曲の紹介(Knockin’ on Heaven’s Door 天国への扉)
【曲名】Knockin’ on Heaven’s Door (天国への扉)
【アーティスト】Bob Dylan(ボブ・ディラン)
【作詞・作曲】Bob Dylan(ボブ・ディラン)
【概要】映画「ビリー・ザ・キッド21才の生涯」のサウンドトラックアルバム
「ビリー・ザ・キッド」に収録、シングルとして1973年にリリースされた楽曲。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)では190位にランキングされている。
【記事参照元】天国への扉-Wikipedia
【原詞引用元】Knockin’ on Heaven’s Door-Genius
曲の解釈
この曲は、映画「ビリー・ザ・キッド21才の生涯」の中で、老保安官が死ぬ場面のために書き下ろされたものです。
しかし、この年にアメリカ軍がベトナムから撤退したにもかかわらず、アメリカ国内の反戦の風潮はアメリカの帰還兵たちを責め立て、そのため帰還兵の自殺が後を絶たたず、自殺者の数が戦死者のそれを上回ったそうです。
ディランは、そうした国のために戦ったにもかかわらず、責められ命を絶つ帰還兵たちへの想いと当時の風潮に対する憤りを、この歌に込めたのではないかと思います。
冒頭の歌詞に「Mama take this badge off of me」(ママ、このバッジをはずしてくれ)「I can’t use it anymore」(もうこれ以上、付けていられない)とありますが、これは帰還兵というレッテルをはずしてくれという意味にもとれます。
色々なアーティストがカバーしていますが、ここではエリック・クラプトンとトレイシー・チャップマンのカバーをご紹介します。
歌詞の和訳(Knockin’ on Heaven’s Door 天国への扉)
(原詞:太文字)
Knockin’ on Heaven’s Door
Mama take this badge off of me
ママ、このバッジをはずしてよ
I can’t use it anymore
もうこれ以上付けていられないよ
It’s getting dark, too dark to see
暗くなってきて、暗すぎて何も見えないよ
I feel like I’m knockin’ on heaven’s door
天国の扉をノックしてる気がする
knock, knock, knockin’ on heaven’s door
ノック、ノック、ノックしてる天国の扉を
knock, knock, knockin’ on heaven’s door
ノック、ノック、ノックしてる天国の扉を
knock, knock, knockin’ on heaven’s door
ノック、ノック、ノックしてる天国の扉を
knock, knock, knockin’ on heaven’s door
ノック、ノック、ノックしてる天国の扉を
2)
Mama put my guns in the ground *1
ママ、僕の銃を地面に突き立ててよ
I can’t shoot them anymore
もうこれ以上は撃てないよ
That long black cloud is comin’ down
あの長く暗い雲が降りてきてる
I feel like I’m knockin’ on heaven’s door
天国の扉をノックしてる気がする
knock, knock, knockin’ on heaven’s door
ノック、ノック、ノックしてる天国の扉を
knock, knock, knockin’ on heaven’s door
ノック、ノック、ノックしてる天国の扉を
knock, knock, knockin’ on heaven’s door
ノック、ノック、ノックしてる天国の扉を
knock, knock, knockin’ on heaven’s door
ノック、ノック、ノックしてる天国の扉を
キーワード
- *1. put my guns in the ground:「私の銃を地面に置いて」ではなく、主人公が死んでいく状況なので、「僕の銃を地面に突き立てて」としました。
アーティストの紹介(Bob Dylan ボブ・ディラン)
インフォメーション
- 名前:Bob Dylan(ボブ・ディラン)
- 出生名:ロバート・アレン・ジマーマン(Robert Allen Zimmerman)
- 生誕:1941/5/24-
- 出身地:アメリカ ミネソタ州ヒビング(生誕はミネソタ州ダルース)
- サマリー:
- ボブ・ディランは、アメリカのシンガーソングライターであり、20世紀の音楽シーンにおいて最も影響力のあるアーティストの一人とされている。
- 彼の音楽は、フォーク、ロック、ブルースなど多様なジャンルを融合させ、特に歌詞の文学的な深さが評価されている。
- 公式サイト:https://www.bobdylan.com/
アーティストの軌跡
ボブ・ディランは、フォーク、ロック、ブルースなど様々な音楽の境界線を押し広げ、時代を映し出す詩的な歌詞で、世代を超えて人々の心を捉えてきました。その名は、半世紀以上にわたり、ロックの歴史そのものとして、音楽界に燦然と輝いています。
幼少期から音楽に親しんだディランは、ハイスクール時代にエルヴィス・プレスリーらに憧れ、バンドを組んで演奏活動を始めます。1959年にはミネソタ大学に進学しますが、半年後には中退し、フォークシンガーとしての活動を始めます。この頃、ウディ・ガスリーの音楽に大きな影響を受け、ニューヨークへと旅立ちます。
1962年 デビューアルバム『ボブ・ディラン』をリリース、1963年2枚目のアルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』をリリースし、収録曲の「風に吹かれて」をPPMがカバーして大ヒットし、ボブ・ディランの名を広めました。
彼の代表曲「風に吹かれて」や「The Times They Are a-Changin’」などは、当時のアメリカの差別社会に対する公民権運動や反戦運動のアンセムともなり、公民権運動が高まりを見せていたアメリカにおいて、ディランは次第に「フォークの貴公子」として多大な支持を受け、時代の代弁者とみなされるようになっていきました。
