MENU

Green, Green Grass of Home グリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム / Joan Baez ジョーン・バエズ

  • URLをコピーしました!
スポンサーリンク
目次

曲の紹介|Green, Green Grass of Home グリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム

David’s Album | amazon

インフォメーション

  • 曲名: Green, Green Grass of Home(グリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム)
  • アーティスト: Joan Baez(ジョーン・バエズ)
  • 作詞・作曲: Claude “Curly” Putman Jr.(クロード・”カーリー”・プットマン・ジュニア)
  • リリース: 1969年5月 10枚目のスタジオアルバム『David’s Album』に収録、リリース
  • サマリー:
    • このアルバムは、ビルボード・ポップ・アルバム・チャートで最高36位を記録した。
    • アルバムは、当時のバエズの夫であるデヴィッド・ハリスが、徴兵拒否により投獄される直前に、彼への贈り物として制作された。
    • バエズによるこのカバー・バージョンは、彼女のカントリー音楽への実験的なアプローチを示す作品として評価されている。
    • 「Green, Green Grass of Home」は、カントリー・ミュージックのスタンダード曲として、多くのアーティストにカバーされている名曲。
  • 記事参照元:
    • Green, Green Grass of Home – Wikipedia
    • David’s Album – Wikipedia
    • Joan Baez – Wikipedia
  • 原詞引用元:
    • Joan Baez – Green, Green Grass of Home Lyrics
    • Tom Jones – Green, Green Grass of Home Lyrics

曲について

「Green, Green Grass of Home」は、ソングライターのクロード・”カーリー”・プットマン・ジュニアによって書かれた楽曲です。

1965年にジョニー・ダレルによって初めて録音され、同年ポーター・ワゴナーのカバーによってカントリー・チャートで大ヒットしました。

その後、ジェリー・リー・ルイストム・ジョーンズエルビス・プレスリーなど、多くのアーティストによってカバーされ、特にトム・ジョーンズの1966年版は世界的な大ヒットとなり、イギリスで7週間にわたって首位を獲得しました。

ジョーン・バエズは、1969年のアルバム『David’s Album』でこの曲をカバーしました。

このアルバムは、ナッシュビルで録音され、カントリー・ミュージックの影響を色濃く反映した作品として知られています。

バエズがこのアルバムを制作した背景には、当時の夫デヴィッド・ハリスの存在がありました。

カントリー音楽のファンであったハリスは、徴兵拒否により投獄される直前で、バエズは彼への贈り物としてこのアルバムを録音しました。

アルバムのカバーには、バエズ自身が描いたハリスのスケッチが使われています。

Green, Green Grass of Home」の歌詞は、故郷に帰る男の物語を描いています。

列車から降りた主人公を、両親と恋人メアリーが出迎え、幼少期に遊んだ古いオークの樹の周りを歩き、「故郷の緑の芝生に触れることの喜び」を感じます。

しかし物語は突如として転換し、この美しい情景は実は夢であったことが明かされます。

主人公は実際には刑務所におり、その日は処刑の日でした。

看守と年老いた神父が夜明けに彼を処刑場へと導き、彼は最終的に「古いオークの樹の木陰、故郷の緑の芝生の下」に埋葬されることになります。

この衝撃的な結末は、ノスタルジアと喪失、そして人生の儚さを深く印象づけます。

バエズは、エンディングでオリジナルとは異なる歌詞に変えています。

オリジナル

Yes, they’ll all come to see me
そう、彼らはみんな俺に会いに来てくれる
In the shade of that old oak tree
古い樫の木の陰で
As they lay me neath the green, green grass of home
彼らは俺を故郷の青々とした草の下に眠らせる(埋葬する)から

