曲の紹介「Many Rivers to Cross 遥かなる河」
インフォメーション
- 曲名:Many Rivers to Cross(遥かなる河)
- アーティスト:Jimmy Cliff(ジミー・クリフ)
- 作詞・作曲:Jimmy Cliff(ジミー・クリフ)
- リリース:1969年アルバム「Jimmy Cliff」に収録、リリース
- 1972年サウンド・トラックアルバム「Harder They Come」に収録されリリース
- サマリー:
- ジョン・レノン、ジョー・コッカー、アニマルズ、リンダ・ロンシュタットなど非常に多くのミュージシャンによってカバーされている。
- ローリング・ストーン誌の「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)」において317位にランクインした。
- 記事参照元:
- Many Rivers to Cross-Wikipedia
- Jimmy Cliff-Wikipedia
- 原詞引用元:Genius: Many Rivers to Cross
曲について
ジミー・クリフは1967年にイギリスに移住した後、音楽キャリアの確立に多くの苦労を経験しました。彼は、多くの困難やアイデンティティの模索の中でこの曲を書きました。
彼は「イギリスに来た時、私はまだ10代だった。私は元気いっぱいで来た。成功するんだ、ビートルズやストーンズと肩を並べるんだ。でも、実際にはそうはいかなかった。クラブを回っていただけで、ブレイクすることはなかった。仕事、生活、自分のアイデンティティに悩み、自分の居場所を見つけられなかった。そのフラストレーションがこの曲の原動力になった」とコメントしています。
この曲は、そんな困難な当時のことや想いをストレートに表現しているようです。
“Wandering, I am lost“「さまよい、道に迷ったようだ」
“As I travel along White Cliffs of Dover“「白亜のドーバーの断崖を旅するうちに」
この歌詞は彼が音楽のキャリアを積むために、ヨーロッパ大陸へドーバー海峡を何度も渡った経験から生まれたと言います。人生はうまくいかないことのほうが多いですが、そんな時にこの曲を聴くと背中を押してくれる気がします。
ジミー・クリフの「Many Rivers to Cross」は、彼の個人的な経験と普遍的なメッセージが融合した、時代を超えて聴き継がれる名曲です。
多くのミュージシャンがカバーしていますが、その中でもリンダ・ロンシュタットのカバーが素晴らしいです。
曲の動画
以下の動画をアップしています。
- Jimmy Cliff – Many Rivers To Cross (Lyrics on screen) by R.P.C. Lyric Videos
- Jimmy Cliff – Many Rivers To Cross by worldsgreatestmusic
- Many Rivers to Cross by Linda Ronstadt
歌詞の和訳「Many Rivers to Cross 遥かなる河」
(原詞:太文字)
Many Rivers to Cross
Many rivers to cross
渡るべき河はたくさんあるが
But I can’t seem to find my way over
俺は超える道を見つけられないようだ
Wandering, I am lost
さまよい、道に迷ってる
As I travel along White Cliffs of Dover *1
ドーバーの白い崖を旅するうちに
2)
Many rivers to cross
渡るべき河はたくさんあり
And it’s only my will that keeps me alive
意思の力だけで生きている
I’ve been licked, washed up for years *2
俺は何年も舐められ、洗い流されてきて
And I merely survive because of my pride
プライドだけで生き長らえてる
Oh, that loneliness won’t leave me alone *3
ああ、孤独は俺につきまとった
It’s such a drag to be on your own *4
一人でいるのはとてもしんどいことさ
My woman left and she didn’t say why
彼女は去って行ったが、理由は言わなかった
Well I guess I’ll have to try
まあ、やってみるしかないよな
3)
Many rivers to cross
渡るべき河はたくさんあるが
But just where to begin? I’m playing for time
いったいどこから始めたらいいのか?時間を稼いでるんだ
There’ll be times I find myself
自分に気づくことがたまにあるんだ
Thinking of committing some dreadful crime
なにか恐ろしい犯罪を犯そうと考えてる自分に
Yes, I’ve got many rivers to cross
そう、渡るべき河はたくさんあるが
But I can’t seem to find my way over
俺は超える道を見つけられないようだ
Wandering, I am lost
さまよい、道に迷ってる
As I travel along the White Cliffs of Dover…
ドーバーの白い崖を旅するうちに、、、
キーワード
- *1 White Cliffs of Dover : ドーバーの白い崖 (ドーバーのしろいがけ、White Cliffs of Dover )とは、イギリスのケント州にあるドーバー海峡に面した白亜の崖のこと。
(ドーバーの白い崖-Wikipediaより) - *2
licked:「舐められる」「痛めつけられる」
washed up:「洗った」「しくじった」「失敗した」
※波に削られるドーバーの崖を連想して、「舐められ、洗い流されて」としました。 - *3 that loneliness won’t leave me alone : 「あの孤独は、俺をほっておこうとしない」から「孤独は俺につきまとった」としました。
- *4 It’s such a drag to be on your own : dragは「 邪魔、障害物 · 抗力 」、on one’s ownは「自力で、一人で」から「一人でいるのは、しんどいこと」と訳しました。
アーティストの紹介「Jimmy Cliff ジミー・クリフ」
インフォメーション
- 名前:Jimmy Cliff(ジミー・クリフ)
- 出生名:James Chambers(ジェームズ・チェンバース)
- 生誕:1944年7月30日
- 出身地:ジャマイカ セントジェームス St. James Parish,Colony of Jamaica
- 公式サイト:https://www.jimmycliff.com/
アーティストの軌跡
ジミー・クリフは、17歳の時にプロデューサーのレスリー・コングに見出され、「Hurricane Hattie」でデビュー。レゲエというジャンルが確立される前から、スカやロックステディの分野で活躍し、多くのヒット曲を生み出しました。1964年には、ニューヨークで開催された万国博覧会にジャマイカ代表として出演し、ジャマイカ音楽の魅力を世界に紹介しました。
1965年にロンドンに移住。
1967年に初のアルバム「Hard Road to Travel」を発表。
1969年のリリース曲「Wonderful World, Beautiful People」と1970年の「Vietnam」は世界中でヒットし、ボブ・ディランは、「Vietnam」を彼が聴いた中で最高の抗議歌と呼びました。
1972年に公開された映画『The Harder They Come / ハーダー・ゼイ・カム』では、彼自身を反映した役柄を演じ、この映画はジャマイカの音楽を世界的に広める重要な作品となり、ジミー・クリフは国際的な知名度を得ました。
映画『ハーダー・ゼイ・カム』のサウンドトラックに収録された「Many Rivers to Cross(遥かなる河)」は、彼の代表曲の一つですが、歌詞には彼がイギリスへ渡り音楽のキャリアを積む中での苦難や孤独と戦う姿が描かれています。
1985年に発表したアルバム『Cliff Hanger / クリフハンガー』でグラミー賞を受賞し、1993年には映画『クール・ランニング』の主題歌「I Can See Clearly Now」が大ヒットしました。
ジミー・クリフの音楽は、社会的なメッセージを込めた歌詞で知られており、ジャマイカの政治や貧困、人種差別などについても歌っています。
ジミー・クリフは、ジャマイカ音楽の代表的なアーティストの一人として高く評価され、彼の音楽は多くの人々に支持され、影響を与え続けています。
アルバムの紹介
1972年 The Harder They Come / ザ・ハーダー・ゼイ・カム
1976年 In Concert – The Best of Jimmy Cliff / イン・コンサート