1965年リリースされた「ライク・ア・ローリング・ストーン」では、エレキギターを持ち、バックにThe Bandを従えてロックの演奏に切り替え、フォークからフォークロックへ演奏形態を変えました。
1966年ロイヤル・アルバートホールでのライブで、観客から「ユダ(裏切者)」と言われ、それに対して音量を上げて演奏したエピソードがライブ動画に残っています。
フォークからロックへの転換は物議を醸しましたが、「ライク・ア・ローリング・ストーン」「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」「追憶のハイウェイ61」「ブロンド・オン・ブロンド」など、60年代を代表する数々の名盤を生み出しました。
その後、多くの賞(2012年大統領自由勲章、グラミー賞10回以上、アカデミー賞等)を受賞し、2016年「偉大なアメリカ音楽の歴史上で、新しい詩的表現を生んだ」としてノーベル文学賞を受賞しています。
彼は賞や名誉に興味がないのか、あるいは自分の音楽が文学として認められたことに対する抵抗があったのかもしれませんが、当初受賞に無反応で授賞式も欠席しています。
いろいろ批判もあるようですが、彼はアルバムのタイトル「フリーホイーリン(自由奔放)」通りの人で、とてもボブ・ディランらしいなと個人的には思います。
ディスコグラフィー
- スタジオ・アルバム(発売日・タイトル・USチャート最高順位)
- 1962年 ボブ・ディラン Bob Dylan
- 1963年 フリーホイーリン・ボブ・ディラン The Freewheelin’ Bob Dylan US22
- 1964年 時代は変る The Times They Are a-Changin’ US20
- 1964年 アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン Another Side of Bob Dylan US43
- 1965年 ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム Bringing It All Back Home US6
- 1965年 追憶のハイウェイ61 Highway 61 Revisited US3
- 1966年 ブロンド・オン・ブロンド Blonde on Blonde US9
- 1967年 ジョン・ウェズリー・ハーディング John Wesley Harding US2
- 1969年 ナッシュヴィル・スカイライン Nashville Skyline US3
- 1969年 セルフ・ポートレイト Self Portrait US4
- 1970年 新しい夜明け New Morning US7
- 1973年 ビリー・ザ・キッド Pat Garrett & Billy the Kid US16
- 1973年 ディラン Dylan US17
- 1974年 プラネット・ウェイヴズ Planet Waves US1
- 1974年 血の轍 Blood on the Tracks US1
- 1975年 地下室 (ザ・ベースメント・テープス) The Basement Tapes US7
- 1976年 欲望 Desire US1
- 1978年 ストリート・リーガル Street-Legal US11
- 1979年 スロー・トレイン・カミング Slow Train Coming US3
- 1980年 セイヴド Saved US24
- 1981年ショット・オブ・ラブ Shot of Love US33
- 1983年 インフィデル Infidels US20
- 1985年 エンパイア・バーレスク Empire Burlesque US33
- 1986年 ノックト・アウト・ローデッド Knocked Out Loaded US54
- 1988年 ダウン・イン・ザ・グルーヴ Down in the Groove US61
- 1989年 オー・マーシー Oh Mercy US30
- 1990年 アンダー・ザ・レッド・スカイ Under the Red Sky US38
- 1992年 グッド・アズ・アイ・ビーン・トゥ・ユー Good as I Been to You US51
- 1993年 奇妙な世界に World Gone Wrong US70
- 1997年 タイム・アウト・オブ・マインド Time Out of Mind US10
- 2001年 ラヴ・アンド・セフト Love and Theft US5
- 2006年 モダン・タイムズ Modern Times US1
- 2009年 トゥゲザー・スルー・ライフ Together Through Life US1
- 2009年 クリスマス・イン・ザ・ハート Christmas in the Heart US23
- 2012年 テンペスト Tempest US3
- 2015年 シャドウズ・イン・ザ・ナイト Shadows in the Night US7
- 2016年 フォールン・エンジェルズ Fallen Angels US7
- 2017年 トリプリケート Triplicate US37
- 2020年 ラフ&ロウディ・ウェイズ Rough and Rowdy Ways US2
- 2023年 シャドウ・キングダム Shadow Kingdom US71
- ライブ・アルバム
- 1974年 偉大なる復活 Before the Flood US3
- 1976年 激しい雨 Hard Rain US17
- 1978年 武道館 Bob Dylan at Budokan US13
- 1984年 リアル・ライブ Real Live US115
- 1989年ディラン&ザ・デッド Dylan & The Dead US37
- 1993年 30〜トリビュート・コンサート The 30th Anniversary Concert Celebration US40
- 1995年 MTVアンプラグド MTV Unplugged US23
