曲の紹介「Piano Man ピアノ・マン」
インフォメーション
- 曲名:Piano Man ピアノ・マン
- アーティスト:Billy Joel ビリー・ジョエル
- 作詞・作曲: Billy Joel ビリー・ジョエル
- リリース:
- 1973年年11月2日 初シングルとしてリリース、1973年11月 2枚目のアルバム「ピアノ・マン」に収録
- サマリー:
- 米国ビルボードホット100で25位を記録し、大ヒットとなった。
- ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)では421位にランクされた。
- 記事参照元:
- Piano Man (song) – Wikipedia
- Billy Joel – Wikipedia
- 歌詞参照元: Billy Joel – Piano Man Lyrics – Genius
曲について
「ピアノマン」は、1973年にリリースされ、ビリー・ジョエルのシンガーソングライターとしての地位を確立しました。この曲は、1972年から1973年にかけて彼自身がロサンゼルスでラウンジミュージシャンとして働いていた実体験に基づいています。
歌詞に登場する人物は、実際に彼が働いていたバーの常連客をモデルにしています。ビリー・ジョエルは、バーのピアノ弾きの視点から、様々な背景を持つ常連客の様子や心情を巧みに描写しています。特に印象的なのは、彼らが抱える孤独や哀愁、そして一瞬の安らぎを求める姿です。
バーという場所は、まるで人生の縮図のようです。そこには、仕事や生活に疲れ、人生を諦めかけた人々が集まり、ひと時の安らぎを求めて酒を飲み、歌を歌う姿が見事に描かれています。彼らは、現実の厳しさを忘れ、音楽と酒に慰めを求めます。
歌詞を追いながら曲を聴くと、まるで自分もバーにいるかのような錯覚を覚えます。ピアノの旋律とハーモニカの音色が、歌詞の世界観をより一層引き立て、聴く人の心に深く響きます。この曲は、単なる懐かしさだけでなく、現代を生きる私たちにも共通する感情を呼び起こします。
楽しい雰囲気の中に人生の哀愁を奏でる「ピアノマン」は、時代を超えてもその魅力が衰えることがない名曲です。
曲の動画
以下の動画をアップしています。
- 1973年アルバム「Piano Man」バージョン
- Billy Joel – Piano Man (Official HD Video)
歌詞の和訳「Piano Man ピアノ・マン」
(原詞:太文字)
Piano Man
It’s nine o’clock on a Saturday
土曜日の9時
The regular crowd shuffles in *1
馴染みの連中がぞろぞろ入る
There’s an old man sittin’ next to me
隣には老人が座り
Makin’ love to his tonic and gin
トニックとジンを愛おしんでる
He says, “Son, can you play me a memory?
彼は言った「若いの、俺に想い出を弾いてくれないか?
