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Scarborough Fair スカボロー・フェア / Simon & Garfunkel サイモン&ガーファンクル

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目次

曲の紹介(Scarborough Fair スカボロー・フェア)

【曲 名】Scarborough Fair(スカボロー・フェア)
【アーティスト】Simon & Garfunkel(サイモン&ガーファンクル)
【作詞】【作曲】不詳(イギリスの民謡)
【概 要】この曲はもとは、イギリスの民謡で伝統的に伝承されてきたバラッド/Balladである。(物語を詩的な曲調で語り継いでいき、テーマはロマンス、歴史等いろいろだけれど、必ず破局に終わるとのこと)

1966年にサイモン&ガーファンクルがカバーし、アルバム『Parsley, sage, rosemary and thyme/パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』に収録された。

Scarborough Fair / Canticle(スカボロー・フェア/詠唱)はポール・サイモンの反戦的な歌詞に、アート・ガーファンクルがメロディーを付けて、原曲に呼応するような詠唱を入れている。

1967年に映画「The Graduate(卒業)」の挿入歌に使われ、「The Sound of Silence」と同じく世界的なヒットとなった。

【記事参照元】スカボロー・フェア-Wikipedia
【原詞引用元】Simon & Garfunkel–Scarborough Fair/Canticle Lyrics-Genius

曲の解釈

この歌詞は、スカボロー(スカ―ブラ)の市場に行く知人へ、そこに住んでいるであろう、かつての愛する女性に向けての伝言を頼む内容です。

その伝言とは、「針で縫わずに縫い目も無いシャツを作ってほしい」や「海岸近くの海の中に1エーカーの土地を探してほしい」、「皮革でできた鎌で刈り取って~」など不可能なことばかりの難題ばかりです。

どうして、こんな伝言をたのむのか?と思いましたが、ヒントは(1)最後の
「She once was a true love of mine」のような気がします。

つまり、”once””was”が使われているということは、”彼女はかつての恋人だった”過去形であり、
現在はすでに彼女はいないと読めます。

おそらく中世当時のイギリスでは戦争が多く、彼女もその犠牲になり、すでにこの世にいない。

今もなお、彼女を愛し続ける主人公は伝言として言いたかったのは、その伝言がもし彼女に伝わり、その無理難題が万が一にも叶えば、また愛する彼女が自分の元へ現れてくれる、戻ってくれるという奇跡を心から願っているということだと思いました。

そう解釈すると、この歌はイギリス民謡として、実際の歴史の中で起きたことを歌い継がれてきたのだなと思います。

また、すべての章にはいっているコーラス「Parsley, sage, rosemary and thyme」はハーブの名前です。

これらのハーブを、彼女は大切に庭で育てていた、そんな幸せな情景が思い浮かびます。

そう読み解くと、なんて切ない歌詞だろうと泣けてきます。(この詩の主人公は男性ですが、原詩は語り継がれる中で、色々なバージョンがあり、主人公が女性版もあるようです。)

Scarborough Fair / Canticle(スカボロー・フェア/詠唱)の歌詞は、彼らがカバーした1966年当時アメリカはベトナム戦争の最中であり、反戦の意味を込めて詠唱を入れたと思います。
(ご参考までに、詠唱部分も最後に訳しました。)

Simon & Garfunkel - Scarborough Fair (from The Concert in Central Park)
Canticle(詠唱)なし

歌詞の和訳(Scarborough Fair スカボロー・フェア)

(原詞:太文字)

Scarborough Fair

Are you going to Scarborough Fair? *1
スカボロー市へ行かれるのですか?
Parsley, sage, rosemary and thyme
パセリ、セージ、ローズマリータイム
Remember me to one who lives there *2
よろしく伝えて下さい、そこに住んでいるあの人に、
She once was a true love of mine
彼女は昔、私が心から愛した人だった

2)
Tell her to make me a cambric shirt
彼女に伝えてください、キャンブリック地のシャツを仕立ててと
Parsley, sage, rosemary and thyme
パセリ、セージ、ローズマリータイム
Without no seams nor needle work
縫い目も無く、針も使わずにできたら
Then she’ll be a true love of mine
それで、彼女は私の真実の愛となって現れる

3)
Tell her to find me an acre of land *3
彼女に伝えてください、1エーカーほどの土地を見つけてくれと
Parsley, sage, rosemary, and thyme
パセリ、セージ、ローズマリータイム
Between the salt water and the sea strand
海水と岸との間に
Then she’ll be a true love of mine
それで、彼女は私の真実の愛となって現れる

4)
Tell her to reap it in a sickle of leather
彼女に伝えてください、皮革の鎌で刈り取ってくれと
Parsley, sage, rosemary and thyme
パセリ、セージ、ローズマリータイム
And to gather it all in a bunch of heather *4
そして、全部集めてヘザーの束にしてほしいと
Then she’ll be a true love of mine
それで、彼女は私の真実の愛となって現れてくれる
She once was a true love of mine

彼女は昔、私が心から愛した人だった


Canticle(詠唱)

