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I’m Not In Love アイム・ノット・イン・ラヴ|10cc テン・シーシー

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目次

曲の紹介|I’m Not In Love アイム・ノット・イン・ラヴ

  • 曲名:I’m Not In Love(アイム・ノット・イン・ラヴ)
  • アーティスト:10cc(テン・シーシー)
  • 作詞・作曲:Eric Stewart(エリック・スチュワート ),Graham Gouldman(グレアム・グールドマン)
  • サマリー:1975年リリースの10ccの3thアルバム「The Original Soundtrack(オリジナル・サウンドトラック)に収められ、全英1位・全米2位を獲得する大ヒットとなり、その後多くのアーティストにカバーされた。
  • 記事参照元:
    • I’m Not In Love-Wikipedia
    • 10cc-Wikipedia
  • 歌詞引用元:10cc–I’m Not in Love Lyrics-Genius
  • 画像引用元:I’m Not In Love-Wikipedia

曲について

この「アイム・ノット・イン・ラヴ」は、エリック・スチュワートが奥さんから「愛してる」を頻繁に言ってくれないの?と言われたことがインスピレーションとなって生まれました。

彼は、「愛してる」という言葉を繰り返すと、逆に意味が薄れてしまうと考え、逆に「愛していない」というキーワードを歌詞にしました。

歌詞の内容は、男の子が女の子をほんとうは大好きなのに、照れくさいのか意地っ張りなのか本人も分からないまま、「恋じゃない」と意地を張っています。

作曲はスチュワートとグールドマンが担当しました。当初はボサノバ風の普通のギター曲として作られましたが、ゴドレイとクレームがその版を気に入らず、一度は破棄されました。

しかし、スタジオのスタッフが曲のメロディを口ずさむのを聞いたスチュワートが再度取り上げることを提案。この時ゴドレイが「楽器を使わず、声だけで作ってみよう」という革新的なアイデアを出しました。

「I’m Not In Love」の最大の特徴は、その革新的な録音技術にあります。バンドは3週間かけて、グールドマン、ゴドレイ、クレームが「ahhh|アー」と歌うコーラスを、半音階の各音符ごとに16回ずつ録音し、各音階に48声のコーラスを重ねました。

録音した声は、約12フィートの長さのテープループを作成し、それぞれの音階ごとにミキシングデスクの別々のチャンネルから流すという手法を取りました。これによってミキシングデスクが「楽器」となり、メンバーたちがフェーダーを上げ下げすることで「和音」を作り出しました。

楽器の使用は最小限に留め、フェンダー・ローズエレクトリックピアノ、ギブソン335エレキギター、ムーグシンセによる心臓の鼓動のような音と、おもちゃのオルゴールだけを使用しています。

曲の中で有名な「Big boys don’t cry(大人の男の子は泣かないわ)」というささやき声は、スタジオの秘書、キャシー・レッドファーンによるもので、偶然彼女がコントロールルームに入ってきた時の声のトーンが完璧だったためレコーディングされました。

リリース当初から音楽メディアから絶賛され、NMEやMelody Maker、Record Mirrorなど各誌から「唯一の素晴らしい曲」「傑出した美しさ」「技術的に完璧なプロダクション」などの評価を受けました。1976年にはIvor Novello Awardで3部門(Best Pop Song, International Hit of the Year, Most Performed British Work)を受賞しています。

この曲はそのイノベーティブなサウンド、特に多重録音によるコーラスの「壁」が特徴的で、その後のポップミュージックに大きな影響を与えました。現在でも映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』での使用など、幅広いメディアで取り上げられ続けています。

「I’m Not In Love」はソフトロックやプログレッシブ・ポップに分類される楽曲で、そのドリーミーでエーテリアルな雰囲気、多重録音による浮遊感のあるコーラスワーク、そして皮肉めいた歌詞とメロディの対比が特徴です。

オリジナルバージョンは約6分間の長さがあり、米国ではショートバージョン(約3分42秒)がリリースされましたが、人気のためすぐに完全版が放送されるようになりました。

曲の動画

以下の動画をアップしています。

  • 10cc – I’m Not In Love-10ccVEVO
  • I’m Not In Love (Live Acoustic Video)-Elle Hollis

