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Blowin’ in the Wind 風に吹かれて / Bob Dylan ボブ・ディラン-Peter Paul & Mary ピーター・ポール&マリー

目次

曲の紹介

【曲名】Blowin’ in the Wind (風に吹かれて)
【アーティスト】Bob Dylan(ボブ・ディラン)、Peter Paul & Mary(ピーター・ポール&マリー)
【作詞・作曲】Bob Dylan(ボブ・ディラン)
【概要】

1963年にBob Dylanの2thアルバム”The Freewheelin’ Bob Dylan”に収録され、シングルと共にリリースされた。
アメリカのフォークグループのPeter,Paul&Mary(ピーター、ポール&マリー)がカバーして世界的な大ヒットとなり、Bob Dylanの名が世界に広まった。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)では14位にランキングされている。

カバーアルバム:
Peter,Paul&Mary「In the Wind」1963年リリース
Joan Baez「From Every Stage」ライブアルバム・1976年リリース

【参照元】Blowin’ in the Wind-Wikipedia
【原詞引用元】Blowin’ in the Wind-Genius

曲の解釈

この曲は、歌詞の内容から反戦歌やプロテストソングとして捉えられ、特に人種差別に反対するアメリカの公民権運動の人たちに受入れられました。

1962年出版された雑誌「シング・アウト!」に、掲載されたディランのインタビューでは、

「この曲について、特に言うべきことはないけれど、その答えは風に舞っているだけ。
本やTVショー、議論の中にはなく、答えは風に舞ってていつか紙きれみたいに、いつかきっと舞い降りてくる。

でもせっかく舞い降りても、誰も拾って読もうとしないからまた舞い上がる。
一番悪い奴は、間違ってることに見て見ぬふりをする。
自分はまだ21才だけどそんな大人が大勢いることが分かった。
あなたがたは大人だからもっと頭がいいはずでは?」

という内容を言っています。

このインタビューの内容から察するに、21才のディランが社会の間違っていると思えることに対する憤りや嘆きの気持ちを、簡単に答えが出る問題ではないと気づいていて、「答えは風に舞っている」というフレーズに込めたような気がします。

この曲は、ピーター、ポール&マリーがカバー・バージョンをシングルとしてリリースし、大ヒットとなりました。
そして当時の公民権運動の賛歌となり、その影響力は音楽界を超えて、文学、映画、社会運動など、多くの分野に及びました。

今日でも、「風に吹かれて」はディランの最も象徴的な楽曲の一つとして、時代を超えて歌い継がれています。

PPM(Peter,Paul and Mary)のカバーバージョンもとても素晴らしいです。

Peter, Paul and Mary - Blowing in the Wind

歌詞の和訳

(原詞:太文字)

Blowin’ in the Wind

How many roads must a man walk down
どれだけの道を、男は歩かなくてはいけないのだろう?
Before you call him a man? *1
一人前と呼ばれるまでに
How many seas must the white dove sail
どれだけの海を、白鳩は渡らなければいけないのだろう?
Before she sleeps in the sand?
砂の中で眠りにつけるまで
Yes, and how many times must the cannonballs fly *2
また幾度、砲弾は飛び交わなければいけないのだろう?
Before they’re forever banned? *3
永遠になくなるまで

The answer, my friend, is blowin’ in the wind *4
友よ、答えは風に舞っている
The answer is blowin’ in the wind
答えは風に舞っている

2)
Yes, and how many years can a mountain exist
また幾年、山はそびえていられるのだろう?
Before it is washed to the sea?
海に流されるまで
Yes, and how many years can some people exist
また幾年、何人かの人が生きられるのだろう?
Before they’re allowed to be free?
自由が許されるまでに
Yes, and how many times can a man turn his head *5
また幾度、男は顔を背けて、
And pretend that he just doesn’t see?
見えていないと欺けるのだろう?

The answer, my friend, is blowin’ in the wind
友よ、答えは風に舞っている
The answer is blowin’ in the wind
答えは風に舞っている

3)
Yes, and how many times must a man look up
また幾度、男は見上げなければいけないのだろう?
Before he can see the sky?
空が見えるまで
Yes, and how many ears must one man have
また幾つの耳を、一人の男は持たなくてはいけないのだろう?
Before he can hear people cry?
人々の嘆きが聞こえるまで
Yes, and how many deaths will it take till he knows
またどれだけの死で、彼は気づくのだろう?
That too many people have died?
あまりに多くの人が、死んでしまったと
The answer, my friend, is blowin’ in the wind
友よ、答えは風に舞っている
The answer is blowin’ in the wind
答えは風に舞っている
The answer is blowin’ in the wind
答えは風に舞っている

