曲の紹介(Someone To Lay Down Beside Me 誰か私のそばに)
【曲 名】Someone To Lay Down Beside Me (誰か私のそばに)
【アーティスト】Linda Ronstadt(リンダ・ロンシュタット)、Karla Bonoff(カーラ・ボノフ )、
【作詞・作曲】Karla Bonoff(カーラ・ボノフ )
【概 要】リンダ・ロンシュタットが1976年に表した7枚目のアルバム「Hasten Down Wind/風にさらわれた恋」に収録された。
このアルバムはグラミー賞受賞作でミリオンセラーとなった。
作者のカーラ・ボノフは「Someone To Lay Down Beside Me」の他に「Lose Again」「If He’s Ever Near」の計3曲を提供し、このアルバムに採用されたことがカーラ・ボノフをメジャーへと押し上げたきっかけとなった。
カーラ・ボノフはこの曲を、1977年にリリースされた彼女のファースト・アルバム「Karla Bonoff/カーラ・ボノフ」に収録した。
【記事参照元】風にさらわれた恋-Wikipedia
【記事参照元】リンダ・ロンシュタット-Wikipedia
【歌詞引用元】Someone to Lay Down Beside Me(Linda Ronstadt)-Genius
【歌詞引用元】Someone to Lay Down Beside Me(Karla Bonoff)-Genius
曲の解釈
この曲はリンダ・ロンシュタットの7枚目のアルバム「Hasten Down Wind/風にさらわれた恋」に収録され、アルバムはミリオンセラーを記録し、グラミー賞を受賞しました。
楽曲は当時まだ無名だったカーラ・ボノフが、他の2曲(”Lose Again”,”If He’s Ever Near”)と共に提供しています。このアルバムの大ヒットによりカーラ・ボノフは名前が広げることができました。
この曲は、主人公の女性の心の動きやせつない叫びを歌っています。
内容は、主人公の主体的な心情を描いていますので想像するしかできませんが、おそらく主人公の女性は寂しさを紛らわせるために、かりそめの関係で男性と出会った。
そんなかりそめの愛だと分かってはいても、さみしさを紛らわせるために出会いを重ねてしまう。
そこには、ほんとうの愛を求める自分の心との葛藤を表現している気がします。
カーラ・ボノフらしい女心のゆらぎ、哀しみを見事に表現した名曲だと思います。
そしてこの曲を、リンダはしっとりと切なく歌い上げています。
この曲は、リンダのアルバム「「Hasten Down Wind/風にさらわれた恋」リリースの翌年1977年に
カーラ・ボノフがリリースしたアルバム「Karla Bonoff/カーラ・ボノフ」に収録しました。
歌詞はほとんど一緒ですが、面白いことに3番の歌詞の中で、”Not like love that I feel in my heart”の”I”と”my”が、カーラのバージョンでは”You”と”your”になっています。
IとYouでは意味が真逆になると思います。
二人はちがう解釈で歌っているのだと思うと、とても面白いです。
歌詞の和訳(Someone To Lay Down Beside Me 誰か私のそばに)
(原詞:太文字)
Someone To Lay Down Beside Me
There’s somebody waiting alone in the street
誰か待っている、通りで一人
For someone to walk up and greet *1
誰かが、歩み寄り声をかけてくるのを
Here you are all alone in the city
ここであなたは、街中に一人っきり
Where’s the one that you took to your side?
どこにいるの?あなたがそばに連れる人は
Lonely faces will stare through your eyes in the night
孤独な顔たちがじっと見るの、夜中あなたの目を覗いて
2)
And they’ll say
そして彼らはこう言うの
Woman, sweet woman, please come home with me
彼女、素敵な彼女よ、どうか僕といっしょに家に来てくれと
You’re shining and willing and free *2
あなたは輝いて意思があり、何不自由のない人
But your love, it’s a common occurrence
だけどあなたの愛、それはありふれていて
Not like love that I feel in my heart
私が心で感じる愛ではないみたい
Still, you know that may be what I need
今でもそう、たぶん私が求めているのは
Is someone to lay down beside me *3
私のそばで寝てくれる誰か
And even though it’s not real *4
たとえそれが、本気でなくても
Someone to lay down beside me
私のそばで寝てくれる誰か
You’re the story of my life
あなたは思い出話なの、私の人生の
Someone to lay down beside me
私のそばで寝てくれる誰か
And even though it’s not real
たとえそれが、本気でなくても
Just someone to lay down beside me
私のそばで寝てくれる誰か
You’re the story of my life
あなたは思い出話なの、私の人生の
3)
The morning is breaking, the street lights are off *5
夜が明けはじめ、街の灯りは消えている
The sun will soon share all the cost *6
すぐに太陽はすべての代償を負わせる