以下の動画をリンクしています。

10cc - I'm Not In Love
Elle Hollis - I'm Not In Love (Live Acoustic Video)

歌詞の和訳|I’m Not In Love アイム・ノット・イン・ラヴ

(原詞:太文字)

I’m Not In Love

I’m not in love, so don’t forget it
僕は恋などしていない、だから忘れないで
It’s just a silly phase I’m going through
ただ愚かな時期を通ってるだけ
And just because I call you up *1
君を呼び出したからって
Don’t get me wrong, don’t think you’ve got it made
誤解しないで、うまくいったなんて思わないで

I’m not in love, no, no
恋などしていない、ちがう、ちがうんだ
(It’s because) *2
(それはつまり)

2)
I like to see you, but then again *3
君に会うのは好き、だからって
That doesn’t mean you mean that much to me *4
僕には君がそれほど重要という意味じゃない
So if I call you, don’t make a fuss
だから僕が電話しても、騒がないで
Don’t tell your friends about the two of us
僕たち二人のことは友達には言わないで

I’m not in love, no, no
恋などしていない、ちがう、ちがうんだ
(It’s because)
(それはつまり)

Be quiet, big boys don’t cry
静かに、大きな男の子は泣かない
Big boys don’t cry
大きな男の子は泣かない
Big boys don’t cry
大きな男の子は泣かない
Big boys don’t cry
大きな男の子は泣かない
Big boys don’t cry
大きな男の子は泣かない
Big boys don’t cry
大きな男の子は泣かない

3)
I keep your picture upon the wall
君の写真を壁に掛けてる
It hides a nasty stain that’s lying there
そこの汚いシミをかくしてる
So don’t you ask me to give it back
だから返せとは言わないで
I know you know it doesn’t mean that much to me
僕にはそんな大した意味はないのはわかってるよね
I’m not in love, no, no
恋などしていない、ちがう、ちがうんだ
(It’s because)
(それはつまり)

Ooh, you’ll wait a long time for me
ああ、僕のために長い間待ってくれる
Ooh, you’ll wait a long time
ああ、君は長い間待ってくれる
Ooh, you’ll wait a long time for me
ああ、僕のために長い間待ってくれる
Ooh, you’ll wait a long time
ああ、君は長い間待ってくれる

4)
I’m not in love, so don’t forget it
僕は恋などしていない、だから忘れないで
It’s just a silly phase I’m going through
ただ愚かな時期を通ってるだけ
And just because I call you up
君を呼び出したからって
Don’t get me wrong, don’t think you’ve got it made
誤解しないで、うまくいったなんて思わないで

I’m not in love
恋などしていない
I’m not in love
恋などしていない

キーワード

  • *1 just because: 「~だというだけで~でない、だからと言って~でない」から「(呼び出した)からって」としました。
  • *2 It’s because: 「その理由は」ですが、コーラスでの言葉なので文脈から「その理由は、恋しているから」の意味で、「それはつまり、」としました。
  • *3 then again: 「その反面」「~と思いきや」なので文脈から、「だからって」としました。
  • *4 mean that much to me: “mean much to~” 「~にとって非常に重要」
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アーティストの紹介|10cc テン・シーシー

インフォメーション

  • 名前:10cc(テン・シーシー)
  • オリジナルメンバー
    • エリック・スチュワート Eric Stewart ボーカル、ギター、キーボード
    • ロル・クレーム Lol Creme ボーカル、ギター、キーボード、ギズモ
    • グレアム・グールドマン Graham Gouldman ベース、ギター、ボーカル
    • ケヴィン・ゴドレイ Kevin Godley ボーカル、ドラムス
  • 現メンバー(2022年時点):
    • グレアム・グールドマン Graham Gouldman ベース、ギター、ボーカル
    • ポール・バージェス Paul Burgess ドラムス
    • リック・フェン Rick Fenn ギター
    • キース・ヘイマン Keith Hayman キーボード、ギター
    • イアン・ホーナル Iain Hornal ボーカル、ギター
  • 結成:1972年 結成地:イギリス イングランド ストックポート
  • 公式サイト:https://www.10cc.world/
  • サマリー:10cc(テン・シーシー)は、1972年にイギリスで結成された革新的なロックバンドで、アート・ロック、アート・ポップ、ソフトロックなど幅広いジャンルの音楽性を持ち合わせ、実験的でユーモラスな作風で知られる。