2)
On the side of a hill in the deep forest green
深い森の緑に覆われた、ある小山の斜面で
Tracing of sparrow on snow-crested brown
スズメを追いかけている、雪をかぶった茶色の
Blankets and bedclothes the child of the mountain
毛布とシーツに包まれて、山の妖精は
Sleeps unaware of the clarion call
進軍ラッパにも気づかず寝ている

3)
On the side of a hill, a sprinkling of leaves
小山の斜面では、舞い散る落ち葉が
Washes the grave – with silvery tears
墓を洗っている、銀色の粒の涙で
A soldier cleans – and polishes a gun
兵士は手入れをしている、銃を磨いて

4)
War bellows blazing in scarlet battalions
戦いが始まり、戦火が軍勢を緋色に染めた
Generals order their soldiers to kill
将軍は兵士たちに殺すよう命じ
And to fight for a cause – they’ve long-ago forgotten
そして戦えと、自分たちさえ、戦う意味も忘れているのに

キーワード

*1 Scarborough Fair:スカボロー(スカ―ブラ、スカーバラ)はイングランド・ノース・ヨークシャーの北海海岸沿いの町で大きな市が古くから開かれていた。

*2 Remember me:私を忘れないで、~によろしく伝えて

*3 acre : エーカー(1エーカーは約1,200坪)

*4 a bunch of heather:ヘザー(植物)を束ねて~

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アーティストの紹介(Paul Simon & Art Garfunkel サイモン&ガーファンクル)

【名 前】Paul Simon & Art Garfunkel(サイモン&ガーファンクル)
【出生名】Paul Frederic Simon(ポール・フレデリク・サイモン)
     Arthur Ira Garfunkel(アーサー・アイラ・ガーファンクル)
【生 誕】(Paul Simon) 1941年10月13日 、(Art Garfunkel) 1941年11月5日
【出身地】(Paul Simon) 米国、ニュージャージー州、(Art Garfunkel)米国、ニューヨーク
【概 要】サイモンとガーファンクルは小学校6年生の時に出会い、1957年に「トム&ジェリー」という名前で音楽活動をはじめた。

デビュー曲「ヘイ・スクールガール」は小ヒットしたが、その後お互い大学の学業へ専念したりした。

その後、1963年に「サイモン&ガーファンクル」と名前を改めて再結成し、アルバム「水曜の朝、午前3時」をリリースしたが、ほとんど売れず解散状態となっていた。

しかし、プロデューサーの「トム・ウイルソン」が「サウンド・オブ・サイレンス」にエレキギターやドラムを加えてシングルリリースしたところ、全米1位の大ヒットとなった。その後は、「スカボロー・フェア」、「ミセス・ロビンソン」などのヒットを続け、アメリカを代表するフォーク、フォークロックのデュオとなった。

アルバムの紹介

1966年 サイモン&ガーファンクル~パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム / Simon and Garfunkel-Parsley, sage, rosemary and thyme

1966年 サウンド・オブ・サイレンス / Sounds of Silence

1970年 明日に架ける橋 / Bridge Over Troubled Water

1972年 サイモン&ガーファンクル・グレイテスト・ヒッツ/ Simon and Garfunkel Greatest Hits

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コメント

コメント一覧 (6件)

  • はじめまして。某大学で英語を教えています、
    長引くウクライナ侵攻下、
    学生達にこの曲を聞いてもらいたくて
    シェアさせていただきました。
    事後のご連絡になり、申し訳けありません。
    和訳も素晴らしいですね。
    ご尽力に感謝いたします。ありがとうございました。

    • コメントありがとうございます。
      若い方に見ていただき、誠に嬉しく存じます。
      改めて、このサイトを作ってよかったと思いました。
      ありがとうございました。

  • Yahooの戦争記事に、スカボロフェアと一言コメントしてみましたが、何の反応もありませんでした。
    悲しい限りです

    • マリルさん
      コメントありがとうございます。
      スカボロフェアは、ほんと悲しい歴史を感じさせる曲ですね。

  • 初めまして。実は
    Tell her to reap it in a sickle of leather
    の部分でなぜreap it withでないのかがわからず、困っています。
    各所で歌詞を調べても、Withと書かれているのがほとんどで、
    実際に歌っている歌詞とは違うのですが、これはなぜなのでしょう。
    もしよろしかったら教えていただけたら幸いです。

    • Janeさん
      コメントありがとうございます。
      私も分からなかったので、Chat GPTに質問したら下記の返答でした。
      おそらく、理由はこれに近い気がします。

      “Scarborough Fair”の歌詞の一部である “Tell her to reap it in a sickle of leather” の “in” は、文脈によるものです。
      この歌詞は非常に古いもので、文法や表現が現代のものとは異なることがあります。
      こうした表現は、歌詞や詩で韻を踏むために意図的に変更されることがあります。
      例えば、「Tell her to reap it with a sickle of leather」としても意味は通じるかもしれませんが、
      原詩のリズムや音韻に合わせるために、「in」が使われた可能性があります。

      また、英語の表現には様々なニュアンスがあり、同じ意味を表す異なる前置詞が使われることがあります。
      この文脈では、歌詞の作者が意図的に「in」を選んだと考えられます。

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