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Evangeline エヴァンジェリン / EmmyLou Harris エミルー・ハリス / The Band ザ・バンド

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目次

曲の紹介(Evangeline エヴァンジェリン)

【曲名】Evangeline(エヴァンジェリン)
【アーティスト】EmmyLou Harris(エミルー・ハリス)、The Band(ザ・バンド)
【作詞・作曲】Robbie Robertson(ロビー・ロバートソン)
【概要】The Bandが1967年の解散コンサート「The Last Waltz」に収録された楽曲で、デュエットしているのはカントリー・ロックを代表するシンガーのエミルー・ハリス。

彼女が1981年にリリースしたアルバム「エヴァンジェリン/Evangeline」にカバーを収録している。
このカバーは、ドリー・パートン、リンダ・ロンシュタットとのデュエットでの演奏となっている。

【記事参照元】エヴァンジェリン (アルバム)-Wikipedia
【歌詞引用元】Emmylou Harris–Evangeline Lyrics (Genius)
【画像引用元】Emmylou Harris-Wikipedia

曲の解釈

この曲は、ザ・バンドのギタリストのロビー・ロバートソンがつくり、彼らの最後の解散コンサート「ラスト・ワルツ」で演奏され、アルバム「The Last Waltz」に収録され、またそのコンサートの映画(The Last Waltz)で観ることができます。

演奏は、フィドル、アコーディオンやマンドリンを使い、アメリカの南部の色を上手く出していて、The Bandとも親しい関係があり、カントリー&ウェスタン、ポップスの女性シンガーのエミルー・ハリスがデュエットしており、とてもいい感じの演奏になっています。

曲は、ロビー・ロバートソンのフィクションですが、とても切なく哀しい内容です。

エヴァンジェリンという女性が主人公で、彼女の恋人(バイユー・サム)はミシシッピ川を往来する川船で、乗客相手に博打を打つギャンブラーだった。

彼が戻ってくる日に、彼女はヒッコリーの丘の上で彼の船(クイーン号)を待っていた。
しかし、そこで彼女が見たものは、嵐の中で沈んでいく彼が乗っていたクイーン号だった。

曲調が明るいだけに、歌詞の内容が分かると、とても切なく哀しい想いが溢れてきます。

The Band & Emmylou Harris 'Evangeline' 1978.avi
Evangeline by The Band & Emmylou Harris

歌詞の和訳(Evangeline エヴァンジェリン)

(原詞:太文字)

Evangeline

She stands on the banks of the mighty Mississippi *1
彼女は立っている、広大なミシシッピ川のほとり
Alone in the pale moonlight
一人、おぼろな月あかりの中
Waiting for a man, a riverboat gambler *2
男を待っている、河船ギャンブラーを
Said that he’d return tonight
彼は今夜、戻ると言った
They used to waltz on the banks of the mighty Mississippi
二人はよくワルツを踊った、広大なミシシッピ川のほとり
Loving the whole night through
愛し合った、一晩中ずっと
He was a riverboat gambler off to make a killing *3
彼は河船ギャンブラー、大金を稼ぎに行った
And bring it on back to you
君に持って帰るため

Evangeline, Evangeline *4
エヴァンジェリン、エヴァンジェリン
Curses the soul of the Mississippi Queen
呪っている、ミシシッピ・クイーンの魂を
That pulled her man away
それは奪い去った、彼女から彼を

2)
Bayou Sam from South Louisiana *5
バイユー・サムはルイジアナから来ていた
Had gambling in his veins *6
根っから好きなギャンブルをしながら
Evangeline from the maritime *7
海方面から来たエヴァンジェリンは
Was slowly going insane
少しずつ正気を失っていった
High on the top of Hickory Hill
ヒッコリーの丘の頂上高く
She stands in the lightning and thunder
彼女は雷光と雷音の中に立って
Down on the river, the boat was a-sinking
川を見下ろしている、船は沈みかけていた
She watched that Queen go under
彼女は見た、クイーン号が沈んでいくのを

Evangeline, Evangeline
エヴァンジェリン、エヴァンジェリン
Curses the soul of the Mississippi Queen
呪っている、ミシシッピ・クイーンの魂を
That pulled her man away
それは奪い去った、彼女から彼を

