曲の紹介(Dixie Chicken ディキシー・チキン)
【曲名】Dixie Chicken(ディキシー・チキン)
【アーティスト】Little Feet(リトル・フィート)
【作詞】Lowell Geoge(ローウェル・ジョージ)/Martin Kibbee
【作曲】Lowell Geoge(ローウェル・ジョージ)/Martin Kibbee
【概要】リトル・フィートはローウェル・ジョージ(スライド・ギター、ヴォーカル)が中心となってロサンゼルスで結成された。
1973年にアルバム”Dixie Chicken“を発表。タイトル曲に見られるように音楽性はニューオーリンズ、南部色を感じさせる。
【記事参照元】ディキシー・チキン-Wikipedia
【記事参照元】リトル・フィート-Wikipedia
【原詞引用元】Little Feat–Dixie Chicken Lyrics-Genius
曲の解釈
私見ですが、リトル・フィートは同じアメリカ南部色を感じさせるザ・バンドほど、メジャーではなかったですし、初めて聴いた時は独特の雰囲気もありピンとこなかったのですが、だんだんその不思議なサウンドに惹かれるようになりました。
この「ディキシー・チキン」も変則的なリズムにピアノとローウェル・ジョージのスライドギターがいい雰囲気を出しています。
歌詞はとても傑作で、主人公がメンフィスで可愛い子と出会い一晩を共にすごした。
でも安酒を飲みすぎ潰れて、彼女とはそれっきりになってしまった。
しかし主人公は、彼女が口ずさんでいた歌のフレーズ
“If you’ll be my Dixie chicken~” は覚えていた。
彼女を忘れられない主人公は、1年後にメンフィスのホテルのバーへ行き、バーテンダーに彼女のことを尋ねると、バーにいた男性全員が彼女の歌を合唱しはじめたという。
それ以上野暮な説明もなく、なんとも大人の色気のあるユーモアのあるストーリーだと思います。
歌詞の和訳(Dixie Chicken ディキシー・チキン)
(原詞:太文字)
Dixie Chicken
I’ve seen the bright lights of Memphis
俺は見てきた、メンフィスの明るい街明り
And the Commodore Hotel
そしてコモドアホテルを
And underneath a street lamp,
そして街灯の下で、
I met a southern belle *1
かわいい南部娘と出会った
Oh, she took me to the river,
なんと、彼女は俺を川まで連れて行き
Where she cast her spell *2
俺に魔法をかけたんだ
And in that southern moonlight,
南部の月明りの中、
She sang this song so well
彼女はこの歌を、とても素敵に歌った
If you’ll be my Dixie chicken
もし君が、俺のディキシーチキンになるなら
I’ll be your Tennessee lamb
俺は君の、テネシーラムになる
And we can walk together down in Dixieland *3
二人で、ディキシーランドを歩いて行こう
Down in Dixieland
ディキシーランドを
2)
Well, we made all the hotspots, *4
さて、俺たちはすべての酒場で、出来上がった
My money flowed like wine
手持ちの金は流れていった、ワインのように
Then the lowdown southern whiskey, *5
それから劣悪な南部ウイスキーで
Yea, began to fog my mind *6
どうも、意識がぼやけ始めた
And I don’t remember church bells
教会の鐘の音も覚えてない
Or the money I put down *7
まして、置いてきた金のことなど
On the white picket fence and boardwalk *8
白くいの柵か、遊歩道の上だったか
Of the house at the end of town
街はずれにある家の
Oh, but boy do I remember
ああ、でも覚えてるのさ
the strain of her refrain *9
張りのある声のリフレインを
And the nights we spent together
そして二人ですごした夜のことを
And the way she called my name
そして彼女が俺を呼ぶときのしぐさ
If you’ll be my Dixie chicken
もし君が、俺のディキシーチキンになるなら
I’ll be your Tennessee lamb
俺は君の、テネシーラムになる
And we can walk together down in Dixieland
二人で、ディキシーランドを歩いて行こう
Down in Dixieland
ディキシーランドを
3)
Well, it’s been a year since she ran away
