曲の紹介(What’s Going On ホワッツ・ゴーイン・オン)
【曲 名】What’s Going On(ホワッツ・ゴーイン・オン)
【アーティスト】Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)
【作詞】【作曲】Renaldo Benson(レナルド・ベンソン)、Al Cleveland(アル・クリーブランド)、Marvin Gaye(マービン・ゲイ)
【概 要】
1971年1月にシングルでリリースされ、その年5月にゲイの11枚目のアルバム「What’s Going On」がリリースされた。
この曲はローリング・ストーン誌の「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500 (2004年版)」では4位にランクされ、アルバムでは「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・ベストアルバム500」では1位にランクされている。
【記事参照元】What’s Going On (Marvin Gaye album)-Wikipedia
【原詞引用元】Marvin Gaye–What’s Going On Lyrics-Genius
【画像引用元】Marvin Gaye-Wikipedia
曲の解釈
この曲は、ベトナム戦争に対するデモで、警察の暴力を見た黒人ボーカルグループ「フォー・トップス」のレナルド・ベンソンの「What’s goin on?~一体何がどうなっている」という言葉から生まれたとのことです。
それを、モータウンの作曲家アル・クリーブランドが曲に起こし、その後マービン・ゲイが彼流に詞と曲を書き換えてできました。
この時、ゲイはベトナムから帰還した弟からの戦場の様子なども参考にしたようです。
曲の内容は、まさしく当時のベトナム戦争(1965/11~1975/4)に対する反戦デモへの警察の暴力に対してや、戦争への反戦の気持ちが表されています。
コーラス部の「What’s Going On~一体どうしたんだ、何が起こってるんだ?」の問いかけは、特に今の社会情勢を見るに、発したい、発しなければいけない言葉のように思います。
マーヴィン・ゲイのアルバムを自分の感性でプロデュースするという「セルフ・プロデュース」のやり方はのちのダニー・ハサウェイやスティーヴィー・ワンダーに影響を残し、彼らの音楽は「ニュー・ソウル」と呼ばれるようになったとのことです。
しかし残念なことに、1984年4月1日、45才の誕生日の前日に、両親の喧嘩の仲裁に入り実の父親から撃たれ不幸な死を迎えました。
多くのミュージシャンがカバーしている名曲ですが、Donny Hathaway(ダニー・ハサウェイ)がとてもソウルフルでかっこいいです。
歌詞の和訳(What’s Going On ホワッツ・ゴーイン・オン)
(原詞:太文字)
What’s Going On
Mother, mother
母さん、母さんたち
There’s too many of you crying
あまりに、あなた方の多くが泣いている
Brother, brother, brother
兄弟、兄弟、兄弟たち
There’s far too many of you dying
あまりに、君たちの多くが死んでいる
You know we’ve got to find a way *1
道を見つけなければいけないんだ
To bring some loving here today *2
今すぐここに、愛し合うすべを導ける
2)
Father, father
父さん、父さんたち
We don’t need to escalate *3
エスカレートする必要はないんだ
You see, war is not the answer
わかるだろう、戦争は解決策じゃないんだ
For only love can conquer hate
愛だけが、憎悪に打ち勝てるんだ
You know we’ve got to find a way
道を見つけなければいけないんだ
To bring some loving here today
今すぐここに、愛し合うすべを導ける
Picket lines and picket signs *4
ピケラインに、プラカード
Don’t punish me with brutality
残虐な仕打ちはやめてくれ
Talk to me, so you can see
話し合おう、そうすれば分かるはずさ
Oh, what’s going on*5
ああ、どうしたんだ
What’s going on
どうしたんだ
Ya, what’s going on
いったい、どうなってる
Ah, what’s going on
ああ、どうなってるんだ
(間奏)
In the mean time
今のうちだ
Right on, baby
それでいいんだ、ベイビー
Right on
いいぞ
Right on
それでいいんだ
3)
Mother, Mother,
母さん、母さんたち、
everybody thinks we’re wrong
誰もが、俺たちが間違ってると思ってる
Oh, but who are they to judge us
ああ、だけど俺たちを裁く彼らは誰なの?