アーティストの軌跡

10ccの音楽は、実験的でユーモラスな作風が特徴で、高度な演奏技術と知的な歌詞によって多くのリスナーを魅了してきました。

オリジナルメンバー4人は、10ccとして活動する前から1960年代より様々な音楽活動を行っていました。グレアム・グールドマンは有名な作曲家として、ヤードバーズやホリーズに楽曲を提供していました。

彼らが10cc名義で活動を始めたのは1972年のこと。デビューシングル「ドナ」が全英2位のヒットとなり、1973年には「ラバー・ブレッツ」で全英1位を獲得しました。

バンド名の由来は、レコード会社社長のジョナサン・キングが夢で見た「世界最高のバンド名」からきています。

1975年には「アイム・ノット・イン・ラヴ」が全英1位、全米2位を記録し、バンドの代表曲となりました。この曲のバックに流れる幻想的なコーラスは、3人の声をテープ編集により624人分に増幅して作成されました。

1976年にはケヴィン・ゴドレイとロル・クレームが脱退するという大きな転機を経験します。

残ったエリック・スチュワートとグレアム・グールドマンは10ccとして活動を継続し、「愛ゆえに(The Things We Do For Love)」や「トロピカル・ラブ(Dreadlock Holiday)」などのヒット曲を送り出しました。

1983年に一度解散しますが、その後も1992年から1995年、そして1999年以降も断続的に活動を続けています。現在は、グレアム・グールドマン主導のもと、新たなメンバーで10ccとして活動を続けています。

10ccは革新的なサウンド、高度な演奏技術、知的でユーモアのある歌詞で知られ、イギリスのロック史に重要な足跡を残したバンドです。

そして「I’m Not In Love」はポップミュージックの傑作として今なお多くの人々に愛され続けています。

ディスコグラフィ

代表曲:

  • 1973年 ラバー・ブリッツ – “Rubber Bullets / Waterfall”
  • 1973年 ドナ – “Donna / Hot Sun Rock”
  • 1975年 I’m Not In Love アイム・ノット・イン・ラヴ 
  • 1977年 愛ゆえに – “The Things We Do For Love / Hot To Trot”
  • 1977年 恋人たちのこと – “People In Love / Don’t Squeeze Me Like Toothpaste”
  • 1978年 トロピカル・ラブ – “Dreadlock Holiday / Nothing Can Move Me”

アルバム:

  • オリジナル・アルバム
    •  1973年『10cc』 – 10cc
    • 1974年『シート・ミュージック』 – Sheet Music 
    • 1975年『オリジナル・サウンドトラック』 – The Original Soundtrack 
    • 1976年『びっくり電話』 – How Dare You!
    • 1977年『愛ゆえに』 – Deceptive Bends 
    • 1978年『ブラディ・ツーリスト』 – Bloody Tourists
    • 1980年『ルック・ヒア』 – Look Hear? 
    • 1981年『ミステリー・ホテル』 – Ten Out of 10
    • 1983年『都市探検』 – Windows in the Jungle
    • 1992年『ミーンホワイル』 – …Meanwhile 
    • 1995年『ミラー・ミラー』 – Mirror Mirror 
  • ライブ・アルバム
    • 1977年『イン・コンサート』 – Live and Let Live
    • 1993年『10cc アライヴ』 – Alive
    • 1995年『キング・ビスケット・ライヴ』 – 10cc In Concert 
    • 2011年『Live In Concert 2011 York』
    • 2011年『Live In Concert 2011 Birmingham』
    • 2011年『Live In Concert 2011 Ipswich』
    • 2014年『10cc ライヴ・イン・コンサート』 – Clever Clogs
    • 2017年『Live In Europe – February-March 2017』
    • 2019年『Live 19』
    • 2022年『Live 22』
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