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Both Sides, Now 青春の光と影 / Joni Mitchell ジョニ・ミッチェル

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曲の紹介(Both Sides, Now 青春の光と影)

【曲 名】Both Sides, Now (青春の光と影)
【アーティスト】Joni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)
【作詞・作曲】Joni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)
【概 要】最初のレコーディングはJudy Collins(ジュディ・コリンズ)で1968年秋に全米シングルチャートに登場した。
1969年にジョニ・ミッチェルのアルバム「Clouds」に収録され、彼女の代表曲となった。
また、ポール・ヤングなど多くのアーティストにカバーされている。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)では170位にランキングされている。

【記事引用元】: Both Sides, Now-Wikipedia
【歌詞引用元】: Both Sides, Now-Genius

曲の解釈

この曲は、彼女がソール・ベロー(アメリカの小説家)の1959年に書かれた小説「Henderson the Rain King(雨の王ヘンダーソン)」を飛行機の中で読んでいて、インスパイアされたと言っています。
この小説の主人公がアフリカに行く機内で、ふと下を見ると雲が見えたところで、彼女も本を置いて下を見ると同じように雲が見えたとのこと。
そんなきっかけでこの曲は作られたようで、彼女もこれほど人気になるとは思ってもみなかったようです。

曲の内容は、雲にたとえて愛、人生への彼女の想いが語られています。
雲は小さいころから、天使の髪やアイスクリームの城などに見えて大好きだったけど、成長するにしたがって過酷な天候をまねく厄介な存在となった。
何事もいい面だけでなく、悪い面も併せて見て行かなくてはいけないことに気づいていく。

これは愛にたとえると、メルヘンチックな幻想だけ見ていてはだめ。愛を与える側と受け取る側の両面をみなければと言っています。

人生では、成功する側だけでなく、失敗する側からも見なくてはいけない。
雲といっしょで、上からや下からも見て行かなくてはと言っています。

ほんとうに、うまく言い当てて、深い内容の歌詞だなと思いました。
ちなみに、彼女ジョニ・ミッチェルの音楽はフォーク、ロック、ジャズなどいろいろな要素を取り入れ、その独自の私的な歌誌で多くのファンを魅了し、多くのミュージシャンから尊敬されています。

原曲の動画は、Joni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)の2021年リマスター版と2000年リリースのアルバム「Both Sides Now」版を入れています。

カバー動画は、アメリカ映画「CODA」で主演のEmilia Jones(エミリア・ジョーンズ)が歌っているバージョンと、あまり名前は知られていませんが、シンガー・ソング・ライターのKate Wolf(ケイト・ウルフ)のカバーがとても素敵なので入れています。

ちなみに、この映画「CODA」は、耳が不自由な家族の中で唯一健聴者の女の子が、家族の愛にささえられて音楽の道へ進んで行くストーリーですが、とても感動するいい映画です。

また映画の中で主人公役のエミリアが歌う「Both Sides Now」はバラード的で素晴らしいです。

歌詞の和訳(Both Sides, Now 青春の光と影)

(原詞:太文字)

Both Sides Now

2)
But now they only block the sun
だけど、今では太陽を遮り
They rain and snow on everyone
雨や雪を降らす、みんなの上に
So many things I would have done
たくさんのことをやろうとしたけど
But clouds got in my way
雲が邪魔をした

I’ve looked at clouds from both sides now
私は雲を見るようになった、今は両サイドから
From up and down, and still somehow
上からと下から、それでやっと
It’s cloud illusions I recall *2
それは雲の幻想だと、思い直した
I really don’t know clouds at all
ほんとうに分かっていない、雲のことを

3)
Moons and Junes and Ferris wheels *3
月光や憧れの6月に観覧車
The dizzy dancing way you feel
目まぐるしいダンスのように感じる
As every fairy tale comes real
まるでおとぎ話が、みんな現実になるかのように
I’ve looked at love that way
愛を見てきた、あんな風に

4)
But now it’s just another show
だけど、今は別の見方に変わってる
You leave ‘em laughing when you go
好きに笑わせておくの、進むときには
And if you care, don’t let them know
もし気になっても、気づかれてはだめ
Don’t give yourself away *4
自分をさらけ出してはだめ

I’ve looked at love from both sides now
私は愛を見るようになった、今は両サイドから
From give and take, and still somehow
与える側と受ける側、それでやっと
It’s love’s illusions I recall
それは愛の幻想だと、思い直した
I really don’t know love at all
ほんとうに分かっていない、愛のことを