Simply because our hair is long
ただ俺たちの髪が長いだけで
Oh, you know we’ve got to find a way
ああ、道を見つけなければいけないんだ
To bring some understanding here today
今すぐここに、理解し合うすべを導ける
Oh
ああ、
Picket lines and picket signs
ピケラインに、プラカード
Don’t punish me with brutality
残虐な仕打ちはやめてくれ
Come on talk to me, so you can see
俺と話をしよう、そうすれば分かるはずさ
Oh, what’s going on
ああ、どうしたんだ
Yeah What’s going on
いったい、どうしたんだ
Tell me what’s going on
教えてくれ、何がどうなってる
I will tell you what’s going on
あんんたに言うけど、何がどうなってるんだ
Right on, baby
いいぞ
Right on, baby
それでいいんだ
キーワード
*1 we’ve got to:~しなければならない(=have to)
*2 some loving :「愛する(愛せる)何か」の意味で、文脈から「愛し合うすべ」としました。
*3 escalate:(戦争を)段階的に拡大する、広げるという意味でエスカレートするとしました。
*4 Picket lines : 「ピケットライン(ピケライン)」、「監視線」はデモ講義を監視や阻止を目的として作る柵や阻止する側の連帯や人垣を意味します。
*5 what’s going on:何がおきているのか?ですが挨拶的にも使われます。
アーティストの紹介(Marvin Gaye マーヴィン・ゲイ)
【名 前】Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)
*出生名:Marvin Pentz Gaye Jr(マービン・ペンツ・ゲイ・ジュニア)
【生 誕】1939年4月2日(1984年4月1日没)
【出身地】アメリカ、ワシントンD.C.
【概 要】
彼は、ワシントンD.C.で説教師の父と母のもとに生まれ、地元の教会で音楽に触れました。
宣教師だった父親の厳格で度を越えた躾が、後の彼の人生にトラウマを与えました。
空軍に入隊した後、ドゥーワップ・コーラスグループ「マーキーズ」で活動し、後にモータウン・レコードでソロキャリアをスタートさせました。
彼はスタジオミュージシャンとの親交を深め、特にベースのジェームス・ジェマーソンとの協力で多くのヒット曲を生み出しました。
テンプテーションズのタミー・テレルとのデュエットも成功を収め、彼の音楽性は人気を博しました。
1971年には「ホワッツ・ゴーイン・オン」というベトナム戦争などの社会的メッセージを持つアルバムを発表し、セルフ・プロデュースの手法で注目を浴びました。
その後、離婚や私生活の混乱により、一時期音楽活動を休止したこともありました。
復活後は「ミッドナイト・ラヴ」をリリースし、1983年にはグラミー賞を受賞するなど健在を示しました。
しかし1984年4月1日、45歳の誕生日の前日に、ロサンゼルスの自宅で父親に射殺されました。
父親は後に故意の殺人罪で有罪判決を受け、6年の執行猶予と5年の保護観察処分を受けました。
その後、ゲイは多くの機関から栄誉を受け、グラミー生涯功労賞や、R&Bの殿堂、ソングライターの殿堂、ロックの殿堂などの殿堂入りをしました。
彼の作品は今でも高い評価を受け、その影響は後世のアーティストにも及んでいます。
アルバムの紹介
1971年 What’s Going On (#6 U.S.)
1973年 Let’s Get It On (#2 U.S.)
1973年 Diana & Marvin (#5 UK)
1976年 Want You (#4 U.S.)
1977年 Live at the London Palladium (#3 U.S.)
1982年 Midnight Love (#7 U.S.; #10 UK)
1994年 The Very Best of Marvin Gaye (#3 UK)
2011年 ベスト・オブ・マーヴィン・ゲイ
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