曲の紹介「We’re All Alone ウィ・アー・オール・アローン」
インフォメーション
- 曲名:We’re All Alone(ウィ・アー・オール・アローン)
- アーティスト:Boz Scaggs(ボズ・スキャッグス )
- 作詞・作曲:Boz Scaggs(ボズ・スキャッグス )
- サマリー:
- 1976年にシングル「リド・シャッフル」のB面で発売されたが、フランキー・ヴァリやリタ・クーリッジのカバーのヒットにより、名曲として再評価された。
- *1976年のアルバム「シルク・ディグリーズ」に収録された。
- 記事参照元:
- ウィ・アー・オール・アローン-Wikipedia
- ボズ・スキャッグス-Wikipedia
- 歌詞参照元:We’re All Alone-GENIUS
- 画像引用元:Silk Degrees-Wikipedia
曲について
「ウィ・アー・オール・アローン」は色々な解釈がされていて、ボズ・スキャッグスの日本語題は「二人だけ」がつけられていましたが、リタ・クーリッジバージョンは「みんな一人ぼっち」となっており、個人的な恋人の関係と普遍的な愛を表現している二つの解釈があります。
そのため、今では「ウィ・アー・オール・アローン」と表記されています。
この曲は、聴く人によって様々な解釈ができますが、歌詞を読み解いていくと、おそらく恋人を残して死んでしまった主人公の男性が、彼女のことが心配であの世から彼女へメッセージを送っているのだと思います。
人は大事なものを失ってから、その大切さを思い知ると言われますが、この主人公も「今まで忘れていたけど、僕たちはこの世で二人きりの存在だった、君は唯一無二の大切な人だった」と振り返っています。そして、「これからも、僕たちは二人きり」と彼女を励ましています。
私はまさかこんな歌詞だとは思ってもいませんでした。
ぜひ、動画で聴きながら歌詞を読んで見てください。泣けます!
曲の動画
以下の動画をアップしています。
- We’re All Alone (2023 Remaster) by Boz Scaggs公式アーティストチャンネル
- We’re All Alone by リタ・クーリッジ – トピック
- We’re All Alone by CECILIO & KAPONO – トピック
※ハワイの Cecilio & Kapono(セシリオ アンド カポノ)バージョンも、素晴らしいカバーのでぜひ見てください。
歌詞の和訳「We’re All Alone ウィ・アー・オール・アローン」
(原詞:太文字)
We’re All Alone
Outside the rain begins
外は雨が降り出し
And it may never end
ずっと止みそうにない
So cry no more
だからもう泣かないで
On the shore a dream
海辺で見る夢は
Will take us out to sea
二人を海へ連れ出してくれる
Forevermore
いつまでも
Forevermore
いつまでも
Close your eyes, amie *1
目を閉じてごらん、愛しい人
And you can be with me
そうすれば僕と一緒にいられる
‘Neath the waves
波の下をくぐる
Through the caves of hours *2
時のパイプラインを通って
Long forgotten now *3
今までずっと忘れていた
We’re all alone *4
僕たちは二人きりだと
We’re all alone
僕たちは二人きりだと
Close the window
窓を閉めて
Calm the light *5
明かりを暗くしてごらん
And it will be all right *6
それでいいんだ
No need to bother now
もう、悩まなくてもいいんだ
Let it out, let it all begin
気持ちをさらけ出して、始めよう
Learn how to pretend
学ぶんだ、演じることを
2)
Once a story’s told
昔からの格言がある
It can’t help but grow old
形あるものはみな古びていくと
Roses do, lovers too,
バラがそう、恋人たちもそう
So cast your seasons to the wind *7
だから君の幸せは風にまかすんだ
And hold me dear, *8
さあ、僕を愛しておくれ
Oh, hold me dear
ああ、僕を愛しておくれ
