曲の紹介|Fortunate Son フォーチュネイト・サン

インフォメーション
- 曲名:Fortunate Son フォーチュネイト・サン
- アーティスト:Creedence Clearwater Revival クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル
- 作詞・作曲:
- John Fogerty ジョン・フォガティ
- リリース:
- 1969年9月 シングルとしてリリース
- 1969年10月29日 アルバム『Willy and the Poor Boys』収録
- 全米Billboard Hot 100で最高3位(1969年)
- サマリー:
- クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの代表曲。1969年9月にシングル『ダウン・オン・ザ・コーナー』のB面として発売され、全米チャート最高3位を記録。
- 1970年12月にゴールドディスク認定。ピッチフォーク・メディアが選ぶ「1960年代の偉大な曲200」では第17位に選出された、時代を象徴する抗議のロック。
- 記事参照元:
- Creedence Clearwater Revival – Wikipedia
- Fortunate Son – Wikipedia
- 歌詞参照元:Creedence Clearwater Revival – Fortunate Son Lyrics – Genius
曲について
「Fortunate Son(フォーチュネイト・サン)」は、ジョン・フォガティが書き、CCRが1969年9月にシングルとしてリリース。翌月発売のアルバム『Willy and the Poor Boys』にも収録されました。
わずか2分少々の楽曲ですが、聴く者の胸に深く突き刺さるプロテストロックです。
楽曲のきっかけになった「豪華な結婚式」とテーマ
この曲の発火点は1968年12月にあります。ベトナムへ若者が次々と送り出されていた時期、次期大統領リチャード・ニクソンの娘ジュリーとアイゼンハワー元大統領の孫デイヴィッドの結婚式が華々しく報じられました。
フォガティはその光景を見て、「この人たちは絶対に戦場には行かない」と確信します。静かな怒りが、やがて曲へと結晶しました。
フォガティ本人によれば、この曲を書き上げるのにかかった時間はたった20分ほど。迷いのない言葉、迷いのないリフ。文句を言うためだけのロックンロール~その潔さが、逆に曲のコンセプトを強調しています。
歌が突きつけるのは「階級」と「徴兵」の問題です。上院議員の息子、金持ちの息子、軍の上層部の息子たち~そういう”幸運な息子(Fortunate Son)”たちは戦場を免れる。
一方、語り手のような普通の若者には逃げ道がない。怒りの矛先は兵士にではなく、不公平な仕組みと、それを維持する権力の側に向けられています。
“愛国歌”と誤解
ブルース・スプリングスティーンの「ボーン・イン・ザ・USA」と同様に、この楽曲も愛国歌と誤解されるケースがあります。
冒頭に出てくる「旗」「赤・白・青」といったフレーズだけを切り取り、愛国ソングとして使われた例が少なくありません。ジーンズの広告で冒頭2行だけを引用し、肝心の批判部分をごっそり落としたエピソードでフォガティが激怒したエピソードは有名です。
ベトナム戦争のアンチ・アンセム
この曲はベトナム戦争を描く映像作品で繰り返し使われ、映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』でも使用されました。畳みかけるテンポが映像との相性がよく、シーンが盛り上がるほど歌詞に込められた怒りがくっきり浮かび上がってきます。
曲の動画
以下の動画をアップしています。
- Creedence Clearwater Revival – Fortunate Son (Official Audio) – CCR公式チャンネル(ページトップ)
- Creedence Clearwater Revival – Fortunate Son (Live At The Royal Albert Hall) – CCR公式チャンネル
- Creedence Clearwater Revival “Fortunate Son” on The Ed Sullivan Show – The Ed Sullivan Show / CCR公式チャンネル
歌詞の和訳|Fortunate Son フォーチュネイト・サン
(原詞:太文字)
Fortunate Son
Some folks are born made to wave the flag *1
旗を振るために生まれてきたような奴らがいる
Ooh, they’re red, white and blue *2
ああ、赤、白、青の旗を
And when the band plays “Hail to the Chief” *3
バンドが「大統領万歳」を演奏すると
Ooh, they point the cannon at you, Lord *4
ああ、奴らは大砲を向けてくるのさ
It ain’t me, it ain’t me *5
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t no senator’s son, son
俺は議員の子供、息子なんかじゃない
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t no fortunate one, no
俺は恵まれた人間なんかじゃない
2)
Some folks are born silver spoon in hand *6
銀のスプーンをくわえて生まれてくる奴らがいる
Lord, don’t they help themselves, no *7
ああ、自分たちのことばかりにご執心だが
But when the taxman come to the door *8
税務署員が玄関に来ると
Lord, the house lookin’ like a rummage sale, yeah *9
なんと、その家はガラクタ市みたいになるのさ
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t no millionaire’s son, no, no
俺は大金持ちの息子なんかじゃない
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t no fortunate one, no
俺は恵まれた人間なんかじゃないんだ
3)
Yeah, some folks inherit star-spangled eyes *10
ああ、星条旗が焼き付いた目を受け継ぐ奴らがいる
Ooh, they send you down to war, Lord
ああ、奴らがみんなを戦場へ送り込むのさ
And when you ask ‘em, “How much should we give?”