Evangeline, Evangeline
エヴァンジェリン、エヴァンジェリン
Curses the soul of the Mississippi Queen
呪っている、ミシシッピ・クイーンの魂を
That pulled her man away
それは奪い去った、彼女から彼を

キーワード

*1. the mighty Mississippi : “mighty”は「強力な」「すばらしい」ですが、ここではミシシッピの広さを表したくて「広大なミシシッピ川」としました。

*2. riverboat gambler : “riverboat”は「川船、河船」ですが、ミシシッピ川で運行するのは大きな外輪船、蒸気ボートですので、その船内で客相手のギャンブルを行う「河舟ギャンブラー」と訳しました。

*3. make a killing : 「大儲けする」から「大金をかせぐ」としました。

*4. Evangeline: 西洋の女性の名前、地名(由来はギリシャ語の「福音」を表す言葉)

*5. the Mississippi Queen: ここでは「ミシシッピ・クイーン号」と「ミシシッピ川(に宿る)女王」を掛け合わせて表現しているように思います。ちなみに、ミシシッピ川を就航する蒸気ボートで「ミシシッピ・クイーン」という船はありませんが、蒸気ボートを表していると思います。

*6. Bayou: 湿地になった入り江や流れの緩い河口で、ミシシッピ川の三角州にみられる。

*7. in his veins: 「静脈に、血管に、葉脈に」から「根っから好きな」としました。

*8. maritime: 「海事の、海洋の」ですが、文脈から「海方面」としました。

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アーティストの紹介

エミルー・ハリス

【名 前】Emmylou Harris(エミルー・ハリス)
【生誕】1947年4月2日
【出身地】アメリカ アラバマ州バーミンガム
【概要】エミルー・ハリスはカントリー・ミュージックの伝統を受け継ぎつつも、新しい音楽スタイルを取り入れ、多くのジャンルで成功を収めた。

若い頃よりフォーク・ミュージックに興味を持ち、1960年代にニューヨークに移り音楽活動を行った。

1976年2枚目のアルバム「Pieces of the Sky」は初めて商業的な成功をおさめた。

1976年「Elite Hotel」、1978年「Quarter Moon in a Ten Cent Town」、1979年「Blue Kentucky Girl」にリリースしたアルバムは、彼女の知名度を上げた。

そして、1980年までにアメリカとカナダのカントリー・チャートで4曲「Together Again、Sweet Dreams、Two More Bottles of Wine、Beneath Still Waters」 のナンバーワン・ヒットを獲得した。

その後リリースしたアルバム、1980年「Roses in the Snow」、1981年「Evangeline」、1982年「Last Date」など、商業的及び批評的にも成功した。

シングル曲としては「Wayfaring Stranger」、「Born to Run」、「Last Date」がトップ10入りした。

1987年リリースのアルバム「Trio」は、ドリー・パートン、リンダ・ロンシュタットと共演し、4枚のトップ10シングルを生み、プラチナ・セールスを記録した。

1992年リリースのライブ・アルバム「At the Ryman」はナッシュビルのライマン公会堂(もとはラジオ番組で使用されており、その後荒廃していたが、ライブ会場として復活させたことが話題を呼んだ。)で録音され、高い評価を得た。その後、ライマン公会堂に高い関心が寄せられ改装され、現在は世界的なコンサート・ホールとなった。

1995年リリースのアルバム「Wrecking Ball」では、新たな音楽的な方向へ進むきっかけを得た。

1999年リリースのアルバム「TrioⅡ」では、ドリー・パートン、リンダ・ロンシュタットと再結成した。

2000年代に入ると、自作曲のシングル「Red Dirt Girl」(2000年)、「All I Intended to Be」(2008年)、「Hard Bargain」(2011年)をリリースし、2006年にはマーク・ノップラーとコラボした「All the Roadrunning」は世界的なヒットを記録した。