Of a world that can be sort of heartless *7
無情とも言える世界の
Not like love that I feel in my heart
私が心で感じる愛ではないみたい
Still, you know that may be all you get
今でもそう、たぶんあなたが求めているのは
Is someone to lay down beside you
あなたのそばで寝てくれる誰か
And even though it’s not real
たとえそれが、本気でなくても
Just someone to lay down beside you
あなたのそばで寝てくれる誰か
You just can’t ask for more *8
あなたはそれしか求められない
キーワード
*1 greet : 「挨拶する」の意味ですが文脈から「声をかける」にしました。
*2 willing and free :
“willing” は “will” の「意思」の意味で、「意思があり」としました。
“free” は「自由な」から金銭面で自由な意味で「何不自由のない」としました。
*3 lay down : ここでは「横たえる」の意味と、文脈からSEXを連想させる「寝てくれる」と訳しました。
*4 real : 「本物」の意味で、文脈から「本気(の愛)」としました。
*5 The morning is breaking : “day break”と同じ「夜明け」の意味で訳しました。
*6 share all the cost : 「費用を折半する」の意味で、文脈から「代償を割り当てる」としました。
*7 that can be sort of heartless : 直訳では「なにか無情になり得るもの」の意味で、文脈から「それはある意味無情かも」としました。
*8 for more : 直訳では「それ以上」ですが、文脈から「それしか」としました。
アーティストの紹介
カーラ・ボノフ
【名 前】Karla Bonoff(カーラ・ボノフ)
【生 誕】1951年12月27日
【出身地】米国、アリゾナ州ツーソン
【概 要】アメリカ西海岸を拠点に活動し、そのころにリンダ・ロンシュタット、ケニー・エドワーズ、ジャクソン・ブラウン、ジェームス・テイラーや後のイーグルスのメンバーと知り合う。
メジャーデビューのきっかけは、リンダ・ロンシュタットの1976年リリースのアルバム「Hasten Down the Wind/風にさらわれた恋」に”Lose Again”, “Someone To Lay Down Beside Me”, “IF He’s Ever Near”の3曲を提供をしたことによる。
その後、ソロアルバム”Karla Bonoff”, “Restless Night”, “Wild Heart of the Young“などをリリースした。
1984年の映画「フットルース」の挿入歌”Somebody’s Eyes”が入ったサウンドトラック盤はビルボードチャート1位を記録した。
彼女の楽曲は感情豊かで心に響くものがあり、多くの高い評価を得ています。
特にその詞には愛、喪失、成長、人間関係について深く掘り下げたものが多く、聴く人に多くの共感を呼び起こします。
リンダ・ロンシュタット
【名 前】Linda Ronstadt(リンダ・ロンシュタット)
【生 誕】1946年7月15日
【出身地】米国、カリフォルニア
【概 要】ロサンゼルスを拠点に活動していた。
1970年リリースしたアルバム「Silk Purse(シルク・パース/旧邦題:ロング・ロング・タイム)」からシングルカットされた「ロング・ロング・タイム」でソロ・シンガーとして注目されはじめた。
1972年リリースした3枚目のアルバム「Linda Ronstadt」では、アルバムのサポートメンバーが集まり、ジャクソン・ブラウンも手助けして、「イーグルス」を結成した。
1974年リリースした「Heart Like a Wheel(悪いあなた)」からのシングル・カットされた「You’re No Good(悪いあなた)」が全米1位を記録し、広く存在を知られるようになった。
その後、多くのアルバムをリリースし、多くのヒット曲を生み出した。
1975年「Prisoner In Disguise(哀しみのプリズナー)」
1976年「Hasten Down the Wind(風にさらわれた恋)」
1977年「Simple Dreams(夢はひとつだけ)」
1978年「Living in the U.S.A(ミス・アメリカ)」
1980年「Mad Love」
1990年半ばより甲状腺の病気を患い、2011年に故郷アリゾナの地元紙のインタビューにて引退を表明した。
彼女の音楽は、世代を超えて愛され続けており、彼女の功績は今なお、高く評価され続けています。
アルバムの紹介
カーラ・ボノフ
19791年 ささやく夜 / Restless Nights
1999年 オール・マイ・ライフ:ベスト・オブ・カーラ・ボノフ/The Best of Karla Bonoff: All My Life
リンダ・ロンシュタット
1974年 悪いあなた / Heart Like a Wheel
1975年 哀しみのプリズナー / Prisoner In Disguise
1976年 風にさらわれた恋 / Hasten Down The Wind
1976年 Greatest Hits
1977年 夢はひとつだけ / Simple Dreams
1978年 ミス・アメリカ / Living In The U.S.A.
1980年 Greatest Hits, Volume 2
2007年 Greatest Hits 1 & 2
2013年 Linda Ronstadt (Original Album Series)
2014年 Duets
2019年 ライヴ・イン・ハリウッド / LIVE IN HOLLYWOOD(*1980年TV番組用ライブ音源)
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