo:ブードゥー教の金運や女性運を上げる魔術・呪術(スラングで麻薬・ドラッグの虜になる意味でも使われる)
*2 so bad:「(~したくて)仕方がない、たまらない」
*3 getcha:”I got it”,”I got you”の略で、”getting you (woman) under my command.”の意味で「俺のものにするのさ」としました。
アーティストの紹介(Muddy Waters マディ・ウォーターズ)
【名 前】Muddy Waters マディ・ウォーターズ
【生誕・死没】1913年4月4日 – 1983年4月30日
【出身地】米国ミシシッピ州クラークスデイル
【概 要】マディ・ウォーターズはアメリカのブルース・シンガー、ギタリストでエレキギターを使用し、「現代シカゴ・ブルースの父」と称されている。
彼はミシシッピ州クラークスデイル近郊の農場で育ち、17歳の頃にはギターとハーモニカを演奏し始め、地元デルタ・ブルースの先駆者ソン・ハウスやロバート・ジョンソンを模倣していた。
彼のキャリアは、1941年に「アメリカ議会図書館」に向けたレコーディングがミシシッピでされ始まった。
1943年、シカゴに移住し、プロのミュージシャンとしてのキャリアを確立した。
1946年にコロンビア・レコード、続いてリーナードとフィル・チェス兄弟が運営する新興レーベルのアリストクラット・レコード(後にチェス・レコードと改名)と契約しました。
1950年代初頭、マディ・ウォーターズと彼のバンドは、リトル・ウォルター・ジェイコブス(ハーモニカ)、ジミー・ロジャース(ギター)、エルガ・エドモンズ(ドラム)、オーティス・スパン(ピアノ)とともに数々のブルースの名曲を録音した。
その中にはウィリー・ディクソンがベーシストおよび作曲家として参加した「フーチー・クーチー・マン」「I Just Want to Make Love to You (恋をしようよ)」「I’m Ready」などがある。
1958年にはイギリスへ旅行し、そこでブルースへの興味の再燃の礎を築いた。
1960年のニューポート・ジャズ・フェスティバルでのパフォーマンスは、彼の最初のライブ・アルバム『At Newport 1960』としてリリースされ、高い評価がされている。
1970年代に入ると、マディ・ウォーターズはジョニー・ウィンターやブルース・ミュージシャンたちとの共演を通じて新たな成功を収めた。
1977年のアルバム「Hard Again」と1978年のアルバム「I’m Ready」は、彼の復活とも言える演奏と称賛を得た。
特に「Hard Again」は、グラミー賞を受賞するなど高く評価された。
マディ・ウォーターズの音楽は、ロックンロールを含むさまざまなアメリカン・ミュージック・ジャンルに影響を与えた。
残念ながら、1983年に心不全のためイリノイ州ウェストモントで亡くなり、シカゴ近郊のレストベール墓地に埋葬された。
彼の力強い演奏と深い歌声はブルースのレジェンドとして、世界中のオーディエンスに愛され続けている。
アルバムの紹介
1960年 At Newport 1960
1964年 Folk Singer
1975年 The Muddy Waters Woodstock Album
1977年 Hard Again
1978年 I’m Ready
1981年 King Bee
2018年 the best of MUDDY WATERS
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