5)
Tears and fears and feeling proud
悲しみや恐れ、そして自尊心
To say “I love you” right out loud
言葉にする「愛してる」は、大きな声で
Dreams and schemes and circus crowds
夢や描く設計図、そしてサーカスの群衆
I’ve looked at life that way
人生を見てきた、あんな風に

6)
But now old friends are acting strange
でも今、古い友人たちは様子がおかしい
They shake their heads, they say I’ve changed
みんな首をふり、私は変わったと言う
Well something’s lost, but something’s gained
きっと何かは失くなり、何かは得られてるから
In living every day
日々を送る中で

I’ve looked at life from both sides now
私は人生を見るようになった、今は両サイドから
From win and lose and still somehow
成功するか失敗するか、それでやっと
It’s life’s illusions I recall
それは人生の幻想だと、思い直した
I really don’t know life at all
ほんとうに分かっていない、人生のことを

I’ve looked at life from both sides now
私は人生を見るようになった、今は両サイドから
From up and down and still somehow
上からと下から、それでやっと
It’s life’s illusions I recall
それは人生の幻想だと、思い直した
I really don’t know life at all
ほんとうに分かっていない、人生のことを

キーワード

*1. Rows and floes: “row”は「列、並び」、”floe”は「流水」から、(天使の髪が)横に流れている意味で「流れてたなびく」としました。

*2. recall:「思い出す、想起する」と「回収する」の意味を合わせて、「思い直す」としました。

*3. Moons and Junes: 直訳では「月と6月」ですが、女の子が憧れるような言葉に変え”moon”は「月光」、”june”はジュン・ブライドから「憧れの6月」としました。

*4. give yourself away:「内心をさらけ出す」、「(人のために)身を捧げる」

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アーティストの紹介(Joni Mitchell ジョニ・ミッチェル)

【名 前】Joni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)
*出生名:Roberta Joan Anderson(ロバータ・ジョーン・アンダーソン)
【生 誕】1943年11月7日
【出身地】カナダ、アルバータ州フォート・マクラウド
【概 要】

ジョニ・ミッチェルは、カナダ出身でアメリカのシンガーソングライター、プロデューサーです。
1960年代のフォーク音楽で注目を集めた後、ポップやジャズの要素を取り入れた独自の音楽スタイルで知られるようになりました。

彼女は11回のグラミー賞を受賞し、ロックンロールの殿堂入りも果たしています。

彼女の音楽は、個人的で詩的な歌詞と革新的な作曲で高く評価されています。

ミッチェルのキャリアは、カナダのナイトクラブから始まり、1965年からアメリカでのツアーを開始しました。

彼女は1968年にデビューアルバム「Song to a Seagull」をリリースし、その後「Both Sides,Now」、「Big Yellow Taxi」、「Woodstock」、「Blue」などのヒット曲を生み出しました。

1971年リリースアルバム「BLUE」は特に評価が高く、ローリング・ストーン誌の「歴代最高のアルバム500-2020年版」で3位に選ばれました。

1970年代半ばからはジャズに影響された音楽を探求し、ジャコ・パストリアスやハービー・ハンコックなどのジャズミュージシャンと共演しました。

ミッチェルは自身のアルバムの多くをプロデュースし、アルバムカバーのデザインも自分でデザインしています。

自分で「事情により脱線した画家」というくらい、彼女の画家としての才能は、視覚芸術の分野においても認められています。

ミッチェルのアルバムカバーは、彼女の個性と音楽を視覚的に表現した作品として、ファンの間で高く評価されています。

2015年には健康問題を経験しましたが、その後復帰し、2021年にはケネディ・センター名誉賞を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。

ジョニ・ミッチェルの芸術性は、音楽のみならず、彼女が手掛けるアルバムのビジュアルアートにも表れています。自らを「事情により脱線した画家」と称する彼女の多才ぶりは、音楽界だけに留まらず、視覚芸術の分野においても認められています。

ミッチェルのアルバムカバーは、彼女の個性と音楽を視覚的に表現した作品として、ファンの間で高く評価されています。

ミッチェルの独創的で影響力のあるキャリアは、音楽界において重要な役割を果たしてきました。
彼女の音楽は、今後も多くの人々の心に残り、また多くのアーティストへ影響し続けると思われます。

アルバムの紹介

1969年 Clouds/青春の光と影

1970年 Ladies of the Canyon / レディズ・オブ・ザ・キャニオン

1971年 BLUE/ブルー

1974年 Court And Spark /コート・アンド・スパーク

1975年 The Hissing Of Sum-mer Lawns /夏草の誘い

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