Close the window,
窓を閉めて
Calm the light
明かりを、暗くしてごらん
And it will be all right
それでいいんだ
No need to bother now
もう悩まなくてもいいんだ
Let it out, let it all begin
気持ちをさらけ出し、始めよう
All’s forgotten now
今まですべて忘れていた
We’re all alone,
僕たちは二人きりだと
All alone
二人きりだと
Close the window,
窓を閉めて
Calm the light
明かりを暗くしてごらん
And it will be all right
それでいいんだ
No need to bother now
もう悩まなくてもいいんだ
Let it out, let it all begin
気持ちをさらけ出し、始めよう
Owe it to the wind, my love *9
風に委ねるんだ、愛する人よ
Oh, hold me dear
ああ、僕を愛しておくれ
All’s forgotten now, my love
今まですべて忘れていた、愛する人よ
We’re all alone
僕たちは二人きりだと
キーワード
- *1 amie : 友達、恋人(フランス語)
- *2 caves: 洞窟、ほら穴ですが、前述のwave(波)から連想してパイプラインとしました。
- *3 Long forgotten : 長く忘れ去られた
- *4 We’re all alone : allを「みんな」とすると、「私たちはみんな一人ぼっち」ですが、ここではallをaloneの強調として「僕たちは、二人きり」としました。
- *5 Calm the light : 「明かりを静める」から「明かりを暗くする」にしました。
- *6 it will be all right: 文脈から「それ(窓を閉め、灯りを暗くした)で、気分が落ち着くだろう」とも解釈できますが、「天国の彼が、彼女と会える環境をつくるために部屋を暗くした」と解釈して、「それでいいんだ」としました。
- *7 So cast your seasons to the wind : 直訳すると「(君の女ざかりの)旬を風にゆだねる」から「(これからの)君の幸せは風にまかすんだ」としました。
- *8 hold me dear :「(私を)愛おしむ」「(私を)大切にする」から「僕を愛して」としました。
- *9 Owe it to the wind: 直訳では「風に負わせろ」から「風に委ねるんだ」としました。
アーティストの紹介「Boz Scaggs ボズ・スキャッグス」
インフォメーション
- 名前:Boz Scaggs(ボズ・スキャッグス )
- 生誕:1944年6月8日
- 出身地:米国、オハイオ州カントン
- サマリー:
ボズ・スキャッグスは、1960年代から現在に至るまで活躍しているアメリカのシンガーソングライター、ギタリストであり、特にAOR(Adult Oriented Rock)の代表的アーティストとして知られています。
アーティストの軌跡
ボズ・スキャッグスは、少年時代をオクラホマ州やテキサス州で過ごしました。
スクールでスティーヴ・ミラーと出会い、彼にギターを習いながらバンド活動を始め、大学時代にはブルース・バンドを組んでいました。
1960年代前半にイギリスに渡り、ソロとしてヨーロッパをツアーし、1965年にデビューアルバム「ボズ」をリリースしました。
その後、拠点をサンフランシスコに移し、スティーヴ・ミラー・バンドのアルバムにも参加しました。
1976年にアルバム「シルク・ディグリーズ」をリリースし、Billboad200ではトップ10入り(最高全米2位)を記録し、全米アルバムチャート入りし20位に達しました。
アルバムからのシングル「ロウダウン」がBillboad HOT 100で3位、グラミー賞の最優秀R&B楽曲賞を受賞しました。
「ウィ・アー・オール・アローン」は多くのアーティストにカバーされ、特にリタ・クーリッジのカバーにより再評価され、スタンダード・ナンバーとなりました。
また、このアルバムに参加したスタジオ・ミュージシャンたちにより、後にTOTOが結成されました。
1977年リリースしたアルバム「ダウン・トゥー・ゼン・レフト」はBillboad 200で11位を記録しました。
アルバム収録曲の「ハード・タイムズ」「ハリウッド」がヒットし、特に「ハードタイムス」は日本での初のヒットとなりました。
