曲の紹介
【曲 名】Sweet Home Alabama(スウィート・ホーム・アラバマ)
【アーティスト】Lynyrd Skynyrd(レーナード・スキナード)
【作詞・作曲】Ed King(エド・キング)、Gary Rossington(ゲイリー・ロッシントン)、Ronnie Van Zant(ロニー・ヴァン・ザント)
【概 要】1974年のアルバム「セカンド・ヘルピング」に収録され、同年シングルカットされ、彼らの最初のヒットとなった。
ローリングストーン誌の選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)では398位にランキングされている。
【記事参照元】Sweet Home Alabama-Wikipedia
【写真参照元】レーナード・スキナード-Wikipedia
【原詩引用元】GENIUS: Sweet Home Alabama
曲の解釈
この曲は、ニール・ヤングが1970年代当時の公民権運動(黒人差別に対する社会運動)を支援するプロテスト・ソングとして作った”Southern Man”、”Alabama”に対するアンサー・ソングと言われています。
確かに、曲中にニール・ヤングの名前が出てきて、あんたの言ってることなど、このアラバマではだれも無視しているよと言っています。
また、歌詞ではアラバマの人種隔離政策を行った知事(ジョージ・ ウォーレス)を、「バーミングハムではみんな好きだと」言っています。
しかし、この詩を書いたロニー・ヴァン・ザントはそのあとに、“Boo! Boo! Boo!“(ブーイングの意)があると言っていて、とても揶揄的、反面的に表現していると思われます。
たしかにこの曲は、単にニール・ヤングの差別社会へのプロテスト・ソングへのアンサー・ソングではないようです。
4番の歌詞では、アラバマにあったMuscle Shoalsというスタジオからswampersというすごいリズムセクションをもったバンドが生まれ、そこからR&Bという音楽が広まっていった。
確かにアラバマは、公民権運動では一番問題とされたところで、それはわかってる。
しかし、ここはアメリカの近代音楽のルーツになった大切な場所なんだと、彼らはいっている気がします。
このアルバムにコーラスで参加した黒人のメリー・クレイトンが映画「バックコーラスの歌姫たち」で言っていました。
「最初は、ばかばかしくて断ろうとしたけれど、19歳年上の黒人の旦那さんから、まだ君は若くて分らないかもしれないが、この仕事は受けるべきだと」
おそらく旦那さんは、これは公民権運動を推進を否定する曲だからこそ、黒人として参加することはある意味とても意義があると思われたのだと思います。
余談ですが、このメリー・クレイトンさんは、ローリング・ストーンズのギミー・シェルターのアルバムに参加された方です。
ちなみに、映画「バックコーラスの歌姫たち」では、急に夜中に録音のために呼ばれて、「Rapeレイプ、Murder殺人」と歌ってくれと言われ、終わったらなぐってやろうかと思ったとのこと(笑)
今のツアーではリサ・フィッシャーさん(Lisa Fischer)にバトンタッチしています。(この人もすごいです!)
歌詞の和訳
(原詞:太文字)
Sweet Home Alabama
Big wheels keep on turnin’ *1
外輪車は廻り続け
Carry me home to see my kin
俺を故郷へ運び、家族に会える
Singin’ songs about the southland
南部の唄を歌えば
I miss Alabamy once again
アラバマが恋しくなる、思い出したように
And I think it’s a sin, yes *2
それは罪深いことなんだ、きっと
2)
Well I heard Mr Young sing about her (Southern man)
そう、ヤングさんが彼女のことを歌ってると聞いた(”Southern man”で)
Well, I heard ol’ Neil put her down
そう、あのニールが、彼女をこき下ろしたと聞いた
Well, I hope Neil Young will remember
ああ、ニール・ヤングには覚えていてほしい
A Southern man don’t need him around, anyhow
南部の人間は彼など求めていない、だれも、とにかく
Sweet home Alabama
愛しいふるさと、アラバマ
Where the skies are so blue
空は限りなく青く
Sweet home Alabama
愛しいふるさと、アラバマ
Lord, I’m coming home to you
ああ、俺はふるさとへ帰ってる
3)
In Birmingham they love the governor (Boo! Boo! Boo!)
バーミンハムでは、みんな知事が好きさ(ブー!ブー!ブー!)
Now we all did what we could do
今では全部やってきたさ、やれることは
Now Watergate does not bother me
今ではウォーター・ゲート事件なんて気にもならない
Does your conscience bother you?
あんたは、良心が許せないかい?
Tell the truth
ありのままに言うとね
Sweet home Alabama
愛しいふるさと、アラバマ
Where the skies are so blue
空は限りなく青く
Sweet home Alabama
愛しいふるさと、アラバマ
Lord, I’m coming home to you
ああ、俺はふるさとへ帰ってる
4)
Now Muscle Shoals has got the Swampers *3
今、マッスルショールズにはザ・スワンパーズがいる
And they’ve been known to pick a song or two (Yes, they do)
彼らの1~2曲は前から知られている(そう、彼らのなんだ)
Lord, they get me off so much
ああ、彼らは俺を落ち着かせてくれる、とても
They pick me up when I’m feeling blue
彼らは落ち込んだ時に、元気づけてくれる
Now how ‘bout you?
なあ、そう思わないか?
Sweet home Alabama
愛しいふるさと、アラバマ
Where the skies are so blue
空は限りなく青く
Sweet home Alabama
愛しいふるさと、アラバマ
Lord, I’m coming home to you
ああ、俺はふるさとへ帰ってる
Sweet home Alabama (Oh, sweet home, baby)
愛しいふるさと、アラバマ(ああ、愛しのふるさと、ベイビー)
Where the skies are so blue (And the governor’s true)
空は限りなく青く(そして知事は正直)
Sweet home Alabama (Lordy)
愛しいふるさと、アラバマ(神よ)
Lord, I’m coming home to you (Yeah, yeah)
ああ、俺はふるさとへ帰ってる(ヤー・ヤー)
キーワード
*1 Big wheels : アラバマには水路もあり、CCRのProud Maryの蒸気船のイメージから外輪車としました。
*2 a sin : 南部の唄を歌わないとアラバマのことを思い出さないことへの「罪深さ」としました。
*3 Muscle Shoals has got the Swampers : アラバマにあるマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオでは、ミュージシャンが集まってスワンパーズというマッスル・ショールズ・リズム・セクションというグループを結成した。
アレサ・フランクリンをはじめ多くのアーティストのバック演奏やレコーディングに参加した。