そして1年が過ぎた、彼女が走り去ってから
Guess that guitar player sure could play *10
きっと、あのギタリストはまだ弾いていると思う
She always liked to sing along *11
彼女は、いつもみんなで歌いたがったし
She’s always handy with a song *12
彼女の歌は、いつも上手だった
But then one night in the lobby,
それからある晩、ロビーで
yea, of the Commodore Hotel *13
そう、コモドアホテルの
I chanced to meet a bartender
俺は、偶然あるバーテンダーに会った
Who said he knew her well
彼女をよく知ってるという
And as he handed me a drink
彼は俺に飲み物を渡しなら
He began to hum a song
歌をハミングしはじめた
And all the boys there, at the bar,
すると、バーにいた男たち全員が
Began to sing along
一緒に歌いはじめた
If you’ll be my Dixie chicken
もし君が、俺のディキシーチキンになるなら
I’ll be your Tennessee lamb
俺は君の、テネシーラムになる
And we can walk together down in Dixieland
二人で、ディキシーランドを歩いて行こう
Down in Dixieland
ディキシーランドを
キーワード
*1. belle:(美人、小町娘)
*2. cast a spell:(魔法をかける、魅了する)
*3. Dixieland:(米国の南部諸州)
*4. hotspots:(酒場、歓楽街)
*5. low down:(ずっと下に、卑しめて)
*6. fog:(霧、ぼんやりさせる)
*7. put down:(下に置く、降ろす、蓄えておく)
*8. picket:(とがった杭、棒杭)、boardwalk(板道、板張り遊歩道)
*9. strain:(ピンと張る、引っ張る、全力を出す)
*10. guess:(推測、推測する)
*11. sing along:(聖歌隊がオーケストラと共に歌う)
*12. handy with:(器用で、上手で)
*13. yea:(はい、さよう、実に)
アーティストの紹介(Little Feet リトル・フィート)
【名 前】Little Feet(リトル・フィート)
【結 成】1969年
【結成地】アメリカカリフォルニア州ロサンゼルス
【概 要】
リトル・フィートは、1979年フランク・ザッパのマザーズ・オブ・インヴェンションの元メンバーであるローウェル・ジョージ(Gt.Vo.)とロイ・エストラーダ(Bs.)が中心で結成された。
2枚のアルバムを発表したが、商業的成功には恵まれなかった。
脱退したエストラーダ後任のケニー・グラッドニー(Bs.)が加入し、ポール・バレア(Gt.Vo.)、サム・クレイトン(Percussion)もメンバーに迎え、ようやく持ち直した。
1973年にリリースした3枚目のアルバム「ディキシー・チキン」は、南部の音楽性を取り入れたもので、1974年リリースしたアルバム「アメイジング!」は初めて全米Billboard 200入りを果たした。
続くアルバムでは、ジャズやフュージョンの要素も加わったが、ジョージは体調不良や音楽性の相違から存在感が薄れていった。
1979年、ジョージはソロ・アルバム『Thanks I’ll Eat It Here』をリリースし、リトル・フィートの解散を宣言したが、直後に心臓発作で死亡した。
バンドは、ジョージが残していた未完成のレコーディングに追加のレコーディングを行い、アルバム『Down on the Farm』としてリリースした後、リトル・フィートの活動を終了させた。
リトル・フィートの音楽性は、ブルース、ジャズ、ロック、カントリーなど、多様なジャンルの要素を融合したもので、彼ら自身が「アメリカン・ミュージック」と呼んでいた。
彼らの音楽は、特にサザン・ロックやアメリカン・ルーツ・ミュージックのファンに高く評価され、後続のミュージシャンたちにも多大な影響を与えた。
ジョージの死後、バンドは解散状態にあったが、1987年に再結成された。
以降、バンドのメンバーは何度か入れ替わりを経験しつつも、活動を続けた。
リトル・フィートの音楽は、長年にわたり多くのファンに愛され続け、今なおその影響力は衰えていない。
アルバムの紹介
1972年 Sailin’ Shoes / セイリン・シューズ
1973年 Dixie Chicken / ディキシー・チキン
1974年 Feats Don’t Fail Me Now / アメイジング!
1978年 Waiting For Columbus / ウェイティング・フォー・コロンブス
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