曲の紹介「The Water Is Wide 悲しみの水辺」
- 曲名:The Water Is Wide(悲しみの水辺)
- アーティスト:
- Karla bonoff(カーラ・ボノフ)、
- PPM(Peter,Paul&Mary(曲名”There is a ship”)、他
- 作詞・作曲:スコットランド民謡
- サマリー:
- 「The Water Is Wide」は、スコットランドの民謡として広く知られており、17世紀に起源を持つとされていて「広い河の岸辺」、「流れは広く」、「悲しみの水辺」等の曲名でいろいろなアーティストがカバーしている。
- カーラ・ボノフの「The Water Is Wide」は、彼女のアルバム『Restless Nights』(1979年)に収録した。
- 記事参照元:
- The Water Is Wide (song) – Wikipedia
- カーラ・ボノフ – Wikipedia
- 原詞引用元:アルバム「ささやく夜 / Restless Nights」
曲について
私が「悲しみの水辺」を知ったのは、1979年リリースされたカーラ・ボノフのアルバム「Restless nights」で、カーラ・ボノフはリンダ・ロンシュタットなどへ楽曲を提供しているアメリカのシンガーソングライターです。
「The Water is Wide」は、17世紀頃に起源をもつといわれるスコットランドの民謡で、日本では、もともとPeter,Paul & Maryの「There is a ship」で知られていました。
また、2014年の朝ドラの「まっさん」の中で、エリーがこのカーラ・ボノフ バージョンを口ずさんでいることでも知られたようです。
スコットランド民謡は、「蛍の光」「マイボニー」など、とてもメロディアスで素敵な曲が多いです。
「悲しみの水辺」にはいろいろな解釈がありますが、タイトルが「The Water is Wide~この河は広すぎて私には渡れない」と解釈すると、何かの理由で愛する人と結ばれることができない女性の哀しさを唄っているように思えます。
歌詞の中でも、「愛は最初は輝いてきれいだけど、時間とともに枯れていくもの」、「沈みかけた船の重荷より私の愛のほうが重く、沈むことも泳ぐこともできない」や「その河は広くて私には渡れない、まして、飛べる羽根も持っていない」とあるように、このままでは愛する人と結ばれない悲しい現実を謳っています。
「ボートを下さい、二人が乗れるほどの」、「それから二人で漕ぎだすの 私の愛する人と」とあるようにボートとは、二人がこの現実から逃避できる道(この世から旅立てる手段)を教えてくださいと言っているように思えます。
そこにはこの広い河のように、決して幸せになれない悲しい物語があるように思えます。
カーラ・ボノフは、この曲を自身のスタイルでアレンジし、感情豊かに歌い上げ、特に女性の心情を巧みに表現しています。
曲の動画
以下の動画をアップしています。
- Karla Bonoff – The Water Is Wide (Audio) by Karla Bonoff(公式アーティストチャンネル)
- Karla Bonoff – The Water Is Wide by Karla Bonoff(公式アーティストチャンネル)
- Karla Bonoff “The Water Is Wide” with Livingston Taylor & Sean McCue by Karla Bonoff(公式アーティストチャンネル)
歌詞の和訳「The Water Is Wide 悲しみの水辺」
(原詞:太文字)
The water is wide
The water is wide, I can’t cross over *1
その水面(みなも)は広すぎて、私には渡れない
And neither have I wings to fly
飛べる翼も持っていない
Give me a boat that can carry two
二人が乗れるほどのボートを下さい
And both shall row, my love and I
それで二人は漕ぎだすの、愛する人と私
2)
Oh, love is gentle and love is kind
ああ、愛はやさしさで愛は慈しみ
The sweetest flower when first it’s new *2
甘い花の盛りは最初だけ
But love grows old and waxes cold *3
愛もやがて時が過ぎて色あせる
And fades away like morning dew
そして朝露のように消えていく
3)
There is a ship and she sails the sea
一隻の船が海を渡っている