バエズバージョン

Yes, they’ll all meet together
そう、みんなと共に会える
In the shade of that old oak tree

あの古い樫の木の陰で
As we neath indeed the green, green grass of home

みんなで青々した故郷の草の下で

バエズによる解釈は、この普遍的な物語に新たな深みと温かさを加えています。

バエズの風景が目に映るような抒情的で透明感のある歌声は、深い感動を与えてくれます。

数あるカバーの中で、バエズバージョンをご紹介しましたが、「Green, Green Grass of Home」は単なる郷愁の歌ではなく、生と死の本質や失うことの苦しみ悲しみ、そして故郷への永遠の憧憬を見事に描いた名曲です。

曲の動画

以下の動画をアップしています。

  • Joan Baez – Green, Green Grass Of Home (Official Audio)
  • Joan Baez | Green Green Grass Of Home | Smothers Brothers Comedy Hour
  • Green Green Grass Of Home
  • Elvis Presley – Green, Green Grass of Home
Joan Baez | Green Green Grass Of Home | Smothers Brothers Comedy Hour
Green Green Grass Of Home
Elvis Presley - Green, Green Grass of Home

歌詞の和訳|Green, Green Grass of Home グリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム

(原詞:太文字)

Green, Green Grass of Home

The old home town looks the same
古びた故郷の町は変わらぬようだ
As I step down from the train
列車から降りると
And there to meet me is my Mama and Papa
そこには迎えにきたママとパパ

Down the road I look and there runs Mary
道の先を見るとそこには走っているメアリー
Hair of gold and lips like cherries

金色の髪にサクランボのような唇
It’s good to touch the green, green grass of home
*1
青々した故郷の草に触れるのはいいものだ

2)
The old house is still standing
古い家はまだ立っている
Tho’ the paint is cracked and dry

ペンキはひび割れ乾いているけれど
And there’s that old oak tree that I used to play on

そしてそこにはよく遊んだ古い樫の木も

Down the lane I walk with my sweet Mary *2
小道を愛しいメアリーと歩く
Hair of gold and lips like cherries

金色の髪にサクランボのような唇
It’s good to touch the green, green grass of home

青々した故郷の草に触れるのはいいものだ

Yes, they’ll all come to meet me
そう、みんな会いに来てくれる
Arms reaching, smiling sweetly

腕を差し伸べ、優しく微笑みながら
It’s good to touch the green, green grass of home

青々した故郷の草に触れるのはいいものだ

3)
Then I awake and look around me
そこで目が覚め周りを見回す
At the four grey walls that surround me

取り囲まれた四方の灰色の壁を
And I realize that I was only dreaming

そしてただ夢を見ていただけだと気づく

For there’s a guard and there’s a sad old padre *3
そこには看守と悲しげな老神父がいて
Arm in arm we’ll walk at daybreak

夜明けに共に腕を組み歩くだろう
Again I touch the green, green grass of home

再び青々した故郷の草に触れる

Yes, they’ll all meet together
そう、みんなと共に会える
In the shade of that old oak tree

あの古い樫の木の陰で
As we neath indeed the green, green grass of home
*4
みんなで青々した故郷の草の下で

キーワード

  • *1. the green, green grass of home:直訳の「故郷の緑、緑の草」を、日本語的に「青々した故郷の草」としました。
  • *2. lane:「小道、路地」
  • *3. For there’s a guard and there’s a sad old padre
    • “for”は「~のわけは」とし、「そこに看守と悲しげな老神父がいるわけは」の意味で「そこには看守と悲しげな老神父がいて」としました。
  • *4. As we neath indeed the green, green grass of home
    • “as”「~の時に、~した時に」の意味で、「みんなで青々した故郷の草の下で(会える)」としました。