キーワード

*1. a man:「一人前の男、人」の意味で「一人前」と訳しました。

*2 Yes, and: 協調的な追加の表現「いや(そのうえ)、しかも」の意味で「また」としました。

*3. ban:「禁止、禁止する」の意味で「なくなる」と訳しました。

*4. blowin’ : 「吹かれる、あおられる」の意味で、「舞う」としました。

*5. turn his head:「振り向く」

アーティストの紹介

Bob Dylan

ミネソタ大学を中退後、ミネアポリスでフォークシンガーとして活動を始める。このころから「ボブ・ディラン」と名乗るようになりました。

その後、ニューヨークにてアルバム「ボブ・ディラン」でデビューしました。

1963年に2枚目のアルバム「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」をリリースし、「風に吹かれて」をPPMがカバーして大ヒットし、有名となりました。

彼の代表曲の「風に吹かれて」や「The Times They Are a-Changin’」などは、当時のアメリカの差別社会に対する公民権運動や反戦運動のアンセムともなりました。

フォーク界の貴公子とも呼ばれ世界中に名前が広がって行ったが、1965年リリースされた「ライク・ア・ローリング・ストーン」では、エレキギターを持ち、バックにThe Bandを従えてロックの演奏に切り替え、フォークからフォークロックへ演奏形態を変えました。

(1966年ロイヤル・アルバートホールでのライブで、観客から「ユダ(裏切者)」と言われ、それに対して音量を上げて演奏したエピソードがライブ動画に残っています。)

その後、多くの賞(2012年大統領自由勲章、グラミー賞10回以上、アカデミー賞等)を受賞し、2016年「偉大なアメリカ音楽の歴史上で、新しい詩的表現を生んだ」としてノーベル文学賞を受賞しています。
彼は賞や名誉に興味がないのか、あるいは自分の音楽が文学として認められたことに対する抵抗があったのかもしれませんが、当初受賞に無反応で授賞式も欠席しています。

いろいろ批判もあるようですが、とてもボブ・ディランらしいなと個人的には思います。

Peter Paul & Mary

【名前】ピーター・ポール&マリー(Peter Paul and Mary)
【メンバー】
ピーター・ヤーロウ(Peter Yarrow)1938年5月31日 –
ノエル・ポール・ストゥーキー(Noel Paul Stookey)1937年12月30日 –
マリー・トラヴァース(Mary Travers)1936年11月9日 – 2009年9月16日
【結成】1961年 – 1970年、1978年 – 2009年
【結成地】アメリカ、ニューヨーク市グリニッジ・ヴィレッジ
【概要】ピーター・ヤーロウ、ノエル・ポール・ストゥーキー、マリー・トラヴァーズの3人がトリオで、グリニッジ・ヴィレッジのコーヒーハウス「ビターエンド」でライブに出演した。

その後、1962年4月にシングル「レモン・トゥリー」でデビューし、同年5月に1stアルバム「ピーター・ポール&マリー」を発表した。

収録曲には「500マイル」、「レモン・トゥリー」、「花はどこへ行った」、「天使のハンマー」が含まれ、ビルボード誌のトップ10に10ヶ月ランキングされるなど大ヒットした。

その後、1963年2月に「パフ」が全米2位を記録し、同年6月にボブ・ディランの「風に吹かれて」のカバーも全米2位を記録しヒットを続けた。

同年の8月28日に行われた「ワシントン大行進(マーティン・ルーサー・キングの演説(I Have a Dream)で有名)では、彼らの「天使のハンマー」が歌われた。

それから彼らの曲はアメリカの社会差別に抗議する「公民権運動」などの「アンセム」となった。

1970年に各メンバーのソロ活動のため解散した。

1978年に原発反対運動の支援コンサートのため再結成した。

その後2009年9月16日マリー・トラヴァースが、白血病で亡くなるまでコンサートを行った。

アルバムの紹介

Bob Dylan

アルバム

1963年 フリーホイーリン・ボブ・ディラン / The Freewheelin’ Bob Dylan

1964年 時代は変わる / The Time They Are a-Changin

1965年 追憶のハイウェイ61 / Highway 61 Revisited

1965年 ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム / Bringing It All Back Home

1966年 ブロンド・オン・ブロンド / Blond on Blonde

1975年 血の轍 / Blood on the Tracks

ライブ・アルバム

1974年 偉大なる復活 / Before the Flood

ベスト・アルバム

1967年 ボブ・ディランのグレーテスト・ヒット / Bob Dylan’s Greatest Hits

1971年 グレーテスト・ヒット第2集 / Bob Dylan’s Greatest Hits Vol. II

Peter Paul & Mary

1962年 ピーター・ポール&マリー / Peter, Paul and Mary

2005年 ヴェリー・ベスト・オブ・ピーター、ポール&マリー / The Very Best of Peter Paul and Mary

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