曲の紹介「I Need To Be In Love 青春の輝き」
インフォメーション
- 曲名:I Need To Be In Love(青春の輝き)
- アーティスト:Carpenters(カーペンターズ )
- 作詞・作曲:Richard Carpenter, John Betts, Albert Hammond
- (リチャード・カーペンター、ジョン・ベティス、アルバート・ハモンド )
- サマリー:
- 1976年にカーペンターズが発表し、同年リリースの7thアルバム「A Kind of Hush/みつめあう恋」に収録された。
- 1976年のアメリカビルボード・ホット100では25位、アメリカビルボード・イージーリスニングでは1位を記録している。
- 記事引用元:
- I Need to Be in Love -Wikipedia
- 青春の輝き-Wikipedia
- The Carpenters-Wikipedia
- 歌詞引用元: I Need to Be in Love-Genius
曲について
この曲は、兄のリチャード・カーペンターによれば、妹のカレン・カーペンターが最も愛した楽曲として知られています。
歌詞は、ただ恋にときめく少女のものではなく、自立した女性が社会や恋愛に対して抱く違和感や葛藤、自分自身への問いを描いています。
歌詞の内容は単なる恋愛感情を描いたものではなく、「不完全な世界の中で完璧を求めてしまう」という深い葛藤や、理想と現実の狭間で揺れ動く複雑な心情が表現されています。
カレン自身も拒食症との闘いや、芸術性と周囲の期待の間で苦しんでいたことを考えると、この歌詞に強く共鳴していたのではないかと考えられます。
日本では1995年にTBSドラマ『未成年』のエンディングテーマに起用されたことで大きなブレイクを果たし、日本独自のベストアルバムは230万枚以上を売り上げる大ヒットとなりました。
透明感のあるカレンの歌声と、イントロのフルートが印象的なこの曲は、複雑な女性の心理を描き、若さゆえの迷いや希望、後悔といった青春特有の感情の複雑さを見事に表現した名曲です。
メロディの情緒的な起伏と随所に織り込まれたマイナーコードによって生み出される独特の世界観は、今なお多くの人々の心を打ち続けています。
歌詞の和訳「I Need To Be In Love 青春の輝き」
(原詞:太文字)
I Need To Be In Love
The hardest thing I’ve ever done
今までで一番むずかしかったことは
Is keep believing
信じ続けること
There’s someone in this crazy world for me
この狂った世界にも私には誰かいると
The way that people come and go
人たちが行き交う道で
Through temporary lives *1
ひと時の生活の中で
My chance could come and I might never know
チャンスは来てもまったく気づかないかもしれない
I used to say “No promises
私はよく言っていた「約束なんてしないで
Let’s keep it simple”
シンプルな関係でいよう」と
But freedom only helps you say good-bye
だけど自由は相手がさよならと言いやすくするだけ
It took a while for me to learn *2
学ぶのに時間がかかった
That nothing comes for free *3
タダで得られるものは何もないと
The price I’ve paid is high enough for me
払った代償は私にはあまりに高すぎた
I know I need to be in love
愛は必要だとわかってる
I know I’ve wasted too much time
あまりに時間を無駄にしたとわかってる
I know I ask perfection of
完璧を求めてるとわかってる
A quite imperfect world
まったく不完全な世界で
And fool enough to think that’s what I’ll find
そしてそれを見つけられると思うほど愚かだと
2)
So here I am with pockets full of good intentions *4
だから私はポケットを善意で一杯にしてここにいる
But none of them will comfort me tonight
だけど今夜はそのどれもが私を癒してくれない
I’m wide awake at four a.m
午前4時に目が覚めている
Without a friend in sight *5
見渡しても友達はいない
Hanging on a hope but I’m alright
希望にぶら下がってるけど大丈夫
I know I need to be in love
愛は必要だとわかってる
I know I’ve wasted too much time
あまりに時間を無駄にしたとわかってる
I know I ask perfection of
完璧を求めてるとわかってる
A quite imperfect world
まったく不完全な世界で
And fool enough to think that’s what I’ll find
そして見つけられると思ってるほど愚かだと
I know I need to be in love
愛は必要だとわかってる
I know I’ve wasted too much time
あまりに時間を無駄にしたとわかってる