I’m not really sure how it goes
どんな調子だったかは確かじゃないが
But it’s sad, and it’s sweet, and I knew it complete
それは哀しく、甘く、そして完璧に覚えてた
When I wore a younger man’s clothes”
若者の服を着てた頃にはね」
La, la-la, di-dee-da
ラ、ララ、ディディーダ
La-la, di-dee-da da-dum
ララ、ディディーダ、ダダム
Sing us a song, you’re the piano man
歌ってくれ、ピアノマンよ
Sing us a song tonight
今夜俺たちに歌ってくれ
Well, we’re all in the mood for a melody
みんなメロディを聴きたい気分で
And you’ve got us feelin’ alright
君なら気分よくしてくれる
2)
Now John at the bar is a friend of mine
さて、バーのジョンは俺の友人で
He gets me my drinks for free
ただで酒を飲ましてくれる
And he’s quick with a joke, or to light up your smoke
彼は機敏にジョークを飛ばし、相手の煙草に火を点ける
But there’s someplace that he’d rather be
だが本当は居たい場所がある
He says, “Bill, I believe this is killing me”
彼は言う「ビル、ここにいたら死にそうだ」
As the smile ran away from his face
彼は顔から笑みを消しながら
“Well, I’m sure that I could be a movie star
「俺はきっと映画スターになれるんだ
If I could get out of this place”
もしここから抜け出せればね」
La, la-la, di-dee-da
ラ、ララ、ディディーダ
La-la, di-dee-da da-dum
ララ、ディディーダ、ダダム
3)
Now Paul is a real estate novelist *2
さて、ポールは不動産屋で小説家
Who never had time for a wife *3
妻を持つ暇もなかった
And he’s talkin’ with Davy, who’s still in the navy
その彼が話しているのはデイヴィーで、まだ海軍にいる
And probably will be for life
たぶん一生いるんだろう
And the waitress is practicing politics *4
ウェイトレスは巧みな駆け引きをして
As the businessmen slowly get stoned
ビジネスマンたちはゆっくりと酔っぱらっていく
Yes, they’re sharing a drink they call loneliness
まさに、孤独と呼ぶ飲み物を分け合いながら
But it’s better than drinkin’ alone
だけど一人で飲むよりかはましさ
Sing us a song, you’re the piano man
歌ってくれ、ピアノマンよ
Sing us a song tonight
今夜俺たちに歌ってくれ
Well, we’re all in the mood for a melody
みんなメロディを聴きたい気分で
And you’ve got us feelin’ alright
君なら気分よくしてくれる
4)
It’s a pretty good crowd for a Saturday
土曜にしては結構な入りで
And the manager gives me a smile
マネージャーが微笑みかける
‘Cause he knows that it’s me they’ve been comin’ to see
みんなが観に来てるのは僕だと知ってるから
To forget about life for a while
少しの間、人生を忘れるために
And the piano, it sounds like a carnival
ピアノはまるでカーニバルの響き
And the microphone smells like a beer
マイクはビールのような匂い
And they sit at the bar and put bread in my jar *5
彼らはバーに座り、金を俺の瓶に入れる
And say, “Man, what are you doin’ here?”
そして言う「お前、こんなところで何してるんだ?」と
La, la-la, di-dee-da
ラ、ララ、ディディーダ
La-la, di-dee-da da-dum
ララ、ディディーダ、ダダム
Sing us a song, you’re the piano man
歌ってくれ、ピアノマンよ
Sing us a song tonight
今夜俺たちに歌ってくれ
Well, we’re all in the mood for a melody
みんなメロディを聴きたい気分で
And you’ve got us feelin’ alright
君なら気分よくしてくれる
キーワード
- *1 shuffles in : “shuffle”は「混ぜる」「(足を)引きづって歩く」という意味から、「ぞろぞろ入る」としました。
