曲の紹介(Time タイム)
【曲名】Time (タイム)
【アーティスト】Pink Floyd(ピンク・フロイド)
【作詞】Roger Waters(ロジャー・ウォーターズ)
【作曲】Roger Waters(ロジャー・ウォーターズ), David Gilmour(デヴィッド・ギルモア), Richard Wright(リチャード・ライト), Nick Mason(ニック・メイスン)
【概要】ピンク・フロイドの1973年リリースされた8枚目のアルバム「The Dark Side of the Moon (日本題:狂気)」に収録され、その後シングルリリースされた。
アルバム「狂気(The Dark Side of the Moon)」は5,000万枚以上を記録し、世界で最も売れたアルバムの一つとなり、ピンク・フロイドの代表作の一つとなった。
【記事参照元】Time(Pink Floyd song)-Wikipedia
【歌詞引用元】Time-Genius
【画像引用元】Time(Pink Floyd song)-Wikipedia
曲の解釈
この曲は、ピンク・フロイドのベーシストのロジャー・ウォーターズが作詞をし、作曲はバンド全員で行なわれました。
作詞者のロジャーは28~29才頃に、人生において自分は何も準備もしていないことに気づいたとのことで、「時間が過ぎていく」という題材としてこのことを歌詞にしたそうです。
この歌詞を見てみると、若い頃には時間は無尽蔵にあると思えていたけれど、次第に時が過ぎるとともに何もやり遂げずに、何も残せずにいる自分に気づき、虚しく残された時間が過ぎていくと言っています。
私もセカンド・ライフに入ってはじめて、この歌詞のような時間のはかなさ、虚しさを感じています。
こんなことをロジャーは28~29才で考えていたのはすごいと思います。
演奏は、時計が鳴り響く幻想的なイントロではじまります。これは、エンジニアのアラン・パーソンズによって4トラック録音をアンティーク店で行ったとのことです。
また、デヴィッド・ギルモアのギターソロがパワフルでとてもかっこいいです。
まさしくプログレッシブロックバンドであるピンク・フロイドの名曲だと思います。
歌詞の和訳(Time タイム)
(原詞:太文字)
Time
Ticking away the moments that make up a dull day *1
時は退屈な一日を埋める一瞬を刻んでいき
Fritter and waste the hours in an offhand way *2
当たり前に時間を潰し浪費する
Kicking around on a piece of ground in your hometown
君は故郷の片隅でぶらつきながら
Waiting for someone or something to show you the way
進む道を示してくれる誰か或いは何かを待っている
Tired of lying in the sunshine
日光の下で寝そべるのに疲れ
Staying home to watch the rain
家で雨を眺めてる
You are young and life is long
君は若くて人生は長い
And there is time to kill today *3
だから今日をつぶせる時間がある
And then one day you find
そしてある日気づく
Ten years have got behind you
10年が過ぎ去ってしまったことに
No one told you when to run
誰も走り出すべき時を教えてくれなかった
You missed the starting gun
君はスタートの号砲を聞き逃した
2)
And you run, and you run to catch up with the sun
そして君は走り、走って太陽に追いつこうとする
But it’s sinking
しかし陽は沈んでいく
Racing around to come up behind you again
背後から再び昇るように駆け巡っている
The sun is the same in a relative way *4
太陽は見た目には同じ
But you’re older
しかし君は年老いていき
Shorter of breath, and one day closer to death
息は続かなくなり、日増しに死に近ずく
Every year is getting shorter
一年はだんだん短くなり
Never seem to find the time
時間を見出すことはできないようだ
Plans that either come to naught
無駄に終わる計画か
Or half a page of scribbled lines
半ページほどの落書き線のようなもの
Hanging on in quiet desperation
静かに失望をこらえ続けるのは
Is the English way
英国流だ
The time is gone, the song is over
時は過ぎ、歌は終わる
Thought I’d something more to say
何かもっと言いたいと思った
Home, home again
故郷、故郷へ再び
I like to be here when I can
居られる時はここが好きだ
And when I come home cold and tired
寒さに震え、疲れて故郷へ帰ると
It’s good to warm my bones beside the fire
暖炉のそばで身体の芯まで温まるのがいい
Far away, across the field
野原を超えて遠くから