「どれだけ尽くせばいいんだ?」と聞けば 、
Ooh, they only answer, “More, more, more, more”
ああ、奴らはこう答えるだけさ、「もっとだ、もっと、もっと、もっと」
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t no military son, son, Lord
俺は軍人の息子なんかじゃない
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t no fortunate one, one
俺は恵まれた人間なんかじゃない
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t no fortunate one, no, no, no
俺は恵まれた人間なんかじゃない、まったく
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
I ain’t no fortunate son, no, no, no
俺は恵まれた息子なんかじゃない、まったく
It ain’t me, it ain’t me
俺じゃない、俺じゃない
キーワード
- *1.folks:「人々」「民族」「家族・両親」などを意味し、ここでは「生まれ、血筋」の意味を強調しています。
- *2. red, white and blue:主にアメリカ合衆国旗(星条旗)の赤・白・青の3色を指し、愛国的な意味合いを持つ形容詞句
- *3.Hail to the Chief:アメリカ大統領を讃える曲。権力側の「セレモニー」の象徴。
- *4.point the cannon at you:大砲を向ける。国家権力が、庶民へ向かう意味で「大砲を向ける」としました。尚、”you”は「(一般人、庶民の)自分たち、みんな」を表す意味で、「あなた」とは訳しませんでした。
- *5.ain’t:カジュアルな否定スラング「〜ではない、じゃない、じゃねえ」
- *6.silver spoon in hand:「銀のスプーンをくわえて生まれる」は、生まれつき裕福。特権階級の比喩として使われるイディオム
- *7.they help themselves:「彼らは、自分自身を助ける(保護する)」は、「自分たちの立場や財産を守る」意味で、「自分たちのことばかりにご執心」としました。
- *8.taxman:徴税人。都合のいい時だけ国家を語り、支払いになると逃げる姿を表現していると思われます。
- *9. rummage sale:(家の中は資産を隠すために)ガラクタ市になるとしました。
- 主にチャリティで資金を集める「慈善バザー」で、不要品をあさる(rummage)という意味から、掘り出し物を探す楽しみがあるイベントに使われます。
- “rummage“「動詞:あさる、名詞:くず、不用品」
- *10.star-spangled eyes:「盲目的な愛国心をもつ」の意味で「星条旗が焼き付いた目」としました。
- *11. “More, more, more”:命も金も時間も、終わりのない搾取の意味で、「もっとだ、もっと、もっと、もっと」としました。
アーティストの紹介|Creedence Clearwater Revival (CCR)
インフォメーション
- バンド名:Creedence Clearwater Revival (CCR)
- メンバー:
John Fogerty(ジョン・フォガティ/ギター&ボーカル)
Tom Fogerty(トム・フォガティ/リズムギター)
Stu Cook(ステュー・クック/ベース)
Doug Clifford(ダグ・クリフォード/ドラム) - 結成:1959年
- 結成地:米国、カリフォルニア州エル・セリート
- 概 要:当初バンド名は、Blue Velvets(ブルー・ヴェルヴェッツ)やGolliwogs(ゴリウォッグス)という名前で活動していましたが、1967年にCreedence Clearwater Revival (クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル/CCR)に改名しました。
アーティストの軌跡
クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)は、1959年にジョン・フォガティ、ステュ・クック、ダグ・クリフォードの3人が中学時代に結成したザ・ブルー・ベルベッツを前身とします。後にジョンの兄トムが加入し、メンバー全員がカリフォルニア州出身。
1967年にファンタジー・レコードと契約し「ゴリウォッグス」として活動しましたが、この名前とレーベルが着せた衣装をメンバーは嫌っていました。
1968年に現在の名称に改名。クリーデンスはトムの友人名、クリアウォーターはビールCMの映像とエコロジーへの関心、リバイバルは再出発の意味を込めて命名された。
クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)は、1960年代後半から1970年代初頭にかけてアメリカで活動し、特にスワンプ・ロックというジャンルで知られています。
このスタイルは、ブルース、カントリー、フォーク、ロックンロールの要素を融合させたもので、アメリカ南部の音楽の影響を色濃く受けています。
CCRの音楽は、シンプルでありながら力強いメロディとリズムが特徴で、西海岸のバンドではめずらしく、アメリカ南部の色を出しサザン・ロックの先駆者で、スワンプ・ロックの代表といわれました。
1993年にロックの殿堂入りし、ローリング・ストーン誌の「歴史上最も偉大な100組のバンド」で第82位にクレジットされています。
