曲の紹介(The Weight ザ・ウェイト)
【曲 名】The Weight (ザ・ウェイト)
【アーティスト】The Band (ザ・バンド)
【作詞・作曲】Robbie Robertson(ロビー・ロバートソン)
【概 要】1968年に1st.アルバム「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」に収録され、その後シングルカットされた(B面アイ・シャル・ビー・リリースト)
1969年の米映画「イージー・ライダー」の挿入歌に使用され、広く知られるようになった。
ローリング・ストーン誌の「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)」において41位にランクインした。
【記事参照元】ザ・ウェイト-Wikipedia
【画像引用元】The Weight-Wikipedia
【歌詞引用元】The Band–The Weight Lyrics-Genius
曲の解釈
この曲は、ザ・バンドのギタリストのロビー・ロバートソンが作ったもので、聖書からの引用が多く、歌詞の内容は意味不明なところが多いです。
1番に出てくるナザレはイエス・キリストの聖地を連想させますが、彼の自伝によると、ちょうど手にもっていたマーチンギターのD-28の中のラベルに記されていたマーチン社の当時の所在地ナザレスからインスピレーションを得たと言われています。
この曲は、リード・ヴォーカルのリヴォン・ヘルムも意味が分からず歌っていたと言っていますし、実際のこの曲に込めた意味・気持ちは、作ったロビー本人しかわからないようです。
しかし、私には人生いろんなことがあり、生きていると知らず知らずに重荷を背負っている。また、友人や仲間との関係の中で、人のために尽くしていくことは大切だけど、知らず知らず自分にも尽くした分の重荷がかかってくるという人生によくあることで、微妙な人間関係をも象徴している歌詞だと思います。
このザ・バンドはアメリカン・ロックを代表するバンドですが、当時初めて聞いた印象は ”え、これロック?” と思いました。
しかし聴いていくうちに、何とも言えないサウンドの土のにおいや、男くささ、そのアンサンブルのすばらしさに、はまっていきました。
ぜひ、若い人に聴いてほしい名曲の一つです。
映画「イージー・ライダー」の動画も見てみてください。
この映画も素晴らしくて、内容はアメリカ社会から外れた若者2人が、自分たちのアメリカを求めてオートバイで放浪の旅に出るストーリーで、’60年代の差別、貧困が問題の閉鎖的なアメリカを描いています。
PS.ハレーにのるピーター・フォンダがかっこいいです
歌詞の和訳(The Weight ザ・ウェイト)
(原詞:太文字)
The Weight
I pulled in to Nazareth, I was feeling about half past dead
ナザレまでたどり着いたが、半分死んだも同然だった
I just need some place where I can lay my head
とにかく、横になれる場所が必要だった
“Hey, Mister, can you tell me where a man might find a bed?”
「ちょっとそこの人、近くに宿屋を知らないかい」
He just grinned, shook my hand, ” No” was all he said
奴はにやっとして手を握った、「さあ」とだけ言って
Take a load off, Fanny *1 *2
重荷をおろせよ、ファニー
Take a load for free *3
一文の得にもならないぜ
Take a load off, Fanny
重荷をおろせよ、ファニー
And… you put the load right on me *4
そうして、、、重荷は俺にかかった
2)
I picked up my bag. I went looking for a place to hide
俺はバッグを手に取り、隠れ場所を探しに出かけた
When I saw Carmen and the devil walking side by side
ちょうどカルメンと悪魔が、並んで歩いてるのが見えた
I said, “Hey, Carmen, come on, let’s go downtown”
俺は言った「やあ、カルメン、ダウンタウンへ行こうよ」
She said, “I got to go, but my friend can stick around”
彼女は答えた「行きたいけど、友達がまとわりついてくるの」
Take a load off, Fanny
重荷をおろせよ、ファニー
Take a load for free
一文の得にもならないぜ
Take a load off, Fanny
重荷をおろせよ、ファニー
And… you put the load right on me
そうして、、、重荷は俺にかかった
3)
Go down, Miss Moses, there’s nothing you can say
降りてこいよミス・モーセ、そこでは何も言えないぜ
It’s just old Luke, and Luke’s waiting on the judgement day
それはまさに年老いたルーク、彼だけが最後の審判日を待っている
“Well, Luke, my friend, what about young Anna Lee?”
「ところでルーク、わが友よ、若きアンナ・リーはどうだい」
He said,”Do me a favor, son, won’t you stay and keep Anna Lee company”
彼は言った「願いを聞いてくれ、息子よ、ここでアンナ・リーと一緒にいてやってくれないか」
Take a load off, Fanny
重荷をおろせよ、ファニー
Take a load for free
一文の得にもならないぜ
Take a load off, Fanny
重荷をおろせよ、ファニー
And… you put the load right on me
そうして、、、重荷は俺にかかった
4)
Crazy Chester followed me and he caught me in the fog
頭のいかれたチェスターがつけてきて、霧の中で捕まった
He said, I will fix your rack, if you’ll take Jack my dog
奴はこう言った、お前のベッドを直してやる、俺の犬のジャックを預かってくれたらな
I said, Wait a minute, Chester
俺は言った、ちょっと待ってくれチェスター
You know I’m a peaceful man
知ってのとおり、俺は争いごとが苦手なんだ
He said, That’s okay, boy. Won’t you feed him when you can?