The tolling of the iron bell
鉄の釣り鐘の音が
Calls the faithful to their knees
信心深い人々を呼び、ひざまずかせ
To hear the softly spoken magic spells
穏やかに話される魔法の言葉を聞かせる
キーワード
*1 Ticking away : 「(時間が)刻々と過ぎる」「どんどん過ぎる」から「時が~刻む」としました。
*2 an offhand way : “offhand”は「即座{そくざ}の、思い付きの · 無造作{むぞうさ}な」なので、文脈から「当たり前に」としました。
*3 And : 前文の”You are young and life is long“から続いているので、”and“は「だから」としました。
*4 a relative way : “relative”は「相対的」なので、「絶対的」の逆の意味で「見た目」としました。
アーティストの紹介(Pink Floyd ピンク・フロイド)
【名 前】Pink Floyd(ピンク・フロイド)
【歴代メンバー】
ニック・メイスン(ドラムス)1944年生まれ-
ロジャー・ウォーターズ(ボーカル・ベース)1943年生まれ-
リチャード・ライト(キーボード)1943年生まれ-2008年没
シド・バレット(ボーカル・ギター)1946年生まれ-2006年没
デヴィッド・ギルモア(ボーカル・ギター)1946年生まれ-
【活動期間】1965年-
【結成地】イギリス・ロンドン
【概要】
1965年にニック・メイスン(ドラムス)、ロジャー・ウォーターズ(ボーカル・ベース)、リチャード・ライト(キーボード)、シド・バレット(ボーカル・ギター)の4人で結成された。
当初はサイケデリック・ロックなサウンドで活動していた。
1967年シングル「Arnold Layne(アーノルド・レーン)」でデビューをし、2枚目シングル「See Emily Play(シー・エミリー・プレイ)」は全米6位のヒットとなった。
当時は、シド・バレットのワンマン・バンドだったが、薬物により活動ができなくなり、代わって1968年にデヴィッド・ギルモア(ボーカル・ギター)が加入した。
ここから、バンドはサイケデリック・ロックから、より創造性豊かな音楽へと変化していった。
1970年に「Atom Heart Mother(原子心母)」をリリースし、全米1位を獲得し、商業的な成功を収めた。
このアルバムから、フロイドはプログレッシヴ・ロックを代表するバンドと言われるようになった。
1971年に「Meddle(おせっかい)」をリリースした。
これには、23分を超える大作「Echoes(エコーズ)」が収録され、バンドはこの曲で「初めてクリエイティビティを獲得した」と言っている。
1973年コンセプト・アルバム「The Dark Side of the Moon(狂気)」をリリースした。
アルバムは、全米1位を獲得し、初の大成功となった。
1975年アルバム「Wish You Were Here(炎〜あなたがここにいてほしい)」をリリースした。
売り上げは、前作の「狂気」ほどではなかったが、全米1位、全英1位を獲得した。
これ以降アルバム全体が、大掛かりなコンセプトをもつようになった。
1977年「Animals(アニマルズ)」をリリース
1979年に2枚組アルバム「The Wall(ザ・ウォール)」をリリースし、大ヒットを記録した。
バンドは、ロジャー・ウォーターズのワンマンぶりが進み、バンド内の亀裂が深まっていった。
1985年12月ウォーターズは「ピンク・フロイドは創造性を使い切った」との理由で脱退した。
彼は自分の脱退を、バンドの解散と意図していたが、デヴィッド・ギルモアがバンドの継続を決めた。
1994年にアルバム「The Division Bell(対/TSUI)」をリリースし、全英・全米1位を獲得し、収録曲の「Marooned(孤立)」はグラミー賞を受賞した。
その後、大規模なツアーを行った後、長い休止期に入った。
シド・バレットは2006年に亡くなり、リチャード・ライトは2008年に亡くなった。
2014年リリースした「The Endless River(永遠/TOWA)」は、「The Division Bell」のレコーディングセッションからの未発表の素材を基にした。
ギルモアは「これがピンク・フロイドのラストアルバムになる」と明言した。
2022年ギルモアとメイスンはウクライナへのロシアの侵略に抗議して、Pink Floydを再結成し、曲「Hey, Hey, Rise Up!」をリリースした。
2016年までに、Pink Floydは世界中で2億5000万枚以上のレコードを売り上げ、最も売れた音楽アーティストの1つとなった。
1996年に米国のロックンロールの殿堂、2005年にイギリスの音楽の殿堂に収容された。
2008年には、Pink Floydはスウェーデンのポーラー音楽賞を受賞し、現代音楽への貢献を認められた。
ピンク・フロイドの音楽は世界中で多くのファンに支持され、その影響は現代のロック音楽にも色濃く残っている。
アルバムの紹介
レコード
CD
1970年 Atom Heart Mother(原子心母)
1973年 The Dark Side Of The Moon(狂気)
1975年 Wish You Were Here(炎〜あなたがここにいてほしい)
1977年 Animals(アニマルズ)
1979年 The Wall(ザ・ウォール)
1944年 The Division Bell(対/TSUI)
2014年 The Endless River(永遠/TOWA)
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