曲の紹介「I Shall Be Released アイ・シャル・ビー・リリースト」
インフォメーション
- 曲名:I Shall Be Released (アイ・シャル・ビー・リリースト)
- アーティスト:The Band(ザ・バンド)/ Bob Dylan(ボブ・ディラン)
- 作詞・作曲:Bob Dylan(ボブ・ディラン)
- リリース:1968年8月8日(シングル)
- サマリー:
- ボブ・ディランのバージョンは1967年ザ・ホークス(後のThe Band)の伴奏で「地下室 (ザ・ベースメント・テープス)」に収録された。
- ザ・バンドのバージョンは1968年7月リリースのファースト・アルバム「Music from Big Pink/ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」に収録され、1968年8月にシングル「The Weight/ザ・ウェイト」のB面でリリースされた。
- 記事参照元:
- アイ・シャル・ビー・リリースト-Wikipedia
- ザ・バンド-Wikipedia
- 原詞引用元:The Band–I Shall Be Released Lyrics-Genius
曲について
「I Shall Be Released」は、1967年にボブ・ディランとザ・バンド(当時はザ・ホークス)が、ウッドストックの「ビッグ・ピンク」と呼ばれる家で非公式で収録し、翌年1968年にザ・バンドのファーストアルバム用に録音されリリースされました。
ボブ・ディランの「ハリケーン」は、黒人ボクサー、ルービン・カーターの人種差別による冤罪事件を歌ったものと言われており、この「I shall be released」も、一説によると主人公は冤罪で刑務所で囚われていて、いつか自由になることを願いつづける様子を歌っているのではと言われています。
色んなアーティストがカバーしていて、日本ではザ・ディランII(セカンド)が「男らしいってわかるかい」の訳詞カバーが有名です。
曲の動画
- 以下の動画をアップしています。
- I Shall Be Released The Band@TheBandOfficial
- Bob Dylan – I Shall Be Released (Official Audio)
- I Shall Be Released (Finale) (Concert Version) (Ensemble)
- 以下の動画をリンクしています。
- The Band: I Shall Be Released (The Last Waltz)(Héctor Coloradoさんの動画)
- The Band: I Shall Be Released (The Last Waltz)(Héctor Coloradoさんの動画)
- 「ラストワルツ」はザ・バンドが、1976年11月25日にウインターランド(サンフランシスコ)で行った解散コンサートで、たくさんの有名なゲスト・ミュージシャンが参加し、共演しています。
歌詞の和訳「I Shall Be Released アイ・シャル・ビー・リリースト」
(原詞:太文字)
I shall be released
They say everything can be replaced
すべてのモノは変えられると言う
They say every distance is not near
どんな距離も近くはないと言う
So I remember every face
だから俺はどの顔も忘れない
Of every man who put me here
俺をここに押し込めた奴ら全員の
I see my light come shining
輝く俺の光が見える
From the west down to the east *1
西から東へ沈んでいく
Any day now, Any day now, *2
もうすぐ、もうすぐ
I shall be released
俺は自由になる
2)
They say every man needs protection
人はみな加護が必要だと言う
They say that every man must fall
人はみな倒れなければならないと言う
Yet I swear I see my reflection, *3
だが俺は自分の姿を見ると誓う
Somewhere so high above the wall
あの壁のはるか上を超える
I see my light come shining
輝く俺の光が見える
From the west down to the east
西から東へ沈んでいく
Any day now, Any day now,
もうすぐ、もうすぐ
I shall be released
俺は自由になる
3)
Now yonder stands a man in this lonely crowd *4
この孤独な群衆の中、男があそこで立っている
A man who swears he not to blame *5
男は、断じて無実だと言っている
All day long I hear him shouting so loud
一日中、彼が大声で叫ぶのが聞こえる
Just crying out that he was framed *6
自分は、はめられたと叫んでる
I see my light come shining
輝く俺の光が見える
From the west down to the east
西から東へ沈んでいく
Any day now, Any day now
もうすぐ、もうすぐ
I shall be released
俺は自由になる
キーワード
- *1. From the west down to the east:「西から上って東へ沈む」くらいあり得ない奇跡を起こしてでも、という意味だと思います。
- *2. Any day now: 「いつの日か」「もうすぐ」「今すぐにでも」
- *3. Reflection:「反射」この場合は、「(いつかあの塀を乗り越える)自分の影」の意味で「自分の姿」としました。
- *4. lonely crowd:「孤独な群衆」1950年にアメリカの社会学者・デイヴィッド・リースマンによって発表された著作名を引用したのでは?と言われています。
- *5. not to blame: 「責めはない」「責められない」ですが、文脈から「無実だ」としました。
- *6. was framed: 「わなにはめられた」「無実の罪を受けた」
アーティストの紹介「The Band ザ・バンド」
インフォメーション
- 名前:The Band(ザ・バンド)
- オリジナル・メンバー:
- ロビー・ロバートソン(Gt.)
- リチャード・マニュエル(KB.)
- ガース・ハドソン(KB.&アコーディオン&SAX),
- リック・ダンコ(Bass)
- リヴォン・ヘルム(Dr.&Vo.)