彼女がリリースしたアルバムは、世界中で1,500万枚以上を売り上げたと推定されている。

13のグラミー賞を受賞し、27枚のシングルをアメリカのカントリー・チャートでトップ10に入れ、いくつかのアルバムはアメリカでゴールド認定を受けている。

彼女は社会的な問題への取り組みにも積極的で、環境保護やホームレス支援などの慈善活動にも参加している。

エミルー・ハリスは長いキャリアを通じて音楽界に多大な影響を与え、アメリカン・ミュージックの偉大なアーティストの一人として認識されている。

ザ・バンド

【名 前】The Band(ザ・バンド)
【活動期間】1967-1976年(メンバーチェンジにて1983-1999年)
【結成地】アメリカ
【概要】アメリカのロックバンドでオリジナル・メンバーは、ロビー・ロバートソン(Gt.)、リチャード・マニュエル(KB.)、ガース・ハドソン(KB.&アコーデイオン&SAX), 、リック・ダンコ(Bass)、リヴォン・ヘルム(Dr.&Vo.)
※アメリカ出身はリヴォン・ヘルムのみで、他の4人はカナダ出身。

元はアメリカのロックンローラー、ロニー・ホーキンスのバックバンド(ホークス)として活動していたが、その後ボブ・ディランのマネージャー(アルバート・グロスマン)の目に留まり、ボブ・ディランのバックバンドとして活動を始めた。

この時期、ディランはフォーク路線からエレキギターを使用してフォークロックへ転換しており、コンサートツアーの行く先々で、従来のフォークファンから大ブーイングを受けた。

これは、「ロイヤル・アルバート・ホール」での「ライク・ア・ローリングストーン」の動画で様子が伺える。これにより、逆に彼らの知名度を高めた。

その後、ディランの交通事故のアクシデントもあり、ディランの誘いでウッド・ストックに「ビッグ・ピンク」と名づけられた家に住みついた。そこで行われたディランとのセッションは、ロック史上初の海賊盤「Great White Wonder」として流出し、1975年に「地下室(ザ・ベースメント・テープス)」としてリリースとなった。

1968年に「ザ・バンド」と改名し、「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」をリリースし、バンドデビューした。

音楽性はロックにアメリカのルーツ音楽のカントリーやR&Bの要素を取り入れ、高い評価を受けた。また当時より多くのミュージシャンから尊敬を集めた。

特にエリック・クラプトンは、この「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」に衝撃を受け、クリームを去った原因にもなったとも言われている。

1989年にカナダのCanadian Music Hall of Fame殿堂入り、1994年にロックの殿堂入りしている。

ローリング・ストーン誌選定の「歴史上最も偉大な100組のグループ」において第50位にクレジットされる。

代表アルバム

エミルー・ハリス

スタジオ・アルバム

1975年 緑の天使 / Pieces of the Sky

1975年 エリート・ホテル / Elite Hotel

1981年 エヴァンジェリン / Evangeline

1985年 サリー・ローズのバラッド / The Ballad of Sally Rose 

1995年 レッキング・ボール / Wrecking Ball

2000年 レッド・ダート・ガール / Red Dirt Girl

2003年 スタンブル・イントゥ・グレース / Stumble into Grace 

2008年 オール・アイ・インテンディド・トゥ・ビー / All I Intended to Be

2011年 ハード・バーゲン / Hard Bargain

created by Rinker
ワーナーミュージックジャパン
ライブ・アルバム

1992年 アット・ザ・ライマン / At the Ryman 

コラボレーション・アルバム

1987年 トリオ / Trio

1999年 1987年 トリオⅡ / Trio Ⅱ

2006年 オール・ザ・ロードランニング / All the Roadrunning

ベスト・アルバム

1978年 トゥゲザー・アゲイン〜ベスト・オブ・エミルー・ハリス / Best of Emmylou Harris

2005年 ベリー・ベスト・オブ・エミルー・ハリス:ハートエイクス&ハイウェイズ / The Very Best of Emmylou Harris: Heartaches & Highways

ザ・バンド

スタジオ・アルバム

1968年 ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク / Music from Big Pink

1969年 ザ・バンド / The Band

1970年 ステージ・フライト / Stage Fright

1972年 ロック・オブ・エイジズ / Rock Of Ages

1975年 南十字星 / Northern Lights – Southern Cross

ライブ・アルバム

1974年 偉大なる復活 / Before the Flood

1978年 ラスト・ワルツ / The Last Waltz

ベスト・アルバム

2000年 The Band Greatest Hits

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