アーティストの紹介「Joan Baez ジョーン・バエズ」

Joan Baez – Wikipedia CC 表示-継承 2.0

インフォメーション

  • 名前: Joan Baez(ジョーン・バエズ)
  • 出生名: Joan Chandos Baez(ジョーン・チャンドス・バエズ)
  • 生誕: 1941年1月9日-
  • 出身地: アメリカ ニューヨーク州スタテンアイランド
  • サマリー:
    • ジョーン・バエズは、アメリカのフォークシンガー、ソングライター、ミュージシャンで活動家
    • 彼女の音楽は抗議や社会正義のテーマを含み、60年代のカウンターカルチャー運動の象徴的存在となった。
    • 2017年にロックの殿堂入りを果たし、2021年にはケネディ・センター名誉賞を受賞した。
    • 2019年に「Fare Thee Well Tour」で音楽活動から引退し、2025年現在は肖像画の制作に専念している。

アーティストの軌跡

ジョーン・バエズは、透明感のある美しい声と社会正義への揺るぎない信念で、フォークミュージックの世界を超えて世代を超えた影響力を持つアーティストとして知られています。

彼女の音楽と活動は、アメリカの文化的・政治的風景に深く刻まれています。

バエズはメキシコ出身の物理学者アルバート・バエズとスコットランド出身のジョーン・チャンドス・バエズの間に生まれました。

家族はクエーカー教徒に改宗し、この背景が彼女の平和主義と社会問題への取り組みに影響を与えました。若い頃から人種差別を経験したバエズは、早くから社会的な大義に関わるようになりました。

13歳の時、伯母に連れられてピート・シーガーのコンサートに行ったことがきっかけで音楽に目覚めました。高校卒業後、家族とボストンに移り住み、そこで彼女はケンブリッジのクラブ47などで演奏を始めました。

1959年のニューポート・フォーク・フェスティバルでのパフォーマンスが注目され、翌年にはヴァンガード・レコードと契約して「Joan Baez」というデビューアルバムをリリースしました。

1960年代前半には「Joan Baez, Vol. 2」や「Joan Baez in Concert」などのアルバムがゴールドディスクを獲得し、「フォークの女王」として名声を確立しました。

この頃、彼女はボブ・ディランと出会い、彼の曲を早くから取り上げたことでディランの知名度向上に貢献しました。

二人は1960年代に恋愛関係にあり、その関係はのちに彼女の代表曲「Diamonds & Rust」の題材となりました。
バエズは音楽活動と並行して公民権運動や反戦運動にも積極的に参加しました。

1963年のワシントン大行進では「We Shall Overcome」を歌い、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの「I Have a Dream」演説の直前に演奏しました。

ベトナム戦争中には徴兵拒否を支持し、所得税の一部支払いを拒否するなど、反戦の姿勢を明確に示しました。

1970年代には「Diamonds & Rust」を含むアルバムをリリースし、この曲は彼女の最も有名な自作曲となりました。

その後も「Gulf Winds」「Recently」など多くのアルバムを発表し続け、時代と共に自身の音楽性を発展させてきました。

2008年にはカントリーの要素を取り入れた「Day After Tomorrow」、2018年には引退前の最後のスタジオアルバム「Whistle Down the Wind」をリリースしました。

2019年には「Fare Thee Well Tour」と名付けられた最後のワールドツアーを行い、同年7月28日にスペイン・マドリードのTeatro Realで最終公演を行いました。

バエズは2017年に「ロックの殿堂」入りを果たし、2021年には「ケネディ・センター名誉賞」を受賞するなど、その功績は広く認められています。現在は音楽活動から引退し、肖像画の制作に専念しているといいます。

2023年には彼女の人生と音楽キャリアを振り返るドキュメンタリー映画「Joan Baez: I Am a Noise」が公開され、彼女の個人的な苦闘、政治的活動、そしてボブ・ディランとの関係などについて率直に語っています。

ジョーン・バエズは、単に優れたミュージシャンであるだけでなく、社会変革のための声として、60年以上にわたって人々の心に訴えかけてきました。彼女の音楽と活動は、時代を超えて世界中の人々に影響を与え続けています。

代表曲:
1963年 We Shall Overcome
1975年 Diamonds & Rust
1971年 The Night They Drove Old Dixie Down(カバー)