- ※アメリカ出身はリヴォン・ヘルムのみで、他の4人はカナダ出身
- 活動期間:1967-1976年(メンバーチェンジにて1983-1999年)
- 結成地:アメリカ
- サマリー:ザ・バンドは、カナダでロニー・ホーキンス(アメリカのロックンローラー)のバックバンド(ザ・ホークス)として結成され、1960年代から1970年代にかけてアメリカで活躍したロックバンドで、ボブ・ディランのバックバンドとしての活動を経て、独自の音楽スタイルを確立した。
アーティストの軌跡
ボブ・ディランは、フォーク、ロック、ブルースなど様々な音楽の境界線を押し広げ、時代を映し出す詩的な歌詞で、世代を超えて人々の心を捉えてきました。その名は、半世紀以上にわたり、ロックの歴史そのものとして、音楽界に燦然と輝いています。
幼少期から音楽に親しんだディランは、ハイスクール時代にエルヴィス・プレスリーらに憧れ、バンドを組んで演奏活動を始めます。1959年にはミネソタ大学に進学しますが、半年後には中退し、フォークシンガーとしての活動を始めます。この頃、ウディ・ガスリーの音楽に大きな影響を受け、ニューヨークへと旅立ちます。
1962年 デビューアルバム『ボブ・ディラン』をリリース、1963年2枚目のアルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』をリリースし、収録曲の「風に吹かれて」をPPMがカバーして大ヒットし、ボブ・ディランの名を広めました。
彼の代表曲「風に吹かれて」や「The Times They Are a-Changin’」などは、当時のアメリカの差別社会に対する公民権運動や反戦運動のアンセムともなり、公民権運動が高まりを見せていたアメリカにおいて、ディランは次第に「フォークの貴公子」として多大な支持を受け、時代の代弁者とみなされるようになっていきました。
1965年リリースされた「ライク・ア・ローリング・ストーン」では、エレキギターを持ち、バックにThe Bandを従えてロックの演奏に切り替え、フォークからフォークロックへ演奏形態を変えました。
1966年ロイヤル・アルバートホールでのライブで、観客から「ユダ(裏切者)」と言われ、それに対して音量を上げて演奏したエピソードがライブ動画に残っています。
フォークからロックへの転換は物議を醸しましたが、「ライク・ア・ローリング・ストーン」「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」「追憶のハイウェイ61」「ブロンド・オン・ブロンド」など、60年代を代表する数々の名盤を生み出しました。
その後、多くの賞(2012年大統領自由勲章、グラミー賞10回以上、アカデミー賞等)を受賞し、2016年「偉大なアメリカ音楽の歴史上で、新しい詩的表現を生んだ」としてノーベル文学賞を受賞しています。
彼は賞や名誉に興味がないのか、あるいは自分の音楽が文学として認められたことに対する抵抗があったのかもしれませんが、当初受賞に無反応で授賞式も欠席しています。
いろいろ批判もあるようですが、彼はアルバムのタイトル「フリーホイーリン(自由奔放)」通りの人で、とてもボブ・ディランらしいなと個人的には思います。
ディスコグラフィー
- オリジナル・アルバム
- 1968年 ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク Music From Big Pink (ゴールドディスク)
- 1969年 ザ・バンド The Band (プラチナディスク)
- 1970年 ステージ・フライト Stage Fright (ゴールドディスク)
- 1971年 カフーツ Cahoots
- 1972年 ロック・オブ・エイジズ Rock Of Ages (ゴールドディスク)
- 1973年 ムーンドッグ・マチネー Moondog Matinee
- 1975年 南十字星 Northern Lights – Southern Cross
- 1977年 アイランド Islands
- 1978年 ラスト・ワルツ The Last Waltz
- 再結成後
- 1993年 ジェリコ Jericho
- 1996年 ハイ・オン・ザ・ホッグ High On The Hog
- 1998年 Jubilation(※日本未発売)
- 編集盤、ベスト・アルバム
- 1976年 軌跡 The Best Of The Band (ゴールドディスク)
- 1978年 アンソロジー Anthology
- 1989年 トゥ・キングダム・カム To Kingdom Come
- 1995年 ライヴ・アット・ワトキンス・グレン Live at Watkins Glen
- 1999年 ※日本未発売 The Best of The Band, Vol. II
- 2000年 グレイテスト・ヒット Greatest Hits
- ボックス・セット
- 1994年 グレイト・ディバイド・ボックス Across The Great Divide
- 2002年 ラスト・ワルツ完全版 The Last Waltz
- 2005年 ザ・バンド・ボックス ミュージカル・ヒストリー A Musical History
- ボブ・ディランと共演
- ブロンド・オン・ブロンド – Blonde On Blonde(1966年)
- セルフ・ポートレイト – Self Portlate(1970年)
- ウディ・ガスリー・メモリアル・コンサート – A Tribute To Woody Guthrie, Part 1(1972年)
- プラネット・ウェイヴズ – Planet Waves(1974年)
- 偉大なる復活 – Before the Flood(1974年)(プラチナディスク)
- 地下室(ザ・ベースメント・テープス) – The Basement Tapes(1975年)(ゴールドディスク)
- ロイヤル・アルバート・ホール(ブートレッグ・シリーズ第4集) – The Bootleg Series Vol. 4: Bob Dylan Live 1966, The “Royal Albert Hall” Concert(1998年、リヴォン・ヘルムを除く)
*引用元:ザ・バンド-Wikipedia
アルバム
1968年 ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク / Music from Big Pink
1969年 ザ・バンド / The Band
1970年 ステージ・フライト / Stage Fright
1972年 ロック・オブ・エイジズ / Rock Of Ages
1975年 南十字星 / Northern Lights – Southern Cross
ライブ・アルバム
1974年 偉大なる復活 / Before the Flood
1978年 ラスト・ワルツ / The Last Waltz
ベスト・アルバム
2000年 The Band Greatest Hits