曲の紹介「Africa アフリカ」
- 曲名:Africa(アフリカ)
- アーティスト:Toto(TOTO)
- 作詞:David Paich(デヴィッド・ペイチ)
- 作曲:David Paich(デヴィッド・ペイチ),Jeffrey Porcaro(ジェフ・ポーカロ)
- サマリー:
- この楽曲は1982年にリリースされた4枚目のアルバム「Toto IV~聖なる剣」に収録された。
- ビルボードのホット100で1位を記録し、アルバムは全米4位を記録した。
- 記事参照元:
- Africa(Toto Song) -Wikipedia
- Toto(Band)-Wikipedia
- 歌詞引用元:Africa-Genius
- 画像引用元:Africa(Toto Song)-Wikipedia
曲について
「Africa」は、TOTOのアルバム『TOTO IV〜聖なる剣』に収録された1982年の楽曲で、デヴィッド・ペイチとジェフ・ポーカロによって作詞・作曲されました。
この曲は、デヴィッド・ペイチが最初のアイデアと歌詞を生みました。
この曲はビルボードのホット100で1位、イギリスのシングルチャートでも3位を記録する大ヒットとなり、後に彼らの代表曲として世界中で愛されることになります。
この名曲は、ペイチが新しいキーボードで即興的に遊んでいる時に偶然生まれたリフから始まりました。彼はそのメロディに魅了され、約6ヶ月もの時間をかけて歌詞を練り上げていきました。
興味深いことに、ペイチはこの曲を書いた時点でアフリカに一度も足を踏み入れたことがありませんでした。
ドラムのジェフ・ポーカロが「白人の青年がアフリカについての曲を書こうとした。でもアフリカに行ったことがない彼に書けるのは、TVで観たイメージや、これまでの記憶だけ」と語るように、この曲はテレビドキュメンタリーや雑誌の記事から得た印象と憧れによって生み出されたものです。
そのため、「キリマンジャロがセレンゲティの上にそびえ立つ」という歌詞は地理的には誤りですが、この不正確さがむしろ曲の神秘的で憧れに満ちた雰囲気を強調しています。
ペイチ自身は、この曲が「単なる個人的なロマンスではなく、アフリカ大陸そのものに対する大きな愛」を歌っていると語っています。
歌詞の内容は、主人公の男性が夜中に到着する恋人を空港へ向かいに行く途中、老人に声をかけたところ「急げ若者、そいつはそこで君を待っている」と言われた気がしました。
そいつとは若い時に挑戦すべきものを指し、「若い時は時間も限られている、勇気をもって挑戦するんだ」、「とても困難なことへの挑戦を逃げてはいけない」と言っている気がします。
そのとてつもなく困難な課題を、アフリカという大地の哀しく、苦しい歴史や、雄大な大地の風景と重ね合わして歌っているように思います。
音楽的にも「Africa」は独特です。
カリンバを思わせるシンセサイザーのイントロから始まり、ジェフ・ポーカロによるアフリカの太鼓を模したリズムパターン、そして豊かなハーモニーが織りなす重層的なサウンドは、聴く者をアフリカの大地へと誘います。
イントロのリフから始まる魅惑的な旋律、アフリカの大地を連想させる見事な曲調、そして深く心に響く歌詞を持つ「Africa」は、まさに時代を超えて人々の背中を押し続ける名曲と言えるでしょう。
歌詞の和訳「Africa アフリカ」
(原詞:太文字)
Africa
I hear the drums echoing tonight
今夜はドラムの音が響いている
But she hears only whispers of some quiet conversation
けれど彼女は静かな会話のささやきしか聞いていない
She’s comin’ in, 12:30 flight
彼女は12時30分のフライトでやって来る
Her moonlit wings reflect the stars that guide me towards salvation
月光が照らす彼女の翼は、僕を救いへと導く星々を映し出す
I stopped an old man along the way
僕は途中で老人を呼び止めた
Hopin’ to find some old forgotten words or ancient melodies
太古に忘れられた言葉や古代の旋律を見つけたくて
He turned to me as if to say *1
彼はまるでこう言うかのように振り向いた
“Hurry, boy, it’s waiting there for you”
「急げ若者、そいつはそこで君を待っている」
It’s gonna take a lot to drag me away from you *2
僕を君から引き離すのは大変だ
There’s nothin’ that a hundred men or more could ever do *3