- *2 a real estate novelist : “real estate“は「不動産」、”novelist“は「小説家」で、不動産屋で小説家でもある意味で「不動産屋で小説家」としました。
- *3Who never had time for a wife : 直訳では「妻のために時間を割けない人」ですが、家庭を持つ時間を持てなかったいう意味で「妻を持つ暇もなかった」としました。
- *4 practicing politics:直訳では「政治を実践している」ですが、”politics”は客を酔わせるための「巧みな政治的なやり取り」の意味で、「巧みな駆け引き」としました。
- *5 bread :「パン」ではなく「(生計を立てる)糧」の意味で「金(かね)」としました。
アーティストの紹介「Billy Joel ビリー・ジョエル」

インフォメーション
- 名前:Billy Joel(ビリー・ジョエル)
- 本名:William Martin Joel(ウィリアム・マーティン・ジョエル)
- 生誕:1949年5月9日
- 出身地:アメリカニューヨーク州ニューヨーク市サウス・ブロンクス
- サマリー:
- ビリー・ジョエルは、1949年5月9日にニューヨーク市のブロンクスで生まれたアメリカのシンガーソングライター兼ピアニスト。
- 彼は1973年に発表した楽曲「Piano Man」にちなんでニックネーム「ピアノマン」と呼ばれ親しまれている。
- ジョエルは1970年代からソロアーティストとして成功を収め、世界中で1億6,000万枚以上のレコードを売り上げている。
アーテイストの軌跡
ビリー・ジョエルは、アメリカを代表するシンガーソングライターであり、ピアニストです。「ピアノ・マン」の愛称で親しまれる彼は、1970年代から音楽界の第一線で活躍し続けています。
幼少期からピアノに親しんだジョエルは、クラシック音楽を基礎としながらも、ロックやポップスなど幅広い音楽ジャンルに影響を受けました。高校を中退して音楽の道へ進み、初期には「The Hassles」や「Attila」といったバンドにも参加しています。
1971年にソロデビューを果たし、1973年発表のアルバム「Piano Man」で一躍脚光を浴びました。タイトル曲は彼の代表曲となり、その後の音楽キャリアを支える礎となっています。1977年のアルバム「The Stranger」は1000万枚を超えるセールスを記録し、「Just the Way You Are」や「Movin’ Out」などのヒット曲を生み出しました。
1980年代に入ると、ジョエルは音楽性をさらに広げ、ロック色の強いアルバム「Glass Houses」(1980年)をリリース。シングルカットされた「It’s Still Rock and Roll to Me」が、初のビルボードホット100での1位を獲得した。
1983年の『An Innocent Man』では、1950年代のリズム・アンド・ブルースやドゥーワップにオマージュを込め、「Uptown Girl」などの名曲を収録した。
ジョエルの楽曲は、個人的な体験や社会的な出来事を反映したものが多く、聴く人の心に深く響くメッセージを持っています。1980年代以降は、政治的なテーマを扱った楽曲も発表しており、音楽を通して社会に問いかける姿勢も示しています。
ジョエルはアメリカ国内だけでなく、世界中でツアーを行い、多くのファンを魅了してきました。1987年には、ソビエト連邦で初のロックツアーを行ったアーティストとしても知られています。
これまでに23回のグラミー賞にノミネートされ、「52nd Street」でのアルバム・オブ・ザ・イヤー賞も含めて6回受賞。1992年にはソングライターの殿堂入り、1999年にはロックの殿堂入りを果たしました。
2001年には、クラシックアルバム「Fantasies & Delusions」を発表し、新たな音楽の可能性を追求しています。2023年にはスティーヴィー・ニックスとのジョイントツアーを行い、2024年には新曲「Turn the Lights Back On」を発表するなど、精力的な音楽活動を続けています。
ビリー・ジョエルは、音楽を通して時代を映し出し、人々の心に寄り添う楽曲を数多く生み出してきました。彼の音楽は、これからも世代を超えて愛され続けるでしょう。
ディスコグラフィ
代表曲
- 1973 Piano Man ピアノ・マン
- 1977 Just the Way You Are 素顔のままで
- 1977 Movin’ Out
- 1978 My Life マイ・ライフ
- 1980 It’s Still Rock and Roll to Me ロックンロールが最高さ
- 1983 Uptown Girl アップタウン・ガール
- 1989 We Didn’t Start the Fire ハートにファイア
代表アルバム
- 1973 Piano Man ピアノ・マン
- 1977 The Stranger ストレンジャー
- 1978 52nd Street ニューヨーク52番街
- 1980 Glass Houses グラス・ハウス
- 1983 An Innocent Man イノセント・マン
1973年 Piano Man / ピアノ・マン
1977年 The Stranger / ストレンジャー
1976年 / Turnstiles / ニューヨーク物語
1978年 52nd Street / ニューヨーク52番街
1980年 Glass Houses
1983年 An Innocent Man / イノセント・マン
1989年 Storm Front
2006年 Billy Joel The Ultimate Collection / ビリー・ザ・ヒッツ