She’s loaded deep as deep can be *4
深く沈むほどの積み荷が積まれている
But not as deep as the love I’m in
でも私の愛ほど深くはない
I know not how I sink or swim
私は沈んだり泳ぐすべを知らない
4)
The water is wide, I can’t cross over
その水面(みなも)は広すぎて、私には渡れない
And neither have I wings to fly
飛べる翼も持っていない
Give me a boat that can carry two
二人が乗れるほどのボートを下さい
And both shall row, my love and I
それで二人は漕ぎだすの、愛する人と私
And both shall row, my love and I
それで二人は漕ぎだすの、愛する人と私
キーワード
- *1. Water: 本来「水」の意味ですがこの歌では川、河、湖 、海を連想させます。ここでは広大な水面が広がる河や海をイメージして「水面(みなも)」としました。
- *2. sweetest flower:「もっとも甘い花」ですが、文脈から「甘い花の盛り」としました。
- *3. Waxes cold: “wax” ワックス、蝋(ろう)の意味ですが、「輝きがなくなる」の意味から「色あせていく」としました。
- *4. loaded deepas deep can be: 荷が重く、喫水線ぎりぎりまで深く沈んでいる様子を表す意味で「深く沈むほどに」としました。
アーティストの紹介「Karla Bonoff カーラ・ボノフ」
- 名 前:Karla Bonoff(カーラ・ボノフ)
- 生 誕:1951年12月27日
- 出身地:米国、カリフォルニア
- 公式サイト:KARLA BONOFF
- サマリー:
- カーラ・ボノフは、1970年代から活躍するアメリカのシンガーソングライターで、リンダ・ロンシュタットが彼女の曲をカバーしたことが注目されるきっかけとなりました。
- アメリカン・ロックやフォークの影響を受けており、彼女の透明感のある歌声と感情豊かな歌詞は、多くのリスナーに共感を呼び起こします。
「カーラ・ボノフ」は、ロサンゼルスで生まれ、15歳でソングライターになりました。
彼女は妹のリサとフォーク・デュオを組みレコーディングをしましたが、シングルデビューまではいたりませんでした。
その後、彼女はアメリカ西海岸を拠点に活動し、そのころにリンダ・ロンシュタット、ケニー・エドワーズ、ジャクソン・ブラウン、ジェームス・テイラーや後のイーグルスのメンバーと知り合います。
メジャーデビューのきっかけは、リンダ・ロンシュタットの1976年リリースのアルバム「Hasten Down the Wind/風にさらわれた恋」に”Lose Again”, “Someone To Lay Down Beside Me”, “IF He’s Ever Near”の3曲を提供をしたことでした。
その後、ソロアルバム”Karla Bonoff”, “Restless Night”, “Wild Heart of the Young“などをリリースしました。
1984年の映画「フットルース」の挿入歌”Somebody’s Eyes“が入ったサウンドトラック盤はビルボードチャート1位を記録しました。
彼女の楽曲は感情豊かで心に響くものがあり、多くの高い評価を得ています。
特にその詞には愛、喪失、成長、人間関係について深く掘り下げたものが多く、聴く人に多くの共感を呼び起こします。
ディスコグラフィー
- スタジオ・アルバム
- カーラ・ボノフ- Karla Bonoff(1977年)
ささやく夜- Restless Nights(1979年)
麗しの女〜香りはバイオレット- Wild Heart of the Young(1982年)
ニュー・ワールド- New World(1988年)
キャリー・ミー・ホーム- Carry Me Home(日本:2018年、全米:2019年)
クリスマス・アルバム- Silent Night(2020年)
- ライブ・アルバム
- Karla Bonoff Live(2007年)
- コンピレーション・アルバム
- All My Life: The Best Of Karla Bonoff(1999年)
*引用:カーラ・ボノフ-Wikipedia
1977年 カーラ・ボノフ / Karla Bonoff
1979年 ささやく夜 / Restless Nights
1999年 オール・マイ・ライフ:ベスト・オブ・カーラ・ボノフ/The Best of Karla Bonoff: All My Life