百人かそれ以上の男たちがかかってもできやしない
I bless the rains down in Africa *4
僕はアフリカ大地への雨を祈る
We’re gonna take some time to do the things we never had
時間をかけて、できなかったことをしていくんだ
Ooh-hoo
ウー、ウー
2)
The wild dogs cry out in the night
夜になると野犬たちが吠える
As they grow restless longing for some solitary company
孤独な仲間を求め、落ち着きを失くしながら
I know that I must do what’s right
正しいことをすべきだとわかってる
Sure as Kilimanjaro rises like Olympus above the Serengeti *5
キリマンジャロがセレンゲティの上に、オリンポスのようにそびえるが如く確かに
I seek to cure what’s deep inside
心の内深くにあるものを治そうとしてる
Frightened of this thing that I’ve become
自分がこうなってしまったことに怯えて
It’s gonna take a lot to drag me away from you
僕を君から引き離すのは大変だ
There’s nothin’ that a hundred men or more could ever do
百人かそれ以上の男たちがかかってもできやしない
I bless the rains down in Africa
僕はアフリカ大地への雨を祈る
We’re gonna take some time to do the things we never had
時間をかけて、できなかったことをしていくんだ
Ooh-hoo
ウー、ウー
Hurry, boy, she’s waiting there for you
急げ若者、彼女はそこで君を待っている
It’s gonna take a lot to drag me away from you
僕を君から引き離すのは大変だ
There’s nothin’ that a hundred men or more could ever do
百人かそれ以上の男たちがかかってもできやしない
I bless the rains down in Africa
僕はアフリカ大地への雨を祈る
I bless the rains down in Africa (I bless the rains)
僕はアフリカ大地への雨を祈る(雨を祈る)
I bless the rains down in Africa (I bless the rains)
僕はアフリカ大地への雨を祈る(雨を祈る)
I bless the rains down in Africa
僕はアフリカ大地への雨を祈る
I bless the rains down in Africa (Ah, gonna take the time)
僕はアフリカ大地への雨を祈る(ああ、時間はかかる)
We’re gonna take some time to do the things we never had
時間をかけて、できなかったことをしていくんだ
Ooh-hoo
ウー、ウー
キーワード
- *1 as if to say :「~言わんばかりに」「~とでも言うように」から「まるでこう言うかのように」としました。
- *2
- take a lot : 「~するにはたくさん(労力、人数)必要」の意味で、「大変だ」としました。
- drag me away from :「(私をそこから)引き離す」
- *3 ever do : 「決して~ない」「かりそめにも」の意味ではなく、”do”は”nothing”にかかる動詞として「何もできない」の意味で、「できやしない」と訳しました。
- *4 rains down in Africa : 直訳では「アフリカへ雨が降る」ですが、地面に降りそそぐ光景をイメージして「アフリカ大地への」としました。
- *5 Kilimanjaro rises like Olympus above the Serengeti : 「”Kilimanjaro“:アフリカ最高峰の山」、「“Olympus“ :ギリシャのオリンポス山」、「”Serengeti“:マサイの言葉で(果てしなく広がる平原)キリマンジャロの裾野に広がるサバンナ」*厳密にはセレンゲティはキリマンジャロのふもとに位置します。なので、「キリマンジャロがセレンゲティの上に、オリンポスのようにそびえる」は地理的にはフィクションです。
アーティストの紹介「Toto」
- バンド名:Toto(TOTO)