- 2001年ボブ・ディラン・ライヴ!1961-2000 Live 1961–2000: Thirty-Nine Years of Great
- (日本のみのリリース)
- 2005年 Live at The Gaslight 1962
- 2005年 Live at Carnegie Hall 1963
- 2007年 Live Classics (a.k.a. Classics Live)
- 2011年 ボブ・ディラン・イン・コンサート: ブランダイス・ユニヴァーシティ 1963 In Concert – Brandeis University 1963 US128
- 2016年 リアル・ロイヤル・アルバート・ホール The Real Royal Albert Hall 1966 Concert US113
- 2016年 Live in Sydney 1966(オーストラリアのみのリリース)
- 2018年 ライヴ: 1962-1966〜追憶のレア・パフォーマンス Live 1962–1966: Rare Performances from the Copyright Collections
- 2019年 Bob Dylan – The Rolling Thunder Revue: The 1975 Live Recordings US100
- 2023年 アナザー武道館 The Complete Budokan 1978
- 2024年 The 1974 Live Recordings
- 2024年 The 1974 Live Recordings: The Missing Songs from Before the Flood
- コンピレーション・アルバム
- 1967年 ボブ・ディランのグレーテスト・ヒット Bob Dylan’s Greatest Hits US10
- 1971年 グレーテスト・ヒット第2集 Bob Dylan’s Greatest Hits Vol. II (a.k.a. More Bob Dylan Greatest Hits) US14
- 1978年 傑作 Masterpieces
- 1994年 グレーテスト・ヒット第3集 Bob Dylan’s Greatest Hits Volume 3 US126
- 1997年 ザ・ベスト・オブ・ボブ・ディラン The Best of Bob Dylan
- 2000年 エッセンシャル・ボブ・ディラン The Essential Bob Dylan US67
- 2000年 ザ・ベスト・オブ・ボブ・ディラン VOL.2 The Best of Bob Dylan, Vol. 2
- 2003年 Custom Mix CD
- 2005年 ボブ・ディラン・スクラップブック 1956-1966 The Bob Dylan Scrapbook 1956-
- 2005年 The Best of Bob Dylan US53
- 2006年 Blues
- 2007年 ディラン・ザ・ベスト Dylan US36
- 2008年 ヴェリー・ベスト・オブ・ボブ・ディラン : 1960’s Playlist: The Very Best of Bob
- 2009年 ヴェリー・ベスト・オブ・ボブ・ディラン : 1970’s Playlist: The Very Best of Bob 2009年 Dylan ’70s The Collection
- 2010年 ヴェリー・ベスト・オブ・ボブ・ディラン : 1980’s Playlist: The Very Best of Bob Dylan ’80s
- 2010年 The Best of The Original Mono Recordings US97
- 2011年 All Time Best: Dylan
- 2011年 Pure Dylan: An Intimate Look at Bob Dylan
- 2011年 Beyond Here Lies Nothin’ – The Collection
- 2012年 Super Hits
- 2012年 The Real Bob Dylan
- 2013年 The Very Best of Bob Dylan
- 2013年 Side Tracks (Limited Numbered Edition)
- 2014年 Playlist: The Very Best of Bob Dylan
- 2018年 The Music Which Inspired Girl from the North Country The Original Bob Dylan Recordings
- 2019年 His Ultimate Collection
- 2020年 The Best of The Bootleg Series
- 2023年 マイ・ファースト・ディラン Mixing Up the Medicine / A Retrospective
- 2023年 50th Anniversary Collection 1973
*引用元:ボブ・ディランの作品-Wikipedia
アルバム
1963年 フリーホイーリン・ボブ・ディラン / The Freewheelin’ Bob Dylan
1964年 時代は変わる / The Time They Are a-Changin
1965年 追憶のハイウェイ61 / Highway 61 Revisited
1965年 ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム / Bringing It All Back Home
1966年 ブロンド・オン・ブロンド / Blond on Blonde
1975年 血の轍 / Blood on the Tracks
ライブ・アルバム
1974年 偉大なる復活 / Before the Flood
ベスト・アルバム
1967年 ボブ・ディランのグレーテスト・ヒット / Bob Dylan’s Greatest Hits
1971年 グレーテスト・ヒット第2集 / Bob Dylan’s Greatest Hits Vol. II