奴は言った、よかろう坊や、ではお前ができるときに餌をやってくれないか
Take a load off, Fanny
重荷をおろせよ、ファニー
Take a load for free
一文の得にもならないぜ
Take a load off, Fanny
重荷をおろせよ、ファニー
And… you put the load right on me
そうして、、、重荷は俺にかかった
5)
Gonna catch the Canonball to take me down the line *5
俺を向かわせてくれる特急列車に乗り込もう
My bag is sinking low, and I do believe it’s time
俺のバッグも重くなってきてるし、きっとその時がきたのさ
To get back to Miss Annie
ミス・アニーのもとへ戻るときが
You know she’s the only one
そう彼女は唯一大事な人なんだ
Who sent me here with her regards for everyone
皆んなによろしくと言って、俺をここによこした
Take a load off, Fanny
重荷をおろせよ、ファニー
Take a load for free
一文の得にもならないぜ
Take a load off, Fanny
重荷をおろせよ、ファニー
And… you put the load right on me
そうして、、、重荷は俺にかかった
キーワード
*1 Take a load off : 「荷を下ろす」、「休む」、「くつろぐ」
*2 Fanny : 実際に「ファニー」というバンドメンバーの知人がいたそうですが、ここでは”Fanny”の意味の「ちんたらする」、「尻(米俗)」、「女性器、セックスの対象としての女性(英俗)」から女性の名前として「ファニー」としました。
*3 Take a load for free : 「無料の荷を担ぐ」ですが、「(その荷をかついでも)一文にもならない」としました。
*4. you put the load right on me:put on「置く」、right「すっかり(強意語)」で、直訳では「あなたが私に重荷をかけた」ですが、文脈から「俺に重荷がかかった」としました。
*5 “cannonball” :ここでは「砲弾」ではなく「特急列車」としました。
“down the line“:”line”は文脈では「線路」を表していると解釈し、大きな意味で「(旅路へ)向かう」としました。
アーティストの紹介(The Band ザ・バンド)
【名 前】The Band(ザ・バンド)
【活動期間】1967-1976年(メンバーチェンジにて1983-1999年)
【結成地】アメリカ
【概要】アメリカのロックバンドでオリジナル・メンバーは、ロビー・ロバートソン(Gt.)、リチャード・マニュエル(KB.)、ガース・ハドソン(KB.&アコーデイオン&SAX), 、リック・ダンコ(Bass)、リヴォン・ヘルム(Dr.&Vo.)
※アメリカ出身はリヴォン・ヘルムのみで、他の4人はカナダ出身
元はアメリカのロックンローラー、ロニー・ホーキンスのバックバンド(ホークス)として活動していたが、その後ボブ・ディランのマネージャー(アルバート・グロスマン)の目に留まり、ボブ・ディランのバックバンドとして活動を始めた。
この時期、ディランはフォーク路線からエレキギターを使用してフォークロックへ転換しており、コンサートツアーの行く先々で、従来のフォークファンから大ブーイングを受けた。
これは、「ロイヤル・アルバート・ホール」での「ライク・ア・ローリングストーン」の動画で様子が伺える。これにより、逆に彼らの知名度を高めた。
その後、ディランの交通事故のアクシデントもあり、ディランの誘いでウッド・ストックに「ビッグ・ピンク」と名づけられた家に住みついた。そこで行われたディランとのセッションは、ロック史上初の海賊盤「Great White Wonder」として流出し、1975年に「地下室(ザ・ベースメント・テープス)」としてリリースとなった。
1968年に「ザ・バンド」と改名し、「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」をリリースし、バンドデビューした。
音楽性はロックにアメリカのルーツ音楽のカントリーやR&Bの要素を取り入れ、高い評価を受けた。また当時より多くのミュージシャンから尊敬を集めた。
特にエリック・クラプトンは、この「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」に衝撃を受け、クリームを去った原因にもなったとも言われている。
1989年にカナダのCanadian Music Hall of Fame殿堂入り、1994年にロックの殿堂入りしている。
ローリング・ストーン誌選定の「歴史上最も偉大な100組のグループ」において第50位にクレジットされる。
アルバムの紹介
アルバム
1968年 ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク / Music from Big Pink
1969年 ザ・バンド / The Band
1970年 ステージ・フライト / Stage Fright
1972年 ロック・オブ・エイジズ / Rock Of Ages
1975年 南十字星 / Northern Lights – Southern Cross
ライブ・アルバム
1974年 偉大なる復活 / Before the Flood
1978年 ラスト・ワルツ / The Last Waltz
ベスト・アルバム
2000年 The Band Greatest Hits
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