ディスコグラフィー

  • スタジオ・アルバム
  • 『ジョーン・バエズ』 – Joan Baez (1960年、Vanguard) ※旧邦題『ジョーン・バエズ・ファースト』
  • 『ジョーン・バエズ 第2集』 – Joan Baez, Vol. 2 (1961年、Vanguard)
  • 『5』 – Joan Baez/5 (1964年、Vanguard)
  • 『フェアウェル・アンジェリーナ』 – Farewell, Angelina (1965年、Vanguard)
  • 『ノエル』 – Noël (1966年、Vanguard)
  • 『ジョーン』 – Joan (1967年、Vanguard)
  • 『バプティズム – われらの時代の旅』 – Baptism: A Journey Through Our Time (1968年、Vanguard)
  • 『ボブ・ディランを歌う』 – Any Day Now (1968年、Vanguard)
  • 『獄中の夫に捧ぐ』 – David’s Album (1969年、Vanguard)
  • 『自由と平和と』 – One Day at a Time (1970年、Vanguard)
  • 『心、愛、祈り』 – Blessed Are… (1971年、Vanguard)
  • 『カム・フロム・ザ・シャドーズ – バングラデシュの歌』 – Come from the Shadows (1972年、A&M)
  • 『戦争が終ったとき』 – Where Are You Now, My Son? (1973年、A&M)
  • 『ここに人生が』 – Gracias a la Vida (1974年、A&M)
  • 『ダイアモンド・アンド・ラスト』 – Diamonds & Rust (1975年、A&M)
  • 『ガルフ・ウィンズ』 – Gulf Winds (1976年、A&M)
  • 『風まかせ』 – Blowin’ Away (1977年、CBS)
  • Honest Lullaby (1979年、CBS)
  • 『リーセントリー』 – Recently (1987年、Gold Castle)
  • 『スピーキング・オブ・ドリームス』 – Speaking of Dreams (1989年、Gold Castle)
  • 『プレイ・ミー・バックワーズ』 – Play Me Backwards (1992年、Virgin)
  • Gone from Danger (1997年、Guardian)
  • Dark Chords on a Big Guitar (2003年、Koch)
  • Day After Tomorrow (2008年、Proper)
  • Whistle Down the Wind (2018年、Proper)
  • ライブ・アルバム
  • 『イン・コンサート』 – Joan Baez in Concert (1962年、Vanguard)
  • 『イン・コンサート・パート2』 – Joan Baez in Concert, Part 2 (1963年、Vanguard)
  • Joan Baez in San Francisco (1964年、Fantasy)
  • 『ライヴ!!』 – Joan Baez In Italy (1969年、Vanguard)
  • 『ライヴ・イン・ジャパン』 – Live in Japan (1973年、Vanguard)
  • 『ジョーン・バエズ・イン・コンサート』 – From Every Stage (1976年、A&M)
  • European Tour (1980年、CBS)
  • Live Europe ’83 (1984年、Gamma)
  • Diamonds & Rust in the Bullring (1988年、Gold Castle)
  • Ring Them Bells (1995年、Guardian)
  • 『ライヴ・アット・ニューポート1963-1965』 – Live at Newport (1996年、Vanguard)
  • Bowery Songs (2005年、Proper)
  • Ring Them Bells (2007年、Proper)
  • Diamantes (2015年、Proper)
  • 75th Birthday Celebration (2016年、Razor & Tie)
  • Live At Woodstock (2019年、Craft Recordings)
  • サウンドトラック・アルバム
  • 『死刑台のメロディ』 – Sacco & Vanzetti (1971年、RCA Victor) ※映画『死刑台のメロディ』サウンドトラック
  • 『心の旅』 – Carry It On (1971年、Vanguard) ※映画『ジョーン・バエズ 心の旅』サウンドトラック
  • Silent Running (1972年、Decca) ※映画『サイレント・ランニング』サウンドトラック
  • How Sweet the Sound (2009年、Razor & Tie)
目次