- 結成:1977年 – 2008年 / 2008年 –
- 結成地:アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス
- サマリー:
- TOTOのメンバーは、デヴィッド・ペイチ(キーボード、ボーカル)とジェフ・ポーカロ(ドラムス)を中心に、スティーヴ・ポーカロ(キーボード)、スティーヴ・ルカサー(ギター、ボーカル)、デヴィッド・ハンゲイト(ベース)、ボビー・キンボール(ボーカル)という優れた演奏技術を持つミュージシャンたちで構成されました。
アーティストの軌跡
TOTOは、一流のスタジオ・ミュージシャンが集結して1977年に結成されたアメリカのロックバンドです。
結成前、メンバーたちは既に音楽業界で高い評価を得ていました。
彼らはスティーリー・ダン、シールズ&クロフツ、ボズ・スキャッグス、ソニー&シェールなど、1970年代を代表する多くのアーティストのアルバム制作に携わっていました。
特に1975年には、ボズ・スキャッグスのアルバム『シルク・ディグリーズ』の制作時に再び集まったことが、TOTOの結成につながりました。
バンド名の由来については「オズの魔法使い」に登場する犬(Toto)からなどの諸説ありますが、ラテン語で「全てを含む」という意味に由来しているという説が有力です。
これは、様々なジャンルの音楽に対応できるメンバーの多彩な演奏能力を表現するのにふさわしい名前でした。
1978年にリリースされたデビュー・アルバム『TOTO』は、「Hold the Line」や「I’ll Supply the Love」などのヒットシングルを生み出し、大きな成功を収めました。
この成功を受けて、1979年初頭には初のアメリカツアーを敢行します。
このツアーには、トム・ケリー(ギター、バック・ヴォーカル)とレニー・カストロ(パーカッション)が加わり、彼らのサウンドに一層の厚みを与えました。
特にカストロは初のアルバムからセッション・ミュージシャンとして参加し、以降40年以上にわたって様々な形でバンドに貢献し続けています。
1982年にリリースされた4枚目のアルバム『TOTO IV〜聖なる剣〜』は、バンドの最大の成功作となりました。「Rosanna」でグラミー賞の年間最優秀レコードを受賞したほか、世界的ヒット曲「Africa」を生み出しました。
「Africa」はビルボードのホット100で1位を記録し、後に世代を超えて愛される楽曲となります。
特に2010年代後半からは若い世代にも再評価され、2021年にはSpotifyでの再生回数が10億回を突破、2024年にはYouTubeでも10億回再生を達成するという偉業を成し遂げました。
TOTOは長いキャリアの中で何度かメンバーの変更を経験しました。
1992年にはジェフ・ポーカロが38歳の若さで急逝するという悲劇に見舞われます。
また、バンドは2008年に一度解散しましたが、ALSを患ったマイク・ポーカロ(ジェフの弟でバンドのベーシスト)の救済を目的に2010年に再結成し、活動を再開しました。
TOTOの音楽は、ロック、ポップ、ジャズ、R&Bなど様々な音楽スタイルを融合させた独自のサウンドが特徴です。
高度な演奏技術と洗練された楽曲は、多くのミュージシャンに影響を与え、彼らはロックミュージックの歴史において重要な存在として認知されています。
2023年には、スティーヴ・ルカサーとジョセフ・ウィリアムスを中心とした新たなラインナップで来日公演を行うなど、TOTOは今もなお音楽シーンで輝き続けています。
彼らの創り出す音楽は、時代を超えて多くの人々の心に響き続けているのです。
アルバムの紹介
スタジオアルバム
1978年 Toto/宇宙の騎士
1979年 Hydra/ハイドラ
1981年 Turn Back/ターン・バック
1982年 TOTO IV/〜聖なる剣〜
1984年 Isolation/アイソレーション
1986年 Fahrenheit/ファーレンハイト
1988年 The Seventh One/ザ・セブンス・ワン〜第7の剣〜
1995年 Tambu/タンブ
ライブアルバム
2014年 35th Anniversary Tour: Live in Porland/35周年アニヴァーサリー・ツアー ライヴ・イン・ポーランド 2013
2019年 40 Tours Around the Sun/デビュー40周年記念ライヴ 〜40ツアーズ・アラウンド・ザ・サン
ベストアルバム
1990年 Past to Present 1977-1990/グレイテスト・ヒッツ
2011年 In The Blink Of An Eye 1977-2011/オールタイム・ベスト1977-2011 〜イン・ザ・ブリンク・オブ・アイ〜
2018年 40 Trips Around the Sun/40トリップス・アラウンド・ザ・サン 〜グレイテスト・ヒッツ〜