I know I ask perfection of
完璧を求めてるとわかってる
A quite imperfect world
まったく不完全な世界で
And fool enough to think that’s what I’ll find
そして見つけられると思ってるほど愚かだと
キーワード
- *1 temporary lives: 直訳では「一時的な生活」から、「ひと時の生活」としました。
- *2 took a while:”take a while”は「(思った以上に)時間がかかる」
- *3 free: 「自由」ではなく「無償」の意味で「タダ」としました。
- *4 good intentions: 「良き意図」の意味で「善意」としました。
- *5 in sight:「視界(の中)には」ですが、文脈から「見渡して」としました。
アーティストの紹介「Carpenters カーペンターズ 」
インフォメーション
- 名前:Carpenters(カーペンターズ )
- メンバー:
- カレン・カーペンター(ボーカル・ドラム(初期))
- リチャード・カーペンター(ピアノ・作曲アレンジ)
- 活動期間:1969-1983年
- 結成地:アメリカカリフォルニア州ロサンゼルス
- サマリー:兄のリチャード・カーペンターと妹のカレン・カーペンターの兄妹で結成されたグループで、1970年代を中心にアメリカの音楽シーンだけでなく、世界的に大成功を収めた。
アーティストの軌跡
兄妹はコネチカット州ニューヘイブンで生まれましたが、1963年にカリフォルニア州ダウニーに移住しました。
リチャードは幼少期からピアノを学び、クラシックからジャズまで幅広い音楽に親しみました。一方、カレンは高校時代にドラムに魅了され、複雑なジャズ曲も演奏できるほどの技術を身につけました。
1965年に初めて兄妹として公の場で演奏を行った後、リチャード・カーペンター・トリオを結成。その後、彼らはスペクトラムというバンドを経て、最終的に「カーペンターズ」としてデュオの形に落ち着きました。
1969年にA&Mレコードと契約し、翌1970年に「(They Long to Be) Close to You」と「We’ve Only Just Begun」で大ブレイクを果たしました。
世界的な成功
14年間のキャリアで、カーペンターズは10枚のスタジオアルバムと数多くのシングルをリリースしました。ビルボードHot 100で3曲の1位、5曲の2位を獲得し、アダルト・コンテンポラリーチャートでは15曲もの1位ヒットを生み出しました。彼らの柔らかく親しみやすいポップスタイルは、ソフトロックやイージーリスニング、アダルト・コンテンポラリーといったジャンルの先駆けとなりました。
オリコンチャートブックの集計によれば、1970年から1989年までの日本における海外アーティスト別アルバム売上枚数で、ビートルズに次いで第2位に位置し、シングル売上枚数では第1位を記録しました。世界的には1億枚以上のレコードを売り上げ、音楽史上最も成功したアーティストの一つとして認められています。
音楽的特徴
カーペンターズの音楽は、感情豊かでメロディアスな点が特徴です。特にカレン・カーペンターの透明感のある深みのあるコントラルト声は、彼らの音楽の中心的な要素として、多くのリスナーに感動と共感をもたらしました。リチャードの巧みな編曲と複数の声を重ねる技術も、彼らの特徴的なサウンドの重要な要素でした。
代表曲には「Close to You」「We’ve Only Just Begun」「Top of the World」「Yesterday Once More」などがあり、これらの楽曲は時代を超えて今もなお愛され続けています。彼らの音楽は、単なるポップスというカテゴリーを超え、普遍的な魅力を持ち続けています。
グループの終焉
1970年代を通じて精力的にツアーを続けた彼らでしたが、次第にその負担が重くのしかかるようになりました。リチャードは1979年に薬物依存症のため1年間の休養を余儀なくされ、一方カレンは深刻な神経性無食欲症と闘っていました。
1983年2月4日、32歳のカレンが神経性無食欲症の合併症による心不全で亡くなり、カーペンターズは活動を終えました。彼女の死は摂食障害に対する社会的関心と研究を促すきっかけとなりました。
カーペンターズの音楽は、カレンの死後も批評家からの高い評価と商業的成功を続けており、彼らが残した楽曲は音楽の歴史に永遠に刻まれています。
ディスコグラフィ
代表曲
- “(They Long to Be) Close to You” (1970)*遥かなる影
- “We’ve Only Just Begun” (1970)*愛のプレリュード
- “Superstar” (1971)
- “For All We Know” (1971)
- “Rainy Days and Mondays” (1971)
- “Hurting Each Other” (1972)
- “Top of the World” (1973)
- “Yesterday Once More” (1973)
- “Sing” (1973)
- “Please Mr. Postman” (1974)
アルバム
1970年 Close to You(遥かなる影)
1971年 Carpenters(カーペンターズ)
1972年 A song for you(ア・ソング・フォー・ユー)
1973年 Now & Then(ナウ・アンド・ゼン)
1975年 Horizon(緑の地平線~ホライゾン)
1976年 A kind of Hush(見つめあう恋)
1977年 Passage(パッセージ)
1995年 青春の輝き~ヴェリー・ベスト・オブ・カーペンターズ(国内編集版)