曲の紹介(China Grove チャイナ・グローブ)
【曲 名】China Grove (チャイナ・グローブ)
【アーティスト】Doobie brothers(ドゥービー・ブラザーズ)
【作詞・作曲】Tom Johnston(トム・ジョンストン)
【概 要】
ドゥービー・ブラザーズが1973年に発表した楽曲で、3枚目のアルバム「キャプテン・アンド・ミー」に収録され、シングルリリースされた。
アメリカでビルボード・ホット100で15位を記録した。
【記事引用元】China Grove (song)-Wikipedia
【原詞引用元】China Grove-Genius
曲の解釈
この曲は、トム・ジョンストン(Vo.&Gt.)が、テキサスのサンアントニオ近くに「チャイナ・グローブ」という架空の町をイメージして作ったとのことです。
しかし後に実在する地名であることを知り、おそらくサンアントニオへのツアー中に看板を観ていて、そのことを忘れていたのではと言っています。(Wikipedia:China Grove (song)より)
曲の内容は、テキサスの中に中華街のような中国人、アジア人?が集まっている町のことを取り上げています。
そこの人たちは、アメリカ人とは異質な文化をもち、出身地(中国、アジア?)に誇りを持っている。
聖職者であるはずの牧師や教師が、下世話な噂の発信者というくだりは、ブラック・ユーモアで面白いです。
あくまで私の推測ですが、この曲の背景としては、1970年代にニクソン大統領の訪中などで国交断絶が解かれていく中で、アメリカ国内でアジア系アメリカ人の存在が目立ってきたのではと思います。
その文化の違いから、作者はその違和感と同時に、彼らの勢いを表現しているのではと思います。
曲は、ギター少年なら一度はコピーしたのでは、という有名なギター・リフではじまります。
同じアルバムに収録された”Long Train Runnin’“と同じく、ロック史上に残る名曲だと思います。
歌詞の和訳(China Grove チャイナ・グローブ)
(原詞:太文字)
China Grove
When the sun comes up on a sleepy little town *1
日が昇ってくる、のどかな小さな町に
Down around San Antone *2
サンアントニオ近くの
And the folks are risin’ for another day
住人達は起き出して、朝を迎えてる
‘Round about their homes
家の周りに集まって
The people of the town are strange
その町の人たちは、変わっていて
And they’re proud of where they came
彼らは、出身地に誇りをいだいてる
Well, you’re talkin’ ‘bout China Grove *3
そう、話してるのはチャイナ・グローブのことさ
Oh, China Grove
ああ、チャイナ・グローブさ
Well, the preacher and the teacher
そして、牧師や教師たち
Lord, they’re a caution
なんと、彼らが要注意人物なのさ
They are the talk of the town *4
彼らが、町の噂の出処なのさ
When the gossip gets to flyin’
いったん噂が流れ始めたら
And they ain’t lyin’
彼らは、寝ようともしない
When the sun goes fallin’ down
日が暮れても
They say that the father’s insane
彼らは言っている、父親たちが狂ってる
And dear Mrs. Perkin’s a game *5
親しいパーキン夫人が遊んでるからと
We’re talkin’ ‘bout the China Grove
話してるのはチャイナ・グローブのことさ
Oh, China Grove
ああ、チャイナ・グローブさ
But every day there’s a new thing comin’
だが毎日、新しいことがやってくる
The ways of an oriental view
東洋を見るような様式などが
The sheriff and his buddies
保安官とその補佐たちは
With their samurai swords
侍の刀を持ち
You can even hear the music at night
夜になってもまだ、音楽が聞こえてる
And though it’s a part of the Lone Star State *6
ここは、テキサス州の一部だけど
People don’t seem to care
人々は、気にもしないようだ
They just keep on lookin’ to the East
彼らは、東方にだけ目を向け続けてる
Talkin’ ‘bout the China Grove
話してるのはチャイナ・グローブのことさ
Oh, China Grove
ああ、チャイナ・グローブさ
キーワード
*1. sleepy:ここでは「眠い」ではなく、「平穏な」「(少し)退屈な」のニュアンスで「のどかな」としました。
*2. San Antone:「サンアントニオ」アメリカ合衆国のテキサス州にある都市
*3. China Grove :China Groveは実在する街でありますが、直訳すると「中華の森」でしょうか?
私は「中華街」をイメージします。
*4 the talk :talk the talk「口先だけ」のニュアンスから「噂の出処」としました。
*5 game :スラング的なニュアンスで「何かをする」、「やる」の意味で「遊んでいる」としました。
私は、町のお父さん方がパーキン夫人に誘惑されているイメージを抱きます。
*6 the Lone Star State :テキサス
アーティストの紹介(Doobie brothers ドゥービー・ブラザーズ)
【名 前】Doobie brothers(ドゥービー・ブラザーズ)
【結 成】1970年初頭
【結成地】アメリカ・カリフォルニア州サンノゼ
【概 要】
1970年初頭に結成され1980年代にかけて活躍し、グラミー賞を受賞するなど、音楽史において重要な位置を築いた。
彼らの音楽はロック、ソウル、R&B、カントリーなどの要素を取り入れたサウンドで、多くの人々に愛され、今でも多くのファンに支持されている。
1972年の2枚目のアルバム「トゥールーズ・ストリート」からシングル・リリースした「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」がビルボードHot100で11位を記録し、メジャーとしての知名度を得た。
当初のメンバーはトム・ジョンストン(Vo.Gt.)、パトリック・シモンズ(GT.Vo.)、ジョン・ハートマン(Drum)、デイヴ・ショグレン(Bass)だった。
その後、新たなメンバーも加わり、ツインドラム、ツインギター等のファンキーなリズムセクションは人気を集めた。
1973年リリースの「キャプテン・アンド・ミー」から「ロング・トレイン・ランニン」「チャイナ・グローヴ」がヒットし、1974年リリースの「ドゥービー天国」から「ブラック・ウォーター」が全米1位となり、アメリカン・ロックを代表するバンドとなった。
その後、健康問題で一時脱退したトム・ジョンストン(Vo.Gt.)の代わりに、マイケル・マクドナルドが加入し、サウンドもAOR色の強いものへ変化していった。
1976年にリリースした「テイキン・イット・トゥ・ザ・ストリート」がヒットし、1978年リリースのアルバム「ミニット・バイ・ミニット」に収録された同名曲と「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」は全米1位を獲得した。
その後も、メンバー交代を重ねつつも、結成時からのパトリック・シモンズを中心に、2023年現在もツアーを行っており、多くのファンから支持されている。
アルバムの紹介
1972年 トゥールーズ・ストリート / Toulouse Street
1973年 キャプテン・アンド・ミー / The Captain and Me
1974年 ドゥービー天国 / What Were Once Vices Are Now Habits
1978年 ミニット・バイ・ミニット / Minute by Minute
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