1969年から1971年にかけて、「プラウド・メアリー」、「バッド・ムーン・ライジング」、「雨を見たかい」などのヒット曲を出し、アメリカで14曲の連続したトップ10シングルと、5枚の連続したトップ10アルバムを生み出しました。
しかし、主力のジョン・フォガティと他のメンバーとの不和がもとで、1972年末に解散しました。
また、ジョンと他のメンバーとの訴訟問題も起こっています。
現在は、ジョン・フォガティはソロとしてCCRの曲を演奏し続けており、クックとクリフォードは1995年から2020年までCreedence Clearwater Revisitedを続けていました。
CCRの音楽は現代においても人気があり、アメリカだけでも4500万枚のレコードが売れています。
彼らのベストアルバム「Chronicle(クロニクル): The 20 Greatest Hits」はまだBillboard 200アルバムチャートに12年間ランクインし続け、2022年8月には600週を記録しました。(非連続)
ディスコグラフィー
代表シングル
- 1968 Susie Q スージーQ
- 1969 Proud Mary プラウド・メアリー
- 1969 Bad Moon Rising バッド・ムーン・ライジング
- 1969 Green River グリーン・リバー
- 1969 Down on the Corner ダウン・オン・ザ・コーナー
- 1969 Fortunate Son フォーチュネイト・サン
- 1970 Travelin’ Band トラヴェリン・バンド
- 1970 Who’ll Stop the Rain フール・ストップ・ザ・レイン
- 1971 Have You Ever Seen the Rain? 雨を見たかい
代表アルバム
- 1968 Creedence Clearwater Revival(1st)
- 1969 Bayou Country
- 1969 Green River
- 1969 Willy and the Poor Boys
- 1970 Cosmo’s Factory
- 1970 Pendulum
- 1972 Mardi Gras
- オリジナル・アルバム
- Creedence Clearwater Revival (1968) (US #52)
- Bayou Country (1969) (US #7)
- Green River (1969) (US #1)
- Willy and the Poor Boys (1969) (US #3)
- Cosmo’s Factory (1970) (US #1)
- Pendulum (1970) (US #5)
- Mardi Gras (1972) (US #12)
- ライブ・アルバム
- Live In Europe (1973) (US #143)
- The Concert (1980) (US #62)
- ベスト・アルバム
- Creedence Gold (1971) (US #12)
- More Creedence Gold (1973) (US #46)
- Chronicle, Vol. 1 (1976) (US #100)
- Chronicle, Vol. 2 (1986)
- シングル
- 1968
- Porterville / Call It Pretending
- Suzie Q (Part One) (US No.11) / Suzie Q (Part Two)
- I Put A Spell On You (US No.58) / Walk On The Water
- 1969
- Proud Mary (US No.2) / Born On The Bayou
- Bad Moon Rising (US No.2) / Lodi (US No.52)
- Green River (US No.2) / Commotion (US No.30)
- Down On The Corner (US No.3) / Fortunate Son (US No.14)
- 1970
- Travelin’ Band (US No.2) / Who’ll Stop The Rain (US No.2)
- Up Around The Bend (US No.4) / Run Through The Jungle (US No.4)
- Lookin’ Out My Back Door (US No.2) / Long As I Can See The Light (US No.2)
- 1971
- Have You Ever Seen The Rain (US No.8) / Hey Tonight
- Sweet Hitch-Hiker (US No.6) / Door To Door
- 1972
- Someday Never Comes (US No.25) / Tearin’ Up The Country
- 1976
- I Heard It Through The Grapevine (US No.43) / Good Golly Miss Molly
*引用:クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル-Wikipedia
1968年 / スージーQ / Suzie Q
1969年 バイヨー・カントリー / Bayou Country
1969年 グリーン・リヴァー / Green River
1969年 ウィリー・アンド・ザ・プアボーイズ / Willy And The Poor Boys
1970年 コスムズ・ファクトリー / Cosmo’s Factory
1970年 ペンデュラム / Pendulum
1976年 クロニクル~グレイテスト・ヒッツ / Chronicle: The 20 Greatest Hits