その後、リリースは途絶えていましたが、1988年リリースのアルバム「アザー・ロード」の収録曲「Heart of Mine」によりカムバックを果たしました。
2013年にはプロデューサーにスティーヴ・ジョーダンを迎え、メンフィスで録音したアルバム「メンフィス」をリリースし、Billboad 200では17位記録しました。
スキャッグスが音楽業界にもたらした影響は大きく、彼が先駆者となったブルー・アイド・ソウルというジャンルは、多くのアーティストにインスピレーションを与えています。
彼は多彩な音楽スタイルで長いキャリアを築き、その才能は多くのファンに長く支持されています。
ディスコグラフィ
- シングル
- ジョージア Georgia/It’s Over(1976年、CBS・ソニー、06SP-2)
- ハード・タイムス HARD TIMES/(1977年、CBS・ソニー、06SP-195)
- Hollywood/A Clue(1977年、CBS・ソニー、06SP-206)
- トワイライト・ハイウェイ You Can Have Me Anytime/Isn’t It Time(1980年、CBS・ソニー、06SP-465)
- Breakdown Dean Ahead/Do Like You Do In New York(1980年、CBS・ソニー、06SP-473)
- 夜のシモーヌ Simone/Middle Man(1980年、CBS・ソニー、06SP-493)
- 「ハート・オブ・マイン(Heart of Mine)」 – ボビー・コールドウェルが提供
- スタジオ・アルバム
- 1965年 ボズ – Boz
- 1969年 ボズ・スキャッグス&デュアン・オールマン – Boz Scaggs
- 1970年 モーメンツ – Moments
- 1971年 ボズ・スキャッグス&バンド – Boz Scaggs & Band
- 1972年 マイ・タイム – My Time
- 1974年 スロー・ダンサー – Slow Dancer
- 1976年 シルク・ディグリーズ – Silk Degrees
- 1977年 ダウン・トゥー・ゼン・レフト – Down Two Then Left
- 1980年 ミドル・マン – Middle Man
- 1988年 アザー・ロード – Other Road
- 1994年 サム・チェンジ – Some Change
- 1996年 フェイド・イントゥ・ライト〜ラヴ・バラード・アルバム – Fade into Light(日本限定発売)
- 1997年 カム・オン・ホーム – Come On Home
- 2001年 ディグ – Dig
- 2003年 バット・ビューティフル – But Beautiful
- 2005年 フェイド・イントゥ・ライト〜ラヴ・バラード・アルバム 2 – Fade into Light(1996年盤に「ラヴT.K.O.」及びボーナスDVDを追加した内容)
- 2008年 スピーク・ロウ – Speak Low
- 2013年 メンフィス – Memphis
- 2015年 ア・フール・トゥ・ケア – A Fool to Care
- 2018年 アウト・オブ・ザ・ブルース – Out of the Blues
- ライヴ・アルバム
- 2004年 グレイテスト・ヒッツ・ライヴ – Greatest Hits Live
- コンピレーション・アルバム
- 1980年 ヒッツ – Hits!
- 1992年 ボズ・ザ・バラード – Boz the Ballade
- 1997年 マイ・タイム〜ボズ・スキャッグス・アンソロジー(1969-1997) – My Time: A Boz Scaggs Anthology
- 2006年 ヒッツ – Hits!(1980年の同名盤に5曲追加)
- 2011年 プレイリスト:ヴェリー・ベスト・オブ・ボズ・スキャッグス – Playlist: The Very Best of Boz Scaggs
- 2019年 ジャパニーズ・シングル・コレクション-グレイテスト・ヒッツ- – Greatest Hits -Japanese Single Collection-
*引用:ボズ・スキャッグス-Wikipedia
1969年 ボズ・スキャッグス&デュアン・オールマン
1976年 シルク・ディグリーズ / Silk Degrees
1977年 ダウン・トゥー・ゼン・レフト / Down Two Then Left
1980年 ミドル・マン / Middle Man
1988年 アザー・ロード / Other Road
2013年 メンフィス / Memphis